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3. 強化する筋肉
前述でも述べたとおり、ジャンプするということは、体の至る所を使った全身運動です。
当然、全身を満遍なく強化することが、最適なトレーニングといえるでしょう。
本頁ではその中でも、とりわけ、ジャンプという動作に強く関わる筋肉を記載し、それぞれの筋肉が、どのような動作に関わっているかを簡単に紹介いたします。
3.1 背筋
背筋には、広背筋、僧帽筋、三角筋、大円筋、脊柱起立筋などがあります。
背筋を鍛えることは、ボディバランスを良くし、パワフルなプレーを可能にします。
また、バレーボールでは、空中での上体コントロールが安定し、ネット際の競り合いに強くなりますし、
体重の乗ったスパイクを放つことが出来ます。
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広背筋(こうはいきん)は脊柱と骨盤後部から脇の下をつなぐ筋肉です。
広背筋を鍛えると上体の姿勢を素早く反応させる力を得ることが出来ます。
ジャンプという動作の中では、下半身で強く地面を蹴り上げた際、より強く
重力に反発する勢いを得ることで高いジャンプを可能にします。
三角筋(さんかくきん)は肩の筋肉です。三角筋を鍛えると腕を背後に強く引き上げる力を得られます。
ジャンプの際、腕の振りにより、下半身に強い反動を加えることができます。また、
バレーボールでは、スパイクの助走時、腕を強く振り上げることで、力強い踏み込みができるようになります。また、スイングの速度も向上します。
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広背筋
三角筋
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3.2 腹筋
腹部の筋肉です。
腹筋には、腹直筋と左右わき腹に外腹斜筋、その内側に内腹斜筋があります。
腹筋は、上体を起こしたり、大腿部を引き寄せたり、腰や上半身を回転させたりといった様に、上半身の大きな動きを担う主要な筋肉といえます。
腹筋を鍛えることは、背筋と同様、上半身の動きを力強くする為に非常に重要な筋肉です。背筋と腹筋はセットで鍛えましょう。
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腹直筋(ふくちょくきん)は前腹部の6つに分かれた筋肉です。
上半身の伸縮運動に強い影響を与える筋肉です。
バレーボールではスパイクの地面を蹴り上げる瞬間、上体を起こす動作に関わります。
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腹直筋
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3.3 大腿部(もも周辺)の筋肉
ももの筋肉には、大腿四頭筋(太股の表側の4つの筋肉:外側広筋,大腿直筋,中間広筋,内側広筋の総称)と
ハムストリングス(大腿二頭筋,半膜様筋,半腱様筋)があります。
下半身におけるパワーを要する主要な動作に関わっていますので、当然ジャンプする為に最も重要な筋肉といえます。
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大腿四頭筋は、太もも前部の主要な筋肉で形成されています。
大腿部を前方に上げたり、ひざの曲げ伸ばしを行う体の中で最も伸縮する力が大きい筋肉です。
ジャンプという動作の中では、踏み込みの際、ひざを曲げて上体を引き付けた体勢から、
勢い良くひざを伸ばすことにより、上に向かうパワーを生み出します。
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大腿四頭筋
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3.4 臀部の筋肉
お尻の筋肉です。
臀部には、中臀筋と、大臀筋があります。
臀部の筋肉は股関節を伸ばしたり、大腿部を後方に引き上げる際に働く筋肉です。
臀部は、短距離走や、ジャンプ等の動作の中で重要な役割を担っていますが、
おそらく多くの人が意識して鍛えることの無い筋肉ではないでしょうか。
ひざの曲げ伸ばしという動作を行う上で大腿部と臀部は双対して働いている為、
例えばスクワットなどで、大腿筋(太もも周辺の筋肉)を鍛えようとすると臀部も連動して鍛えることになります。
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大臀筋(だいでんきん)は骨盤から大腿骨に向かって伸びていて、お尻の中央に位置する筋肉です。
足を後ろへ跳ね上げる動きに関わり、ジャンプ時に直接働く筋肉です。
バレーボールでは、スパイクやブロックの打点を向上させる他、レシーブの際、前方に落ちるボールへの反応が俊敏になります。
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大臀筋
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3.5 下腿筋
すね・ふくらはぎの筋肉です。下腿部には、下腿三頭筋(腓腹筋(ひふくきん),ヒラメ筋)と
前脛骨筋(ぜんけいこっきん)があります。
下腿部の筋肉は、足首の曲げ伸ばし動作に働きます。
ジャンプはもちろん、フットワークの向上などスポーツ全般でトレーニングの欠かせない筋肉です。
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下腿三頭筋は、腓腹筋とヒラメ筋で形成されたふくらはぎの筋肉です。
足首を曲げた上体から伸ばす動作に働く筋肉です
ジャンプという動作の中では、大腿部によるひざの伸張に連動し、強く地面を蹴りつけ、高いジャンプ力を生み出します。
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下腿三頭筋
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2.トレーニングの準備
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4.実施日程を組む
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