ピッシリ山滝の沢川遡行)
2008.07.20/21  GP
所要時間:17時間30分 総行程/30Km
道道688号線(遠名橋)〜遠別川〜滝の沢川〜ピッシリ山西尾根〜ピッシリ山山頂〜羽幌側登山道
天狗山    


 ピッシリ山は、道北にては1000m級を超える貴重なる山であり、その山容は存在感があり頂きからは道北の奥深さを感じられる。
 今回のピッシリ山は、先週に引き続くOgi氏/旭川の計画により沢筋から1泊2日にて奥深き山中を泊装備で歩く山行である。
 山行計画は、ピッシリ山北側の長大なる「滝の沢川」を辿り、ピッシリ山を経て羽幌コース登山道を巡るルートである…本当に長かった!!
 1日目:「古丹別市
街地」でOgi氏と合流して下山口の羽幌側登山口へと向かい私の車をデポ後、久しぶりの海に「焼尻島」を眺めつつ北上して遠別町から「道道688号線」に入ると遠別川沿いの山間部は静寂そのものである。
 遠名橋先
の道路分岐は、ゲート(施錠)設置され実質的な登山口となり、泊装備を背中に実感しつつ蛇行を繰り返す遠別川沿いの舗装道路に入ると「正修トンネル」先が道路工事の終点である。
 この道道688号線は、遠別町と名寄市を結ぶ総延長76Kmの道路であるが、昔日、朱鞠内湖北西の「シート−トムシメヌ山」に2度登頂している。
 その際に利用したのが未開通南側のこの道路であり、残り4Km程で開通との事で、地元人として貫通を望むが難工事を予感させる。
 正修トンネル手前の橋梁付近から遠別川本流に入沢、先週の「ピッシリ山/エビシオマップ川遡行」同様に川底の石は非常に滑る。
 程なくシート−トムシメヌ山方面を源流とする遠別川本流から「滝の沢川」に入るが、河原地形が極小で水流の川を歩く事が常である。
 両壁には、規模の大きい斜筋の堆積層が点在、又、道北一帯の地層からは恐竜・アンモナイト等が採取されるが「白亜紀の最後に海プレートの陸地側への沈み込み時に地滑りを発生又小惑星等の衝突により生じた粉塵発生により太陽光が遮断、地球の気温が低下、気候変動に対応できなかった恐竜等が絶滅」したとあるがこの断層地形が合致するかは不明である。
 本日は、11時頃から歩き明日の行程を考えC430大滝を目安に黙々と渡渉を繰り返し、奥深く続く「人跡」を興味深く追うと「3人の釣り人」に出逢い、彼らは玄人釣りで「大滝までは行った事はある」との事で、大きな「イワナ」を無造作に釣って放流している。
 C310左岸の高みをテン場として、私は「焚き火材料」、Ogi氏は「イワナ釣り」を始めると入れ食いで6匹を収穫、河原で焚き火夕食、美味しい!!
 2日目:06時出発、本日は大滝越え次いでゴルジュ通過を予感させる地形が続くがと…穏やかな空気の中に再び入沢である。
 C430大滝は2段でゴルジュに続き、大高捲きをする前に「釣り糸」をOgi氏が垂らすと大物を含めて入れ食いである。
 あまり楽しんでもいられない…左岸を大高捲きして幸運な降下地形から沢に降り立つが、ここからが連続したゴルジュが続き常に深い「釜」を持ち、二人協同にて越える場面が連続する。
 「釜」を泳ぎ、微妙に「へつり」を繰り返しC575滝を右岸に高巻くと厳しかった地形を無事通過するが、時間は11時30分と計算外の時間が流れ、山頂まで残り5Kmもある!!気持ちが焦る中に昼飯を口に押し込む。
 手強いルートであると黙々と距離を縮めて沢幅が狭小となり水流が減少すると高度上げ地形に到達する。
 C800二股、C825二股、C850二股を何れも右股に入ると程なく沢地形も消えると濃密なるネマガリ竹斜面が広がる。
 太く手強い藪漕ぎを辛抱すると藪丈が身長程に変わると視界が開け、羽幌側登山道の尾根が近いと感じるが広尾根であり、方向修正すると待望の登山道C1000に飛び出る…もうすぐ16時やった!!
 もう動きたくない気分…Ogi氏が山頂に寄ろうと言う…重い足を緩やかな登山道に向けると3度目の正直、先週の大荒れ風雨の山頂とは違い、初めて味わう展望である。
 原始林の山並み様相が眼下に広がり、ペンケ山・パンケ山・鬼刺山・シート−トムシメヌ山等が広がり、道北特有の山並みが一望される。
 下山、初めて歩く羽幌側登山道は、地元の方々の尽力により維持管理されている又先週は東側のエビシオマップ川から登頂後朱鞠内側の登山道を辿っているが「熊」の形跡は今回は薄い。
 登山道口の広場に何とか夕刻に着くが、林道崩壊により更に2Km程歩く事となり急ぎ足となるが、長く手強い幾多の地形を越えた充実感は大きく1830車デポ点に無事到着…厳しかった!!
 夕陽に染まる利尻山を眺めつつ、出発点の上遠別まで車回収へと再び北上、昨日からの山行は、長距離の川遡行であるが、沢屋(私は違う)としても十分味わえるルートと思える。
 何れにしても、この計画は泊が前提であり、行程として1日目は大滝付近まで遡行する事が翌日の難所通過に時間を費やせると考える。
 最後にこの計画を立案、常に体力・気力が充実した健脚であるOgi氏と同行して目的が無事達成できた事に感謝します。
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