町長日誌 素案など 2017年12月から

町長日誌素案その2 最後の町長日誌 200924
 町長日誌が今回で最後になります。
 この欄に、その時々の出来事を話題にして思いのまま、感じたままに記しました。
 9月池田町議会の定例会議で5期20年の総括をと問われ、概略を申しあげました。
 町長は行政執行者として、町が主催する行事、あるいは町内団体の総会や大会、各種集まりで挨拶することが常で、それが町長としての大きな仕事でもあります。
 20年前、公約の一つに情報公開をあげ、この間、この町長日誌だけでなく、町営有線テレビがある時代は「月間勝井町長」として、また文責は町長個人としてホームページを毎日のように更新し、併せて10年ほど前からフェイスブックで時に私的な思いも含めて出来事を発信してきました。
 「月間勝井町長」では、その月の出来事を5項目ほどにまとめ、30分から40分ほどカメラに向かって報告したり協力をお願いしたりしていました。
 特に「勝井勝丸のホームページ(北海道池田町長)」は、当時ブログという言葉がありませんでしたが、「最近の出来事」欄に畑の様子や町内の行事、自分の思いなどをほぼ毎日更新していました。
 今は、議会広報「かけはし」や町の「広報いけだ」に町議会行政報告と一般質問に対する答弁が掲載されていますが、自分のホームページで概略を報告して経過もあります。
 加えて、役場内ではグループウェアという内部情報共有システムに「町長から職員の皆さんへ」欄を作り、ホームページよりも詳細の報告をしたり、いろいろな指示やお願いをしています。
 夜の懇親会が遅くなったり、ワインを飲みすぎたりで更新が深夜、早朝になり、辛いと感じた時も多くありました。
 そのようなことを言い訳にするわけではありませんが、誤字脱字や意味不明の文章があり、指摘されて修正することもたびたびありました。
 町長職を終えるにあたり、その更新をしなくともよくなることが一番の解放感かもしれません。
 この広報いけだが町民の皆さんに届く時には令和の時代をリードする新しい町長を決める選挙が行われているものと思います。
 新町長と町民の皆さんとで誇りある池田町を作り上げていただきたいと思います。
 宮城県の水田地帯の田舎町で生まれ育った私ですが、ひろい北海道十勝の池田町で町長を務めたことを誇りに思います。
 私も池田町の一町民として生活しますし、清見の墓地に用地も確保してありますので、永遠に池田町にいることになります。
 生前、丸谷さんに「棺にワインを入れてもすぐ飲んでしまうでしょう。私も遅れていきますが、あの世でブドウを栽培し一緒に醸造して、熟成させて楽しみましょう。」と話しました。 そんなことも記して最後とします。
 20年間、この町長日誌を読んでくださり、ありがとうございました。

★ 町長日誌素案その1 最後の町長日誌 200911
 町長日誌が今回で最後になります。
 この欄に、その時々の出来事を話題にして思いのまま、感じたままに記しました。
 9月池田町議会の定例会議で5期20年の総括をと問われ、概略を申し述べました。
 町長就任後間もなく、地方交付税交付金など歳入が激減して予算編成ができなくなり、厳しい行革に町民の皆さん、職員の皆さんに協力していただき、今の池田町があると思っています。「町長はあまりお金のない話をしない方がいい。」「財政の話は耳たこです。」と言われたこともありました。一方、「何度も言わないと分かってもらえないものだ。嫌われてもリーダーはそうすべき。」と指摘する方がいて、意を強くしたこともありました。そんなことで、この欄に財政のことも取り上げ、現状とその後の展開、協力をお願いしたこともありました。
 子どもたちや高齢者の皆さんが活躍し新聞紙上で報道されるなどうれしいこともありましたが、厳しい行革や不祥事があり議会で町民の皆さんにお詫びすることもたびたびありました。地震や台風による激甚災害も職員やボランティアの皆さんと何とか対応しました。20年間の思い出が輻輳し、職を辞してから、ゆっくりと振り返りたいと考えています。
 私的になりますが、子どものとき父や母と一緒に畑や庭で仕事をしたことがあったせいか、小さな菜園や庭にいるのが好きです。 狭い庭ですが一画にビニールハウスを作り野菜づくりを楽しんでいます。最近は種から野菜や花を育てることにも挑戦しています。果樹にも挑戦し、成長と結実を楽しんでいます。野菜が育ち、果実が甘くなる、花がきれいに咲く、その生きている様子を見るのがとても楽しいのです。
 子ども達がこのまちで健やかに育ち、大人になってこのまちを誇りに思う。そのような池田町になってほしいと思います。
 宮城県の水田地帯の田舎町で生まれ育った私ですが、この池田町で町長ができて誇りに思います。町民の皆さんにお礼を申し上げます。
 この広報いけだが町民の皆さんに届く時には令和の時代をリードする新しい町長を決める選挙が行われているものと思います。
 新町長と町民の皆さんとであたらしい池田町で作り上げていただきたいと思います。
 もちろん、私も池田町の一町民として生活しますし、清見の墓地に用地も確保してありますので、永遠に池田町にいることになります。
 生前、丸谷さんに「棺にワインを入れてもすぐ飲んでしまうでしょう。私も遅れていきますが、あの世でブドウを栽培し一緒に醸造して、熟成させて楽しみましょう。」と話しました。
 そんなことも記して最後とします。20年間、この町長日誌を読んでくださり、ありがとうございました。

★ 町長日誌素案 持続可能なすばらしい十勝、池田町へ 20200825
 新型コロナウイルスは収まる気配が無く、世界そして国内でも感染者が増加しています。最近の感染は若年層を中心としていることで、市中感染が拡大していることも指摘されています。 十勝でも少ない人数ですが発生が報道されています。引き続き、3密(密閉・密集・密接)を回避し、マスク着用や手洗いを習慣付けするようにお願いします。
 秋まき小麦の収穫の主役、大型コンバインが大役を終え出発した役場庁舎前のJA用地も戻りました。その姿を見て、と声には出しませんでしたが“お疲れさまでした”と心でねぎらいました。
 毎年、収穫が始まった頃に早朝、両農協の農産センター、麦乾施設を見学し様子を聞いてきます。 準備から最終的な調整まで長い期間、夜を徹してオペレーターを務めるので、健康と事故に注意してくださいと声をかけて帰ります。
 今年は台風の発生が遅く、強風による倒伏もなかったようで、無事収穫作業も済み、品質も良いようで結果の報告を楽しみにしています。
 今年で35年ほどになりますが清見のコートで朝テニスを汗を流しています。毎日、清見地区の畑の様子を見ることができるので、地区で栽培されているすべての作物の生育の様子が分かります。
 全町的には、春と夏頃に土と風の匂いを感じながら、オートバイに乗って様子を見て歩くのもの楽しみにしています。ヘルメットとサングラスをかけているので私だと分からないと思いますが、顔を合わせた皆さんには、あいさつ代わりに頭を下げています。
 ルートはいろいろですが、清見、東台、富岡から本別町勇足に入り、常盤、美加登、信取、青山、豊田、千代田、川合、昭栄と回ってガソリンスタンドで燃料を満タンにして帰宅するそのような道筋です。当然ながら、様舞や近牛、大森地区は別な機会に回ることになります。匂いも季節によって異なり、いい感じで、宮城の農村、田畑の回りで育った自分にとって、子ども時代を思い出すことにも繋がります。
 そんな時、池田町、十勝は基幹産業が農業で、自分に合って本当にいい所だなあと感じます。
 今、世界的に貧困や飢餓を無くし、全ての人が健康に、クリーンなエネルギー、気候変動に対策、平和と公正をすべての人に、などと持続可能な目標に向かおうとしています。
 コロナ対策で政府が地方創生臨時交付金も用意し、感染対策と経済対策、そしてその後の地域づくりに活かしてほしいと予算を計上しました。医療、衛生、経済対策などに活用していきます。 コロナウイルスのような感染症にも対応し コロナをきっかけに日本もデジタルトランフォーメーション改革が急激に進み、全国どこでも情報共有、医療や教育などほとんどのサービス・物流が可能となるものと信じています。
 人知を結集し、未知のウイルス感染症にも対応する有効なワクチンや治療薬製造の仕組みが完成し、気候変動を小さく抑える努力も徹底すれば、北海道、十勝が世界的にも持続可能な地域社会として、評価される時代が必ず来るものと信じています。

