基準点配点に関する提案

 

GPS測量器は高価である!さらに日々進化し一向に一般に普及するほど安くならない!

私がGPS測量器を導入してはや2年と数ヶ月、スタティック測量という2時間観測で数十点の点(1級基準点並)を設置してきたが、現在VRSという携帯電話を利用してサーバーから補正情報を取得しながらたった10秒の観測で23pの測量が出来るようになってくるともはや私の持っている器械は半ば時代遅れになりつつあるように思えるが到底最新のマシンを購入する余力もない。


 そこで私の所有する器械で可能となるRTK-GPS測量(2台の2周波GPS測量器を使用して、無線機で補正データを送受信して既知点から半径500m以内の点を1p程度の誤差で計ることが出来る)を行おうと考えたのだが、国土地理院の設置した三角点は現場の近くには無く非常に使い勝手が悪い。ならば自分たちで基準点を設置してしまおうという発想で今年の春より同業者有志を募って基準点設置を行っている。

 本来で有れば近くの三角点から観測すべきであるが、2周波GPS測量器を使用する場合は既知点として電子基準点のみを使用することになっており、その精度は1p程度であることから、他の調査士が所有する2台を含め計4台で月に14点ずつ(3角形を二つ)設置し、その点間をほぼ500mにする事により4点ずつのグループ間の誤差は問題にならない範囲であると考えることとした。


 まず私の居住する大分県速見郡日出町の中で国土調査の実施予定がたっていない中心部をターゲットとして配点計画を行った。CAD上に地図を貼り付け、500mの三角形を配置して大まかな計画を行い、現地で点間距離を確認するためにハンディGPSを利用した。

 ハンディGPSと言っても色々あるが、私が購入したのは”NATO軍使用”というタフなイメージが気に入ったSILVA社のマルチナビゲーターである。トランシットで測量を行う関係上温度計を含む気象計が搭載してあるのはこれしかなかったのだ。GPS測量器の数百分の一の価格のハンディ機なんて大した精度ないんだろうなんて思っていたのだが、試しに2点を設置して(ハンディGPSの読みでは誤差を考慮して450mで設置)観測結果を計算したところ449.3mと驚異的な精度を確認し、常々そんなに上手くはいかないであろうと、490m程度で現地で確認しながら配点した結果は下図の配点であるが、最長基線は496.8mと目標を達成することが出来、現地で障害物を考慮してちょっと位置を変えたい場合に図上では成し得ない配点を行うことが出来た。

 約半年で全16点を設置し、以降土地に関する登記業務にこれらの点を利用していくのだが、我々土地家屋調査士だけではなく当該自治体にこれらデータを提供し、自治体が行う測量に関して設置した基準点を使用してもらうことにより(使用料などとケチなことは考えていない)将来のGISにつながるんではないかと提案したのだが、国土地理院の認証(これがないと公共基準点と言えない)が無いことを理由に全く取り合ってもらえていない。非常に高い精度を持っているのがわかっているのに使わないとは!小泉さんの民活どころか業界がボランティアでやっていることに見向きもしない役所の担当者にはがっかりするばかりである。

 何かこれら設置した基準点を公共に有効利用する手はないものかと思案中であり、現在も隣接市にて作業は継続しており、周辺自治体にも呼びかけをしてゆく予定ではあるが、これを読まれて何かアイデアが有る方はどうぞ私にメールをチョーだい!