地球物理学教室第一講座


(前史)
1897年(明治30年)京都帝国大学設置(6月)、理工科大学開設(9月)
1909年(明治42年)志田 順:第一高等学校教授より理工科大学助教授として就任
  〃      理工科大学附属上賀茂地学観測所の設置
1914年(大正 3年)理工科大学より理科大学が分離

(地球物理学一般講座(第一講座)の誕生)
1918年(大正 7年)理科大学物理学科に地球物理学一般講座(第一講座)が設置された。
          (岡崎奨学資金による)
1920年(大正 9年)物理学科から地球物理学一般講座を分離独立させ、宇宙・地球物理学科が
         創設された。当初、事務に関しては宇宙物理学科と地球物理学科とで共通
         に取り扱われていたが、教育及び研究は両学科でそれぞれ独自に行われて
         いた。
1921年(大正10年)「地球物理学第二」講座が増設された。これにより、地球物理学科が実質的
         に発足した。        
1922年(大正11年)地球物理学科に第三番目の講座が設置された。これにより、地球物理学教
         室は、第一講座(地殻物理学講座)、第二講座(海洋物理学講座)、第三講座
         (気象学講座)の体制となった。
         
 それ以後、1994年(平成 6年)までの講座史は、地球物理学科の沿革を参照されたい。

1994年(平成 6年)京都大学理学部/理学研究科の大学院重点化に伴い、理学部地球物理学科が
         廃止され、理学部理学科に統合された。一方、大学院理学研究科地球物理学
         専攻は地質学鉱物学専攻と統合し、新たに地球惑星科学専攻が設置された。
          この改組に伴い、理学部地球物理学教室内の固体地球物理学関係の3講座
          (地殻物理学、応用地球物理学講座及び地震学講座)は、大学院理学研究科
         地球惑星科学専攻のもとで、下記の3つの分野の研究室を含む大講座(固体
         地球物理学講座)となった。
         ◆固体地球物理学講座(大講座)に含まれる研究室
           (旧)地殻物理学講座(第一講座)    => (新)測地学研究室
           (旧)応用地球物理学講座(第四講座) => (新)地殻物理学研究室
           (旧)地震学講座(第六講座)     => (新)地震学研究室

第一講座:歴代講座担当者
旧制:1918〜)

志田 順 1918年(大正 7年)〜
1936年(昭和11年)
教 授
志田 順
(Toshi SHIDA)
・地球潮汐研究における"志田数"
・地震波初動の"押し引き"分布の発見
・深発地震の存在
佐々 憲三 1937年(昭和12年)〜
1940年(昭和15年)
助教授
佐々憲三
(Kenzo SASSA)
・佐々式伸縮計の開発
・地球潮汐ひずみの最初の観測
・地震の前兆的傾斜変化の観測
長谷川万吉 1940年(昭和15年)〜
1945年(昭和20年)
教 授
長谷川万吉
(Mankichi HASEGAWA)
・ 阿蘇山および島原眉山の火山帯磁の研究
西村 英一 1945年(昭和20年)〜
1951年(昭和26年)
助教授
西村英一
(Eiichi NISHIMURA)
・傾斜計を用いた地球潮汐の精密観測
・地球潮汐に及ぼす海洋潮汐の荷重影響

(新制:1949〜)

西村 英一 1951年(昭和26年)〜
1964年(昭和39年)
教 授
西村英一
(Eiichi NISHIMURA)
・わが国の地震予知計画発足への貢献
・環太平洋地殻変動観測網計画
一戸 時雄 1965年(昭和40年)〜
1987年(昭和62年)
教 授
一戸時雄
(Tokio ICHINOHE)
・一戸式重力計の開発
・重力の時間的変化の研究
中川 一郎 1988年(昭和63年)〜
1995年(平成 7年)
教 授
中川一郎
(Ichiro NAKAGAWA)
・地球自由振動の最初の観測
・ラコスト重力計の高精度化
・国際重力結合
竹本 修三 1996年(平成 8年)〜
2006年(平成18年)
教 授
竹本修三
(Shuzo TAKEMOTO)
・レーザー干渉技術を用いた地殻歪の高精度観測
・超伝導重力計と絶対重力計を用いた地球内部ダイナミクスの研究
  

測地学研究室(第一講座)の国際協力

     1965〜1993  ・ペルー及びチリにおける地震に伴う地殻変動の国際共同観測   (西村英一、一戸時雄、中川一郎、田中 豊、尾池和夫、加藤正明、津島吉男) 1979〜1982  ・環太平洋地域における国際重力結合 (中川一郎、東 敏博) 1985〜1986 ・日中国際重力結合 (中川一郎、東 敏博) 1997〜 ・インドネシア・バンドン市における超伝導重力計を用いた重力の時間的変化の精密観測 (竹本修三、福田洋一、東 敏博) 2002〜 ・東アジアにおける絶対重力基準網の確立(中国、マレーシア、インドネシア) (竹本修三、福田洋一、東 敏博)

21世紀初頭に測地学研究室(第一講座)で行れていた研究から

    ・超伝導重力計と絶対重力計を併用した重力の時間的変化の精密観測 (海面変動と地殻変動の分離、地球回転、地球深部ダイナミクスなど) ・人工衛星データを用いた地球重力場・ジオイドの精密決定 ・地上における地殻変動連続観測と衛星データを併用した地震前後の地殻変動の研究 ・長スパン・レーザー伸縮計を用いた地球ダイナミクスの研究


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