★ 町長日誌素案 新型コロナウイルス感染症のその後  20200825
 新型コロナウイルスは収まる気配が無く、世界そして国内でも感染者が増加しています。
 最近の感染は若年層を中心としていることで、市中感染が拡大していることも指摘されています。
 十勝でも少ない人数ですが発生が報道されています。
 政府は「十分に制御可能なレベルに感染を抑制し、死亡者・重症者数を最小化する、感染レベルを早期に減少に転じさせる」と目標を立て、4段階のステージに分け、医療・公衆衛生・経済を両立させようと努力しています。
 個人・事業者の皆さんに協力いただき、感染しにくい社会を作る、ワクチンや完璧な治療薬が無い現在、その対策しかないとの提言を実行することが最善と判断しています。
 PCR検査体制も拡大していますので、医療機関で受診、あるいは相談して難しくなく検査を受けることができるようになってくるものと想定しています。
 市中感染ということは、家族の中で働いている人、買い物や店で感染する可能性もゼロではないということだと思います。
 国や都道府県の医療体制も増えてくるものと思われますので、感染した場合でも大事に至らぬよう治療してもらえるものと思います。
 国民・道民として、テレビや新聞報道、町の広報に協力いただき、3密(密閉・密集・密接)を回避し、マスク着用や手洗いを習慣付けするようにお願いします。
 市中感染が広がり十勝で感染者が発生しています。池田町内で発生しないとも限りません。 保健所の指導や要請をしっかり守り、町内で感染者が発生したとしても、日本の進んだ医療スタッフの皆さんを信じて、命が助かることを信じ、誰だ誰だと探さず、差別・人権侵害にならないように注意しましょう。
 新型コロナは都市集中型社会の脆弱性を浮き彫りにしました。小さな面積に高層ビルが立ち並び、地代賃貸も高く当然のこと商店・飲食店も密でなければ経営が成り立ちません。都市は3密になりやすいのは当然です。
 自然環境がすばらしく、広大な農地や野山・海があり、農業、林業、水産業が盛んでものづくり、付加価値産業に頑張っている十勝です。
 十勝に住んで、デジタルトランフォーメーションDX社会になじみ、ネット環境を大いに活用して仕事をする、たまに都市に行き仕事をする、そのような仕事と生活が無理なく可能となる、そのような社会が間近になることを期待しています。

 ワイン城リニューアルオープン式挨拶(要旨) 20200620
 前日は町民の皆さんを対象にしプレオープンしましたが、十勝ワインにとって57才の誕生日でした。
 ワイン城は正式名称でなく、風貌からいつしかそう呼ばれるようになりましたが。実際に日高方面からの西風をまともに受けますが、ワインづくりについてもメディアから「十勝ワインは、原料をよそから持ってきて造るニセモノだ。」とバッシングを受けたこともありました。 まさに物心両面に風当たりの強いワイン城でした。
 池田町のワインづくりは山葡萄はあったがそれだけでは十勝ワインになりません(あまりに量が足りず商品ができず事業にならない)。 山葡萄を基本として品種の開発研究をして、ようやく山幸、清舞を作りました。 品種改良研究は、研究者が生涯(40-50年)で1種類できれば良いほうだといわれるほど年月と費用を要する分野です。
 契約栽培するなど道南・後志地方から50年前からワイン用葡萄を購入し、今、仁木町に葡萄圃場を確保しました。 特に白ワイン用のブドウ品種は継続しているが57年たってもまだできません。これからも品種改良を続けます。
 そういう50年の取り組みが国の地方創生事業に認められ、建物改修と観光事業に交付金も認められました(十勝川温泉で政府内閣府責任者山崎統括官との懇談で50年間の取り組みが事業に該当しないのかと意見した経過あり)。
 今、地方創生が課題であり、目標とする雇用を生み出す6次産業は、その地で作られた産物を使い(第1次産業)、商品(第2次)を作り、販売(第3次)することです。
 そういう意味では、原料をゼロから造り出したと言えます。商品のワインは、卸を通し商店で売ってもらうだけでなく、ワイン城に多くの観光客を迎えるようになり、様々な経済効果を生み出しました。そういう意味では、第10次か第24次産業とも言えます。
 ガバメントクラウドファンディングで2千万円を超える応援もいただき、今日、招待する予定だったがこの名の関係で縮小せざるを得なかったことは残念です。 改修に8億円かかったが、無借金経営をすることができています。
 日本で最初に商品開発したスパークリングワインとブランデーも評価がたかくなり、それらの展示も見ていただくことができるようになりました。
 コロナ禍による流通・消費形態が変っています。 このワイン城でワインのみならず、池田町の自慢の農畜産物と付加価値製品の情報発信の拠点にしたいと思います。 デジタル社会の進化(DX:デジタルトランスフォメーション)の中で、十勝ワイン始め、ここで取り扱う商品が通販として全国に流通することを新たな戦略に加えたいと思います。 これからもよろしくお願いいたします。

★ 町長日誌素案 今シーズンの除雪 200324
 昨年末から降雪が少なく、そういう年かなと思っていたら、2月3月に連続して多めの雪が降りました。
 職員時代、昭和62年度から平成にかけて道路管理や町営バス運行業務を行う車両係長を命ぜられ、除雪業務は4シーズンを担当しました。とは言っても、大型免許は持っていないので、予算決算や計画策定、許認可など関係機関との調整、現場は道路パトロールと言った事務仕事でした。
 地区から要請を受け、砂利敷や道路脇の草刈り、開発建設部に許可をもらい河川から砂利を採取したりしましたが、冬期はやはり除雪業務が主でした。
 天気予報が気になり、雪が降ってくるとどの程度の降雪量になるのか、いつ頃止む予定なのか、その後の風はどうか、などと考えなければなりませんでした。
 今のようにインターネットでパソコンやスマホで雲の動きや雨量の予報が詳細に分かる時代ではなく、帯広測候所に電話連絡して、できるだけ正確な予測をしなければなりませんでした。
 習慣から、雪が降り出すと道路の除雪や排雪、吹き溜まり、凍結はどうかと担当を離れた後でも気になったものです。 
 町長になっては、担当課長から必ず状況の報告を受けますが、シーズンに一度は顔を出し、様子を聞きに行きます。
 昭和後期の除雪体制と比較すると、当時はタイヤショベル、グレーダーという除雪と路面を削る大きな重機、夏季は砂利などを運搬し冬期に除雪機に変身するダンプトラックが主で歩道を除雪する小さなボブキャットという小さな特殊車両を入れても直営が10台ほど、建設会社や農協の重機を借り上げても20台までありませんでした。
 30数年経過して、車両センターが利別本町から東町に改築増設され、関係する重機類が直営で18機、委託を合わせると合計で31基、オペレーターが31名、助手を入れて総勢62名で除雪業務を実施するようになりました。
 一斉除雪出動の判断も、当時は20センチから15センチに下げた頃でしたが、今は10センチほどで、町内道道を管理する十勝総合振興局建設管理部(旧土木現業所)とも連携し出動を判断しています。
 重機類も、歩道のロータリー除雪車を導入したり、雪を飛ばすプラオ(前部の大きなハネ)の角度調整が可能となったり、ダンプにグレーダー機能を付けるなど、時代が進むにつれ機能が改善されてきました。
 町長に就任後、高齢者宅除雪に参加した時のことですが、道路から住宅地脇に堆積した雪を「役場の雪は持っていってくれ!」と言われたことがありました。「すみません。道路を通れるようにしないといけないので、道路脇に置くしか方法がないのです。理解してください。」と話したこともありました。
 依然として、町民の皆さんが除雪した後に重機が通り、雪の塊が堆積することがあり、ご迷惑をおかけしますが、それぞれのお宅で再度除雪するようお願いします。
 前述したように、除雪体制は少しずつ体制を充実してきておりますので、ご理解をお願いします。


