〔システムの概要〕
今回導入した地中熱利用ヒートポンプ(GeoHP)システムは、井戸「地中熱交換井」を敷地内 の庭にあたる場所5ヶ所に深さ60メートル直径約14センチにボーリングします。その中を樹脂 製パイプ「地中熱交換器」がU字型に埋めこまれています。パイプの中を不凍液が循環し、地 下室に設置したヒートポンプ本体へ送りこまれます。ここで電気の補助をうけ冷暖房「パネルヒ ーター」と給湯のエネルギーとなります。なお、電気の契約は「時間帯別A(やりくりナイト8)」。 一般的な地中熱交換井は深さ50mでおよそ4〜5本必要とするそうです。また、冷暖房機は 他にもエアコンや床暖房にも対応出来るそうです。 〔地中熱とは〕 井戸水が夏冷たく、冬暖かく感じるのは水が季節に関係なく一定の温度だからなそうです。 日本の一般的な地下の温度は5〜10mより深いところでは、季節に関係なく10〜15℃でほ ぼ一定です。この熱が「地中熱」と呼ばれています。 温泉地帯で地下の温度が100℃を超えるような高温の場合は地熱と便宜上分けて呼ぶそう です。 ※でも、うちは100℃を超える条件ではありませんが、みなさん「地熱」と呼んでいます…。こ のほうがわかりやすいですね。 〔地中熱利用〕 日本での導入は1984年に暖房使用が始まった札幌市のマンションが第一号。岩手県では 昨年開設の県環境保健研究センター(盛岡市)に冷暖房、床暖房のヒートポンプシステムを設 置。道路・歩道の融雪にも利用されています。さらにこれから建設される県営集合住宅にもヒ ートポンプシステムの導入が検討されているようです。 このような一般住宅の設置は全国でも数少ないそうです。 海外では既にアメリカで50万台以上、スウェーデンやドイツでは5万台以上と欧米各国では 普及が進んでいるそうです。
高松の池
〔地中熱のなにがよいか〕 環境にやさしい。これがこのシステムを導入するポイントとなりました。 従来型のエネルギーですと、必ず排気(=CO2など)が発生します。 これらに対して、地中熱利用では本体稼動のため電気を消費しますが、大幅に電気使用量 の省エネ性がみられ(オール電化と比較し年間30%程度減)、CO2ガスなどの排出量を抑制 することで環境に負荷をかけることを防ぐことができます。 また、放熱用室外機が無いので稼動時の騒音がありません。地下室の本体の稼動音は若 干ありますが生活していて不快感はありません。 他にも、樹脂製パイプ「地中熱交換器」は密閉式なので環境汚染の心配はなく、冷房時に熱 を屋外に放出しないためヒートアイランド現象の元になりにくいです。 「環境首都」を目指す岩手県の県民として「地中熱利用ヒートポンプ」は魅力あると思います。 このページはシステム施工業者であります地熱エンジニアリング株式会社 担当者様のレポートを参考にし、1年間 暮らしてみての感想とともに作成してみました。
岩手山
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