以前は測量結果を野帳へ記入していました。元来1回の測量では測点数は100点もあれば多い方で、「電子野帳でのボタン等の押し間違いによる入力ミスの方が怖い。野帳に目で見て記入するアナログ方式が安心だ」などと正直思っていました。電子野帳の存在は知っていましたが、試しにソキアの営業に聞いてみたらなんと50万円以上するではないですか。
茲で私のチャレンジャー精神に火がついてしまいました。何とか自前で準備出来ないものかと思い、ネットを徘徊している内に、一般的なPDAで動作する「Giomini2」というシェアウエア(4000円)にたどり着いたのです。これなら安いPDAが手に入れば”ダメモト”の費用の範囲で電子野帳が作れるのではないかと作成奮闘記が始まった次第です。
家の古いTS(Sokkia set5s)にも幸いデータポートがあったので、その他の機器の準備を以下に記します。
@TSからのRS-232Cケーブルは中古品を譲り受けた
APDAは「Giomini2」のサイトで検討した結果、CASIOPEA E-2000として、購入はネットショップ(ミスターマックス)にて35000円で購入
BE-2000そのままではRS-232Cケーブルに接続出来ないことが判明。RS-232c用拡張ユニット(JK-744CV:3000円)と専用RS-232Cケーブル(JK-580CA:5000円)を追加購入。ちなみに手元にあったPDA用のRS-232cケーブル(標準品)が利用出来なかったことをCASIOに抗議したのは言うまでもない。
Cところが、届いたケーブルを見てびっくり、接続するはずのRS-232c端子(9ピン)がどちらもメスではありませんか。あわてて”オス-オス”の変換ユニットをPCショップにて購入し、一応全てのパーツがつながった。
D「Giomini2」をシェアウエア登録後インストールし、喜び勇んでPDA設定を終わらせTSに接続。祈る気持ちでPDA→TSの順に電源を入れたところTSからブザー音と同時に「バッテリーコウカン!」のメッセージが。バッテリーは充電したばかりなのに何度やっても同じ現象が発生してOUT!その日はあきらめた。
Eまたまたネットにて電子野帳を検索して徘徊していると、「TSケーブルにはノーマルとクロスがある」事実が判明。そこで手持ちのクロス変換コネクタをかませて再度接続電源ON!何事もなかったように動作するではないか。
F出来上がったは良いが2本のケーブルにコネクタ2つ。ケーブルだけで何と全長3m、重量はPDA2台以上の重さとなってしまい何とかしなければと再度検索。
http://homepage3.nifty.com/A-Survey/page025.html
でソキアのTSケーブル構造が判明。実際には3本の線しか使用されておらず、クロスコネクタの配線図を元に数年ぶりのハンダゴテ片手にTSケーブルの配線を短くした上結線を手直し、見事完成しました。(配線の結果がうまくいくかどうか一番心配な部分だったので、苦手な方は前記のアドレスにてTS専用ケーブルを購入されることをお勧めします)
G早速現場での実証と思い持っていったところ、本体がむき出しのままでは何とも不安。冷や冷やながら作業をしていると拡張ユニット(JK-744CV)の脱着ボタンにを押してしまい、TSとの通信不能に陥りミス。あまりにもPDAに対する心配事が多すぎてケース作成を決意。
ホームセンターで買ってきた小さい工具箱(9センチ×19センチ:400円)にストラップ 取付用のU時金具と三脚に引っかけるためにプレートを加工して取付。
PDAの固定はマジックテープ(マジックテープの厚みのおかげで背面のナットとの 干渉も問題なし。)
スタイラスペンで画面をさわるため、蓋の一部を切り取って、埃防止の ための”隙間テープ”(厚さ9ミリのスポンジ:黒い部分)を張った結果、PDAの固定に対しても有効であった。
PDAを取り外す時に背面から中指で押せるように25oの穴、側面に電源ボタンを押すための5o程度の穴を開け、下部にRS-232cケーブルを通すための穴(7×25o)を開けて完成!
完成写真1
接続前の全体の部品です
完成写真2
接続するとこんな風になります。
ケースの大きさがあまりにもジャストサイズなので自画自賛しています。
通常は首にかけて使用し、待機中は三脚にかけておきます。
結局5万円でおつりが来たのですが、絶版直前のE2000が手に入ったこと。TSケーブルがほぼタダで譲ってもらったことを考えると。通常では7万円程度かかるものと思われますが、「Geomini2」でその場での観測・座標展開・杭打ちが出来ること。手簿作成からapa出力まで出来ることを考えると充分満足出来るものと思っています。