★ 町長日誌素案 町の財政概略と今後  20200323
 平成30年度決算認定を経て、先の議会において令和2年度予算を決定いただき、今新年度執行の準備を進めています。今年度、令和元年度の決算はこれからまとめることになります。決算数値が確定すると、町長として中長期的な推移も含めて財政が破綻しないようにまちづくりを進めなければと認識を強くします。
 当然ながら、全会計をひとつに貯金(基金)と施設整備などで借りた(起債)お金の残高とこれからの返済(元利償還)予定、そしてそれらの数値がどのように推移するかなど財政状況の推移を考慮します。その上で、今後の課題解決に向けて行財政を考慮して進めなければなりません。
 平成30年決算で、ふるさと寄付金のありがたい応援をいただき基金が27億5千万円で前年から1億1千万円増え、水道企業団出資金など9億4千万円、現金など企業会計の流動資産が22億72千万円となりました。一方、地方債(借金)残高は4億6千万円減り124億7千万円と減りました。見込みですが令和2年3月末に貯金が約1億円増加し、借金が3億円減り121億円、令和2年度末にほ114億円ほどに減る見込みです。
 町立病院と中学校、そして給食センターと相次いだ大型事業に50億円以上の整備費用を要し、大震災対策で庁舎耐震改修や非常用発電や無線デジタル整備にかなりのお金を借りて進めました。そのような事情から、令和3,4年ごろの返済金が多く、当分の間、あれもこれもと大きな仕事をすることにはならず、財政上の見極めが必要です。
 「勝井町長は財政、お金のことを言い過ぎる。分かっている。雰囲気が暗くなってしまうのでお金ことを話題にしないほうがいい。」と何度も指摘されました。しかし、東京のある講演会で「状況を繰り返して話して、住民の皆さんがようやく分かってくれる」という話す首長がおり、意を強くしたこともありました。
 私が平成12年町長就任後、三位一体改革などで急激に地方交付税が減り続け、町民の皆さんに負担増を求め、補助金など廃止・削減に協力いただき、職員の本給カットや職員数削減するという大変な行革を続けた経過があります。
 そういう中でも、必要性から新年度に多額な費用を要する防災無線の整備やプール改築に取り掛かりますが、議員や町民の皆さんと直近の歳入歳出の現状、そして中期財政推計を確認したうえで、絶えることのない課題解決、住みよいまちづくりに向けて進めたいと思います。
 毎年、広報紙で財政概要をお知らせしていますが、そのような財政状況をご理解いただき行政推進にご協力をお願いします。


★ 町長日誌素案 その5 新タイプ太陽電池開発と再生可能エネルギーへの期待  200322
 令和2年2月日経新聞に「HIS(社)、太陽電池 新工場 次世代型、年内にも長崎に」との記事があり、興味深く、期待したい気持ちで読みました。
 1月には「再生エネ、化石燃料逆転」という記事もありました。2019年、ドイツでは再生可能エネルギーによる発電が30年間で12倍以上になり総発電量の46.1%を占め、石炭やガスなどの化石燃料と逆転したとのことです。2030年までに再生エネ消費割合を65%にする目標で着実に進んでいるようです。
 また、デンマークでは2019年に風力発電の割合は47%となり、再生可能エネルギーによる発電割合を100%にする法律を昨年可決し、2030年までに温室効果ガス排出量を70%削減する目標を掲げています。
 太陽光発電はシリコンタイプが主流ですが、国際再生可能エネルギー機関IRENAが太陽光の世界平均の発電コストが2017年に10セント(約11円)/kw時となり、2010年から73%下落した調査結果を出しているそうです。
 今回の次世代型電池はシリコーンを使用せず「ペロブスカイト太陽電池(PSC)」と呼ばれる種類で、特殊な結晶構造の原料をフィルムなどに塗布してつくる方式で、軽量で折り曲げやすく、エネルギー効率がシリコン製の4~8倍と高く、生産コストを大幅に下げられる可能性もある、ということです。
 今、太陽電池は中国勢が世界シェアの上位を占めているようで、低コストで軽量化した次世代型として国内、アジアにおける展開を目指しているそうです。
 国内では東芝やパナソニック、中国勢も同タイプの実用化に向けた動きがあるようで、メーカーの競争で太陽光発電コストが一段と下がる可能性も期待でき、コスト高を指摘される日本において、世界平均に下がるとさらに普及が拡大することが期待できます。
 是非とも、製品が早く世に出てくることを期待したいと思います。

 また、日経新聞社の編集委員が「太陽光を輸入しよう」との題で、オーストラリアや中東で、日本に比べて4分の1となる1kw時3円を切るプロジェクトが出現しているようで、「割安の再エネで発電した電気を使って水を電気分解し、発生した水素を日本に運び、国内で発電や燃料電池自動車などの燃料に使う。再エネの余力がある国から、限りがある消費国へ太陽光を運ぶサプライチェーンをアジア全体でつくる。」このような提案をしていました。
 発電、そして水素などエネルギーキャリア(輸送手段)を製造するコストが下がり、輸入せずとも、エネルギーが賦存する北海道で、遊休地を活用した再生可能エネルギーの循環が可能にならないものかと考えています。
 再生可能エネルギーの地産地消、あわよくばを他地域に融通する、そのような北海道になるよう将来を期待したいと思います。
 そのように進めば脱炭素による地球温暖化対策、そして産業革命以来の日本の課題であるエネルギー安全保障の確立にも寄与できるかもしれません。

★ 町長日誌素案 その4 世界的通信部品を作る町内企業 200321
 令和2年2月、購読する日経新聞の「IN FOCUS(写真が語るニュース)」(超計算 細部に輝く職員技)と題した記事に池田町に工場があるコアックス(株)の商品が紹介されていました。
 コアックス(株)は横浜市に本社がありますが、池田町が企業誘致し、1992(平成4)年1月に池田工場が完成して操業をはじめ、様々な同軸ケーブルを製造していました。 今や製品は海外に販売するほうが多くなったと聞いていました。
 新聞にコアックス社が製造した同軸ケーブルの写真が掲載されていましたが、メインの大きな写真は米国グーグル社の量子コンピューターでした。 同社のスーパーコンピューターが昨秋、1万年かかる計算を3分20秒で終えたとする研究成果で世界を驚かせたところでした。
 コアックス(株)池田工場では硬くて加工が難しいケーブル、それもマイナス273℃という極めて低い温度で電気信号をやり取りすることができるケーブルのようです。そして、今、世界の市場をほぼ独占しているとの記事でした。
 数年前、工場長で町内にお住いの笠井さんとお会いした時に社の様子を聞くと、「米国NASAなど、海外からの注文が約7割で、欧州や米国で研究発表をしています。海外で真似した製品ができそれを使用することがあるようですが、我社コアックスに注文が戻ってきます。」と話していました。そのような展開は、取りも直さず、コアックス(株)の商品の品質が世界で評価されているからと理解しました。
 コアックス社は、今、通信・レーダー機器類を繋ぐ極低温ケーブルシリーズが超高周波時代の一部分を担っているようです。
 量子コンピューターが実用化される見通しは2035年頃で、まだ多くの課題が残っているようです。人類の将来に大きな発展をもたらす先端技術に貢献するだろう量子コンピューター装置の部品として使用されたことは、素晴らしいことです。
 研究と開発を重ねた素晴らしい職人技を持つ小さな工場、町内企業、コアックス社をとても誇りに感じた全国紙の記事でした。

★ 町長日誌素案 その3 道(知事)主催の道産ワインの夕べ 200320
 就任1年目の鈴木知事が前知事の方針を引継ぎ、道(経済部食産業振興室担当)主催で東京渋谷の大きなホテルで3度目となる「北海道産ワイン日本酒と食の夕べ」が開催され、出席しました。
 大手卸会社、ワイン専門誌などメディア関係、日本ワインナリー協会など国産ワイン関係、鉄道・航空会社、酒類メーカーなど北海道応援団の皆さん、地理的表示「北海道GI」取得に指導、認定いただいた国税庁、国税局関係者など道が招待した皆さんを前に、鈴木知事が北海道の食をPRするためキャッチフレーズ「食絶景北海道」を強調した開会の挨拶をされました。
 北海道から道経済連会長、北海道経済同友会代表、今回新たな参加となった清酒関係の社長さん、代表の方も参加して、お客様の対応をされました。
 道産ワイン懇談会の会長としてステージに上がり、「素晴らしい道産食材に負けないよう、地理的表示GI北海道ワインづくりに努力しています。ワイン51種と清酒17銘柄を用意したのでできるだけ多く試飲され、それぞれのコーナーにいる栽培・醸造・販売担当に印象を伝えてください。」とお願いし、本場フランスと同じシャンパノワーズ法、瓶内二次発酵で造った十勝ワインスパークリングワインを紹介し、そのブルームで乾杯の音頭をとりました。
 会場を回り、国税庁長官はじめ次長、審議官、酒税課長、さらに北海道から札幌国税局長にもお礼と今後の指導をお願いし、実行担当の道経済部食産業振興室振興監はじめ担当の皆さん、副知事、農政部長、水産林務部長もお礼を述べました。
 国分、日酒販、伊藤忠商事など大手卸・流通業界、ワイン専門誌などメディア関係、道選出衆議院議員はじめ、たくさんの北海道応援団の皆さんとも懇談し、質問やご意見をいただき、道産ワインへに対する応援をお願いしました。
 会場で前年同様に東急グループの会長、社長ともお会いし、8月と9月に北海道で運行することに決定し池田駅でステーションワインパーティーを予定する豪華列車”ロイヤルエクスプレス”運行に対するお礼も申し上げました。
 大阪市で開催した回と藤田観光経営する椿山荘で2年連続で開催した「道産ワインの夕べ」を含めると今回で本州で6回目の取り組みとなり、大きな開催費を道費で賄っていただき、さらに3年前、国税庁に認められた地理的表示「北海道GI表示」制度取得についても後押しをいただいた経過もあり、大きな物心両面にわたる支援に心から感謝しています。

★ 町長日誌素案 その2 教育懇談会   200319
 毎年、年末に開かれる池田町PTA連合会教育懇談会で各小中学校、池田高校の教育方針、一年間の生徒と高校生の活動の様子や特徴的な取り組みの報告を楽しみに聞いています。
 この教育懇談会に会の名の通り、連合会を組織する各校のPTA会長、各学校の校長と教頭、教育委員と教育委員会事務局、そして議長と文教厚生常任委員長(議員)と我々町理事者が参加します。
 理事者として、毎回、子どもたちの学習指導はもちろんのこと、部活を含めた日ごろの各種指導活動に感謝と敬意を述べ、子どもたちの教育環境と今後について懇談、意見交換をしています。
 今年の懇談会でも、恒例になっている学校報告が行われました。高島・利別・池田の各小学校が報告し、池田中学校そして池田高校と進みます。各学校の「教育目標」や特徴的な取り組み、進学・就職状況などが報告されました。
 高島小学校の報告書には北部地域保育所と合同の運動会の様子が載っていました。毎年、様子を見に行きますが、統合した高島中学校があった時代から保育所を含め小中学校の生徒、先生や保育士、PTAの皆さんが一緒に準備をして競技にも参加して地域全体で取り組まれています。
 「親子給食」や「親子ガラスふき」「親子野外活動」などが報告されていました。
 利別小は「春の街頭指導」「親子窓拭き」、交通安全キャンペーンやいきがい焼き茶器を使った茶道教室、もち米作りなど地域との関わりが紹介され、池田小はコミュニティ・スクールとして学校運営協議会の活動や校長による毎月の自筆テーマ書と激励の言葉が紹介されていました。
 池中は地域の人材を活用した総合学習や職場体験、車いす・アイマスク体験が報告され、池高教頭が「池高は総合学科は普通科+アルファです!」と魅力を強調し、数学Ⅲ教科も用意でき医学部を目指すことも可能と話していました。(かつて池高から東大医学部に進み、東京女子医大教授を務めた森治樹先生もいます)
 熱弁をふるい報告する姿勢と内容から、1年間の子ども達の学校で学び活動する様子を知り、各種活動に協力するPTAの皆さん、指導する各学校の校長・教頭はじめ先生がたが子ども達を思い真剣に努力している様子が伝わり、頼もしくうれしく感じました。

★ 町長日誌素案 新型コロナウイルスの感染拡大
 200313
 今、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、世界保健機関WHOが新型コロナウイルスは「パンデミック(世界的流行)と見なせる」と表明しました。
 中国から始まり、韓国、イタリアなど欧州、米国などに爆発的拡大している状況で、日本でも毎日、新聞テレビなどでマスコミで感染状況が報道されています。
 全国では北海道の感染者発生人数が多く、検査や入院治療が進んでいます。関係機関団体に対する各種イベントの中止や延期要請、国民・道民に対する感染予防や感染拡大しない行動への配慮などの呼びかけ、医療機関の協力も得て、何とか収束に向けるよう取り組みが続いています。
 北海道では感染者数が全国でも多くなり、知事がいち早く小中学校を臨時休校の要請や3週連続となる週末の外出自粛の要請を行うなど、これまでにない取り組みで拡大を防ごうと必死です。要請に応え、道内の自治体、教育機関はもちろんのこと、道民の皆さんも要請に応えている状況です。
 北海道内で小学生や保育園児が感染し、十勝でも感染者が発生する事態となり、池田町でも対策本部をつくり、できうる限りの対策をとっています。
 毎日のようにテレビやラジオ、新聞などで注意喚起がされていますが、池田町民の皆さんも手洗いやうがい、マスク着用など予防や感性拡大防止のための生活行動に注意を払っていただいていると思います。
 この町長日誌が載った「広報いけだ4月号」が町民の皆さんのお宅に届くころには、日本・北海道で感染者数が減り、先が見える状況になってほしいと切望しています。 
 行動の自粛で家庭における子どもたちの過ごし方や、親御さんの勤務、お店の利用減など社会・経済全般において大変な影響が出て、国の緊急経済対策、都道府県も対策の必要性を発しています。
 パンデミックは世界的感染症でもあり、今やグローバルに人が行き交い、物が運ばれる世界となった現在、これまでの感染症とはことなる対応も迫られると思われます。
 ワクチンや有効な治療薬が明らかになり、インフルエンザ予防のようにワクチンが一日も早くできることを願っています。

★ 町長日誌素案 ノーベル化学賞受賞とリチウム「全固体電池」 191213
 充電して繰り返し使用できる「リチウムイオン電池」を研究開発した旭化成名誉フェローの吉野彰さんが今年のノーベル化学賞を受けました。
 電気自動車、携帯電話や爆発的に普及したスマホ、各種IT機器の駆動電源として、世界で活用されるようになり、人間社会の生活の利便性や科学技術の発展に大きく貢献している功績が認められたようです。
 昨年、北海道の胆振東部地震で道内全域でブラックアウト停電になるという事態が起き、今年は台風による暴風により高い電柱などが倒れ多くの電線に障害が発生し、首都圏の千葉県で昨年以上の停電状態が発生しました。
 全国各地で停電時の緊急対策として防災発電機を設置する市町村や会社工場が急増しています。加えて、北海道など全域の系統送電網に頼らず、太陽光や風力など地域の再生エネルギーを活用した電力を使い、災害時に地産地消で電力を供給する検討も始まっています。
 その中で、家畜糞尿を使うバイオガス発電は24時間対応できますが、自然環境に左右される太陽光や風力発電は安定しない課題が指摘され、発電できる時に蓄電池に貯め、必要な時間帯に供給することも検討されています。今、太陽光発電と蓄電池をセットで設置するシステムも注目されているようですが、効率がいい蓄電池の開発が求められています。
 中国で汎用型の蓄電池が開発され世界に普及するだろうとの記事も出ていましたが、日本ではリチウムイオン電池の1種「全個体電池」が有望で実用化に進んでいます。リチウムイオンの通り道になる電解液の代わりに固体電解質を使用することからそう呼び、より小型化でき、劣化しにくく、安全性や耐久性、急速充電もできる素晴らしい電池だそうです。日本の技術力を大いに期待しています。
 このように人間の未来に発展貢献する研究をされた吉野さんを日本人として誇りに思い、それをさらに研究開発してより素晴らしい物に作り上げる日本人の技術力に声援を送りたいと思います。

★ 町長日誌素案 地球温暖化と作物 191213
 昨秋、気象庁釧路地方気象台長が来庁し、「十勝地方の気象変化(これまでとこれから)」について説明を受けました。
 この130年間で帯広市の平均気温が2℃上昇し、今後、何も対策を講じなければ今世紀末(80年後)に5℃も上がってしまうとの予測です。
 気温が序章すると、十勝でほとんどなかった猛暑日や熱帯夜が発生し、大雨や激しい雨が増加することになり、災害が頻発に起きるようになると警告しています。
 地球規模での温暖化防止対策が重要です。さらに十勝経済を支える基幹産業、農業において寒冷地作物(小麦や馬鈴薯、ビートなど)の生育に問題が生じないか心配です。 
 昨年、十勝帯広市で新ワイナリーが完成し、北見地区でも欧州品種ピノノワールの栽培とワイン造りが進んでいる様子がテレビや新聞に取り上げられていました。十勝では帯広の他に芽室町、そして池田町内でもブドウ栽培が取り組まれ、ワイン造りへと進んでいます。
 北見の新ワイナリーで、ブドウ栽培が可能となったのは気候が温暖化し、以前できなかった品種が糖度が高く栽培できるようになってきたからと話していました。
 35年前、北海道の7ワインナリーで道産ワイン懇談会を立ち上げ、一緒に良質なブドウ栽培やお客様に喜ばれるワイン造りの研究をしようと運動してきました。それが今、道内で41のワイナリーになりました。
 ブドウの栽培期間は芽が動き出す3月から収穫する10月までの平均気温が重要です。池田町では昭和35,6年からブドウ栽培試験に取り組み、山ぶどうと清見の交配品種を中心に、白ワイン用の新品種やより高品質なブドウ開発に努力しています。6月までの遅霜や9月の早霜などで、池田町のぶどう栽培は日本で一番大変名地域でないかと思っています。
 「池田町のワイン造りは100年の大計」を引き継ぎ、あきらめずにより良い品種を生み出すために研究改良を続けています。
 北海道の気候温暖化は、道内各地のブドウ栽培にとっては、できなかった品種ができるようになる可能性があります。
 しかし、温暖化で十勝の経済を支える中心の農業が大変になる事態や大災害の発生は困ります。
 地球規模で、現在の気候、環境を守る理解と温暖化防止対策の実行が求められます。

★ 町長日誌素案  令和2年1月案 新年  191211
 新年あけましておめでとうございます。 昨年は、農作物が全般的によく十勝で最高の生産高で豊作の年になりました。好調な酪農畜産を加え、基幹産業が農業である池田町としてもいい年でした。
 一昨年の西日本台風豪雨に続き、昨年は関東、東北を襲う台風が連続し、大変大きな風台風も発生し、首都圏でも長く停電や堤防決壊が発生し、多くの尊い命を失う大災害が起きました。これまでにない記録的な災害が毎年発生するという日本になりました。
 十勝でも4年前の連続台風被害が記憶に新しいところです。全国と北海道の治水整備促進団体の役員として、中長期的な事前防災、予防的な整備促進運動を行っていますが、十勝川と利別川にとっても河川の掘削を絶えることなく進めるべきと強く要望しています。
 さらに、千島海溝沖の巨大地震発生確率が高くなってきています。「忘れないうちに災害がくる」とも言われます。大きな地震が多くあった十勝でもあり、「防災のしおり」にあるように家庭内の家具倒伏対策や非常事態を想定した非常物品の用意、有事の際の避難など確認と心構え、可能な準備をお願いします。
 昨秋、気象庁釧路地方気象台の中三川台長と帯広測候所浅井所長が来庁し、「十勝地方の気象変化(これまでとこれから)」について説明を受けました。この130年間で帯広市の平均気温が2℃上昇し、今後、何も対策を講じなければ今世紀末(80年後)に5℃も上がってしまうとの予測です。
 十勝でほとんどなかった猛暑日や熱帯夜が発生し、大雨や激しい雨が増加することになり、災害が頻発に起きるようになります。地球規模での温暖化防止対策が重要です。
 さらに十勝経済を支える基幹産業、農業において寒冷地作物(小麦やビートなど)の生育に問題が生じないか心配です。 
 スペインマドリッドで地球温暖化対策を話し合う国連の会議「COP25」が開催されました。 「地球全体の気温上昇と気象変化、大災害発生に対し、人類はどう臨むのか」が課題です。日本の努力も必要ですが、米国や中国など大国の経済と工業による温暖化効果ガス抑制が欠かせません。人類の理性を信じたいと思います。


★ 町長日誌素案  超スマート社会が現実に 20190716
 毎週購読している日経ビジネス誌に『全てが変わる「5Gインパクト」』と題した特集記事が載っていました。
 通信網の第5世代を意味する5Gの通信速度は、30年前の第1世代と比較すると10万倍に伸び、通信のタイムラグ(時間差)が4Gの10分の1に減り、同時接続できる端末数が30~40倍の1平方キロメートル当たり100万台に増え、様々な分野に利用できるようになるそうです。
 2時間の映画が3秒でダウンロードできたり、自動運転が確実に制御できるようになる、遠隔地の建設機械やロボットが操作できる、画像から腫瘍と正常組織を鮮明に区別し離島と都会を結ぶ遠隔手術など遠隔医療が進み、急速に少子化が進む日本にとって生産性向上や人手不も解消できるなどいろいろな場面に貢献するようになるとの予測です。
 情報通信技術の革新で地域間格差がなくならないだろうか? 開拓して住めるようになった歴史もありますが、そもそも人間が作ったものでない地球上の土地の価格に差があるのも変だなと子供の時から思っていました。
 人口が集中していることが日本の問題になっています。地方には仕事、働き場所が無いので、消滅する地方を救うには仕事を作らなければならないと政府が『まち・ひと・しごと創生法』をつくり、地方におけるものづくりで地方に住む人口を増やす策を大々的に進めています。
 都市に住んでいなくても地方で仕事ができる、田舎に住むのも自然がいっぱい、安全で不便が無く快適ということになれば、自然と都市集中が薄らいでくるものと思います。
 項目に「“ありえない”が現実になる」「オフィスがなくなる」「誘惑リスクがゼロに」「住みたい街が変わる」 「人も物も移動ストレスなし」「宅配サービスが自動化」「予防医療で医者いらず」「通信の主役が、人から機械へ」「車両間のデータ通信も5G」とありましたが、「従来の競争がリセットされ、競争のルールが変わる」などと、現在の状況が大きく変化するように感じます。
 国が進める「ソサイエティ5.0」は新たな価値や市場の創造、地方創生に力点を置いています。北海道、十勝の町村にとって、自然環境豊かな地域で便利で文化的な生活を送ることができるようになり、まさに人間として生活感が向上することを期待したいと思います。

★ 町長日誌素案 ドロシー・ロー・ノルトによる『子ども』 190628

 今年2月末に開催した池田町青少年問題協議会で池田警察署刑事・生活安全課長から町内、道内の青少年指導や犯罪の現状、ネット犯罪の例と対策を報告受け、教育長から小中学校のいじめ関係のアンケート調査の結果を聞きました。子ども食堂の取り組みなどいろいろな意見が出されましたが、女性委員から「子どものいい詩がありましたね」と話があり、「ずいぶん前に町長日誌に取り上げましたが、再度載せましょうか。」と話していました。当時、複数の町民の方から「いい詩でしたね」と印象を受けた経過もあるので再掲したいと思います。
 米国の教育学者、ドロシー・ロー・ノルト氏による『子ども』と言う題で、前の皇太子殿下(現天皇)はじめ、いろいろな方がお話しになられているようです。

 「批判ばかりされた子どもは、非難することをおぼえる」
 「殴られて大きくなった子どもは、力にたよることをおぼえる」
 「笑いものにされた子どもは、ものを言わずにいることをおぼえる」
 「皮肉にさらされた子どもは、鈍い良心のもちぬしとなる」
 「しかし、激励をうけた子どもは、自信をおぼえる」
 「寛容にであった子どもは、忍耐をおぼえる」
 「賞賛をうけた子どもは、評価することをおぼえる」
 「フェアプレーを経験した子どもは、公正をおぼえる」
 「友情を知る子どもは、親切をおぼえる」
 「安心を経験した子どもは、信頼をおぼえる」
 「可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じとることをおぼえる」

 子どもが犠牲になるあまりにも悲しいニュースが続いています。 あたたかく、やさしく、太陽をあてるように育てたいものです。

★ 町長日誌素案 小泉純一郎元首相の脱原発講演を聞いて  20190628
 更別村で実施された「小泉純一郎氏講演会」に出席し、『原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟』顧問で全国各地で脱原発を訴えている元内閣総理大臣小泉さんの講演を聞きました。
 毎年11月頃に全国町村大会が渋谷のNHKホールで開催され、大会によほどのことがない限り内閣総理大臣が挨拶にきますので、私も何度か挨拶を聞いています。新聞のニュースや週刊誌で報道されているとおりの小泉節、脱原発を推進しようととの持論でした。
 講演の特徴的なことをまとめると「安全で、一番安く、クリーンな原発として推進してきたが、全部うそ」と言う内容でした。 メモした特徴的なことを挙げると、「福島原発事故は人災で、ふるさとをなくした」、「4号機が爆発したら250キロメートル範囲が避難となり5千万人が避難しなければならなかった」、「日本は絶対事故を起こさないと言っていたが福島で起きてしまった」、「事故当時40基稼働していて、将来100基を稼働させようと計画していた」、「国会与野党一致で設置した事故検証委員会の黒川委員長が『天災でなく人災。根源的原因は監視監督すべき経産省が会社の虜になったこと。』と言っていた」、「十分な安全対策とは言えず、経営第一であり、東電に監視監督すべき経産省から天下りがいて、そうなったと思う」、「核廃棄物を再利用できる施設もんじゅは故障し直らず、これまで1兆1千億円という税金が投入され、廃炉方法が分からず毎日5千万円かかっている」、「経産省や原発推進論者が言っていたことが嘘だった」、「私が講演で話している内容が経産省に届いていると思うが、『それは嘘です』と言って来ない」、 「フィンランドの使用済み核燃料最終処分予定地“オンカロ”を視察した。10万年間持たせなければならないが火山国日本では最終処分場なんか作れない。」「維新、戊辰、西南、日清、日露戦争、狂乱物価を乗り切った日本であり、ピンチをチャンスに変える力がある」、「日本人は環境変化に強い」、「原発を無くせる」、そのような内容でした。
 危険性や安全性に問題があっても電力会社の経営の為、産業界にとっても電力料金をより安くという経済的な理由で原発を動かさざるを得ないという雰囲気もあるようです。 特に食と観光が地方創生の柱としている北海道にとって、原発の安全性は完璧なものでなければなりません。
 しかし、小泉元総理はじめ、昨年の厚真町の震度7の地震発生が活断層から離れているところで発生したという現実から、日本の原発の地震対策も困難を極めるような気がします。

町長日誌素案 3人の総務省事務次官  20190625
 先日、総務省安田事務次官が急きょ十勝に視察に見えられ、夜、十勝の町村長との懇談会が開催され、地方財政確保や地方創生の今後などについて意見交換しました。十勝の町村長がそれぞれ、特徴あるまちづくりをピーアールし、支援を求めました。二次会でも十勝ワインブルームや山幸を飲みながら意見交換を続けましたが、事務次官として先輩になる石原信雄元官房副長官、香山自治医科大学理事長のことを話題にさせてもらいました。
 総務省は、町村にとって地方財政計画をまとめるなど、財源確保で大変頼りになる中央官庁です。事務次官は、事務方のトップとなり、地方交付税交付金の最終判断に財務省と最終折衝して、財源確保の努力していただいています。
 今、日本経済新聞の最終紙面「私の履歴書」に自治省の事務官を務め、自治省事務次官の石原信雄さんが書いておられます。
 十勝町村会で石原さんをお招きして講演してもらい、その後、ワインを飲みながら懇談した経過もありました。その時でしたが、町長を辞めて参議院議員選挙に出て当選し2期12年国会議員を務めた丸谷元町長のことを話していました。自治体初めてのワイン造りと販売、東京で第3セクターのレストラン十勝を運営し十勝ワインと牛肉など物産を販売促進、年金スライド制を導入する際に北海道、そして自治省と渡り合った時のことを覚えておられた様でした。石原さんは自治省の官僚でもあり、野党社会党としてよく質問にも立っており国会答弁の原稿や調整をされていたようです。「丸谷さんは、池田町の高めのラスパイラス給与指数について、企業会計のワイン事業で利益を出しそれを加えているのでいいのだと説明していましたが・・・。」と対応に困った国会議員だった印象を持っていたように受け取りました。
 また、池田町立病院を公益社団法人地域医療振興協会に指定管理運営として受けてもらえることになり、十勝いけだ地域医療センターが竣工し開始式の時に、協会が自治医大卒業医師が会員となって創設した過疎辺地医療を担う団体でもあり、密接な関係にある自治医科大学の理事長として香山さんという方が見えられました。 平成23年10月でしたが丸谷さんもお元気な頃で開所式に出席してもらい香川理事長とお会いしました。香川さんもやはり、国会の審議や質問に自治省、総務省の官僚として対応に追われていたようです。丸谷さんは町長経験者でもあり、地方自治や財政についての質問も多かったようで、課題に対する説明や質問に対する答弁の調整を担当され、よくご存じのようで、いろいろな質問を受けられご苦労されたようです。
 町村会として、各省庁に地方財政堅持や農業関係、社会インフラ整備など多くの要望を上げていますが、総務省は身近に感じる省でもあり、今後も緊密に連携を取っていかなければならないと思っています。

★ 町長日誌素案 火災予防をよろしく  20190621
 消防体制が十勝広域化になって4年目に入りました。また、池田消防団の団長を長く務めた小杉さんから中川団長に替わり、退団した団員の退団に伴い新人団員も増えた団体制となりました。
 毎年、歳末の啓発・警戒活動を終え、5日の出初式から新年の活動が始まります。
 団員の皆さんには生業を持ちながら、24時間体制で有事の際に出動する崇高な奉仕の精神で任務を遂行していただき、本当に頭が下がります。
 先日は春季演習が挙行され、警察署長や町議会議員、消防団後援会など来賓の皆さんと一緒に、整然ときびきびとした小隊訓練や分列行進、そして実際に消防車を動かしてポンプを操作して的を射るポンプ車操作訓練の様子を頼もしく感じながら見せていただきました。
 今年の春は農村部においてごみ焼きの火が雑草・枯草に飛び火したり、野火の出動が多く、5月から6月にかけては市街地区でもごみ焼きが飛び火した火災出動、家庭内のお風呂の空焚きや調理鍋のかけ忘れで放水はしませんでしたが一斉出動があり、心配しました。幸いなことに、いずれの火災出動も人身の災害はなく被害がそう大きくならずに済んだことでほっとしたところでした。
 池田町では65歳以上の人口率である高齢者人口率が41%台と高くなり、一人暮らしの方も増えてきています。
 幸いなことに、老人クラブや町内会活動を通して、多くの皆さんにまる元運動教室やふまねっと運動、脳トレ健康教室や交流サロンなど多くの方が参加交流し、自発的な社会参加活動を展開していただいています。まさに介護予防の自主的な取り組みと言えます。
 多くの高齢者の皆さんは、物忘れが激しくなったり、認知症の症状でないかと感じるようになります。 火事で大事になっては家族だけでなく、周りの方々にもたいへんな迷惑をかけることになります。 老人クラブなど各団体の例会や交流会などで、交通安全の啓発と同様にみんなで火の扱いに注意しましょうと声掛けあって、災害を起こさないよう生活したいですね。

★ 町長日誌素案  新知事誕生と今後の期待  20190618
 地方統一選挙が実施され、北海道に38歳の若き鈴木知事が誕生しました。5月中旬、北大農学部で開催されたセミナー「北海道のワインと農業の未来について」に出席し、北大曾根教授による北大のワイン講座関係する話と吉川農林水産大臣がスマート農業で変わる北海道の農業についての講演を聞きました。終了後、北大構内にあるセイコーマート2階屋外テラスで行われた参加者と大学生による意見交換会で、主催者である鈴木知事とお会いし、お祝いを述べ、今後の活躍をお願いしました。大学構内で行われた交換会では十勝ワインブルームマグナムで知事、大臣、教授の皆さんと乾杯して懇談しました。
 高橋はるみ知事時代には、大阪や東京で「北海道の食(農水産物)と道産ワインの夕べ」を3年も続けて開催し、首都圏や関西に売り込んでいただきましたが、鈴木知事も「“食(農水産業)と観光”路線を継続する」と話しており、農水産物はもちろんのこと引き続いて道産ワインも応援していただけるものと期待しています。
 鈴木知事は、市長として財政破たん後の夕張市の大変厳しい行財政運営を8年間経験しました。その経験を生かし、5兆円という多額の起債残高(借金)がある道財政に立ち向かうことになります。
 池田町は地震と冷害凶作により昭和30年代初期に赤字再建団体となり立ち上がった歴史があります。平成10年代に地方交付税が激減し、厳しい行財政改革に取り組みました。町民の皆さんや職員の協力を得て厳しい行革を行ないなんとか赤字にならず、財政の見通しがつき、耐震性に問題があった病院や中学校、給食センターの改築という大型事業も完成することができました。行政サービスの維持や要望もあり、健全な財政運営は口で言うほど簡単なものではありませんでした。
 国土面積の4分の1を占める広い北海道で179市町村を束ねる広域自治体として、公平で平等な道民の福祉向上を目指して欲しいと願っています。東京一極集中が大きく指摘されているように札幌圏に集中し、いっぽう人口減少が続く市町村で構成する北海道です。
 鉄路の維持やエネルギー対策、基幹産業農林水産業を大事にし、地方におけるものづくりを進めるなど「広域自治体の長として国や市町村と連携する」姿勢で全市町村で空白のない地域振興に尽力されるなど、若さで多くの課題解決に果敢に取り組むよう期待しています。

 (上記案の元案)   20190418
 地方統一選挙が実施され、北海道に38歳の若き鈴木知事が誕生しました。財政破たん後の夕張市の大変厳しい行財政運営を8年間経験した経験を踏まえ、5兆円という多額の起債残高(借金)がある道財政ですが、「広域自治体の長として国や市町村と連携する」姿勢で、JR路線維持やエネルギー対策、農業など多くの課題解決に取り組んでもらいたいと期待しています。
 鈴木知事が夕張市長時代、道東道関連の整備促進運動で関係市町村長と共に東日本道路株式会社(元日本道路公団)や関係省庁に行動を共にしたことがありました。面と向かって懇談したことはありませんでしたが、がんじがらめの赤字再建団体の行政執行は普通でなく大変だろうと感じましたが、困難に立ち向かって進んでいる姿勢を感じさせました。
 池田町でも平成14年ごろから始まった厳しい行財政改革に取り組み、とても大きな事業を実施できることにはならないだろうと思っていました。耳タコのように一般財源に視点を置き、中長期的な財政を考慮しながら行財政を進めなければならいと話し、現在も言い続けています。行革の成果もあり、中期的に見通しが立ち、病院や中学校に取り組むことができました。特に病院の災害時に対応できる病院に交付される7億5千万円と言う多額な耐震交付金をいただけることになったことが今でも助かっています。二つの大型施設は耐震性が問題で、その後もウェット方式の調理環境が課題だった給食センターの移転改築も必要でした。 いずれも自治体として50年に一度という大型事業でしたが、池田町の場合はその時代の経過から、重なってしまったのです。
 北海道も道内市町村の広域自治体として、日本の国土面積の4分の一を占める広い北海道で公平で平等な道民の福祉向上を目指すことになります。 公平性は特に課題だと思われますし、東京一極集中が大きく指摘されているように札幌圏に集中している北海道であり、人口減少が続きますが、「高橋知事時代の“食(農水産業)と観光”」路線を継続すると話しているように、農業を大事にして地方におけるものづくりを支援し、道内179市町村で空白のない地域振興に尽力されるよう期待したいと思います。

★ 町長日誌素案  新天皇即位と行啓時の池田  20190418
 5月1日に元号が「平成」から「令和」となり、皇太子徳仁親王(こうたいし なるひとしんのう)が新天皇になられました。
 上皇陛下は「戦争がない平成時代で良かった」と印象を述べられていました。令和の時代も日本人が憲法を守り、戦争を起こさず、巻き込まれない時代を見守る象徴天皇、人間天皇であって欲しいと思います。
 前にも取り上げましたが平成14年1月に帯広市で冬季国体が開催され、皇太子殿下が十勝に行啓され、池田町にも社会福祉法人池田光寿会の特別養護老人ホームで出迎えし、デイサービスセンターで保育園児や高齢者と触れ合われた後、ワイン城を訪問いただきました。
 町長に就任後、町では交付税が急減し事務事業の廃止や縮小、補助金廃止・削減、職員の本給与カットな採用休止など厳しい行財政改革が迫られていました。赤字再建団体の時には給与遅配とのことがありましたが本給をカットする事態はありませんでした。それでも職員にお願いするしかないと決断し、田園ホールで全組合員に集まってもらい、集団交渉で財政の状況を説明し、人件費削減の協力を求めました。団体交渉を重ね3%カット(管理職は5%)の理解ともらい、議会に提案したことを忘れません。団体交渉の行方を北海道新聞社が注目し、確か一面で池田町が道内で初めて給与カットを行うことになると記事が出たことを記憶しています。それでも町の財政状況はすぐには好転せず、それから10年間にわたり本給カットを求め、赤字再建団体にならずになんとか乗り切ることができました。
 行啓という、池田町ではとても名誉なことがあった平成14年でしたが、行財政運営の分岐点として町史に大きな行革経過を残すことになりました。
 さらに、もう一つ大きな出来事がありました。
 当時、旧千代田大橋は幅が狭く、特に冬場の通行が怖い、時に大型車両同士の行き交いが出来ず一方が橋の入口で待機することもあり、幅を広く架け替えが切望されていました。
 行啓の際に、皇太子殿下の乗った車両が千代田大橋を通行せず、十勝川温泉の大橋を通って池田町に入られました。
 自民党十勝地区政策懇談会の時に、池田町の課題として千代田大橋の問題を取り上げ「皇太子殿下の車が通らない国道の橋は問題でないか。早急に掛け替えをお願いしたい。」と提案要望し、十勝圏の大きな課題として取り上げてもらい、後の十勝沖地震で破損(橋脚にヒビが入り修理)したこともあり、即架け替えが決定し平成20年に今の千代田大橋が完成しました。
 力のある地元代議士にお願いしても全国では同じような国道橋がたくさんあるので難しいとの返答でしたので、行啓の際のことが大きなきっかけになったことが良い思い出として残っています。

★ 町長日誌素案 町の財政概略と今後  20190306
 池田町議会9月定例会議で平成29年度決算を認定いただきました。全会計を一つとした貯金(基金)の状況を確認し、仕事をするのに借りた(起債)お金の残高とこれからの返済(元利償還)予定、そしてそれらの数値がどのように推移するかなど財政状況の推移を考慮して、今後の課題解決に向けて行財政を考慮して進めなければならないと再認識して今後のまちづくりに思いを馳せます。
 今回の決算で、基金が26億4千万円で前年から2億4千万円増えましたが、地方債(借金)残高が1億5千万円増えて129億4千万円となり増加傾向であり、中長期にわたる計画的な返済が必要です。返してもらうことはできませんが水道企業団出資金など9億4千万円、現金など企業会計の流動資産が23億2千万円ほどある結果です。
 貯金が増えたのは、ふるさと納税寄付金をいただいたこともあります。
 この7、8年間で町立病院と中学校、そして給食センターと相次いだ大型事業に50億円以上の整備費がかかり、貯金に借金をして資金としました。さらに、平成23年東日本大震災の経過から全国的な緊急防災・減災対策として施設整備が促進され、池田町でも避難施設になる総合体育館、田園ホール、北部コミセンの改修や役場庁舎耐震改修、非常用発電や無線デジタル整備にお金を借りて防災対策を進めました。
 その借りたお金の返済が予想よりも増え、その割に財政支援すると言っていた交付税充当が予想したほどでなく、中期財政推計が厳しくなってきています。
 10年以上前になりますが財政破たんした夕張市のようにならぬよう、総務省が、単年度で赤字にならず歳入と歳出の均衡が保たれているか、財政力に応じた範囲で仕事をしているか、仕事をし過ぎて借金が多すぎないか、将来に負担が重すぎないかなどと指標を基に財政の動きを監視するようになりました。
 私が平成12年町長就任後、三位一体改革などで歳入の多くを占める地方交付税が減り続け、町民の皆さんに負担増を求め、補助金など廃止・削減に協力いただき、職員の本給カットや職員数削減するという大変な行革を続けた経過があります。
 池田町は、そのような総務省の財政指導の為の指標化の前に、大変な財政状況の下で行革を行わなわざるを得ない状況だったので、おかしくならぬよう、10年間ほどの中長期財政の推移を職員はもとより、議会や町民の皆さんと情報共有して進めてきたつもりです。
 今後、直近の歳入と歳出の実態を抑え、総合計画、実施計画の実現を図るよう、政府の地方財政計画の動きなどを見て、将来に負担を多すぎないように進める必要があります。
 地方交付税が見込みより減ってきており、今後の中期財政推計からも平成33年、34年が大変な状況となることを報告受けています。
 そのような現状ですので、今年度後半になりましたが予算執行においても、“予算を余す余算”の気持ちで仕事を進めるよう、全職員にお願いしています。プールや児童総合施設など喫緊の課題もありますが、事業の縮小や先送りも必要となる見込みです。事務事業にも多くの課題がありますが、取捨選択しながら行財政の効率的な執行が求められている状況です。
 町民の皆さんに広報紙で財政概要をお知らせしていますが、そのような財政状況をご理解いただき行政推進にご協力をお願いします。

★ 町長日誌素案 在宅支援が強化された十勝いけだ地域医療センター
   20190101
 11月は全国町村長大会や役員をしている治水事業促進団体の大会出席など行事が多く東京出張が多い持期で、役場を不在にする日が多くなってしまいます。東京では全国町村会が関係する永田町の全国町村会館に泊まるようにしていまが、ホテルでは道内・管内の町村長はもとより、福井県池田町など旧知の町長さん方ともレストランや食堂でよく会います。 会うと挨拶だけでなく、近況報告からまちづくりの課題、意見交換へと話が及びます。
 またホテル全国町村会館に近い平河町の公益社団法人地域医療振興協会本部に顔を出すように心がけており、理事長に挨拶して池田町の医療センター運営のお礼を述べ、理事長に挨拶して地域医療や医師確保などについて近況を聞くなど懇談しています。そして帰る時に協会が発行する「地域医学」という月刊誌をいただいて移動中に読むようにしています。
 その「地域医学12月号」に、協会が主催する『第12回JADECOM学術大会』の様子が掲載され、今回は「地域における救急医療、新しい展開」というテーマで吉新理事長が主催者挨拶が紹介されていました。
 今年で32年目を迎えた協会の現況が報告され、施設の多くは全国の地元自治体から指定管理を受託し、その数が74に上り、ベッド数5千500、老人保健施設が17で収容数が2千名、43の診療所になったとのことでした。
 運営する人的資源としては、医師を中心に協会のスタッフが8千670名でパートタイマーを含めると9千500名になるそうです。 さらに北海道の過疎地の病院を含め、代診への派遣が2万2千日を超え、過疎地の医療を支えていると報告されていました。
 毎年秋に本部から理事長と担当理事が見え、センター長、部長を交え池田町の医療センターの運営について協議を行ない、医療センターの実績や予定について報告を受けます。
 今年は、内科・小児科・外科・リハビリテーション科の他、眼科や禁煙外来、人工透析の受診状況、そして入院病床のうち地域包括ケア病床を増やし20床としたこと、24時間体制で訪問看護を始めたことにより在宅療養支援病院の要件が整い、かかりつけ医制となり訪問診・看護、訪問リハビリなど多職種が連携した在宅支援を強化し、在宅における看取りにも取り組んでいる内容でした。
 まさに地域包括ケア体制の充実が進んでいることを実感し、さらに安心して住める町になってきたことをうれしく思っています。

町長日誌素案 相次ぐ甚大な災害 20181215
 今年は、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、そして北海道胆振東部地震と相次ぎ、地すべりや土砂崩れで多くの命を落とす甚大な災害となりました。まさに日本が災害列島と化したとの表現もありました。
 全国治水団体の役員を務めていることもあり、今年も全国の各種大会に出席して協議と秋季要望行動に参加しました。
 先の全国治水砂防促進大会では、現地で何度も被災地取材したNHK松本解説委員による「命を守る〝避難〟をどう徹底するのか~7月豪雨の教訓」と題した講演を聞きました。相次いだ災害で激甚化し複合化し、そのような災害が特別ではないとの「覚悟」が求められると前置きし、西日本豪雨を例に、話を進めました。
 土砂災害警戒区で避難が間に合わず・避難せず、命を失った方が多く、2~4時間前に避難勧告が出ているにもかかわらず多くの死者が発生したこと、「対象の3%だけ避難という結果で避難につなげる“難しさ”が浮き彫りになった」。アンケート調査結果によると①自宅にいるのが安全と判断、②近隣住民が避難していなかった、③避難所に行くのが危険と判断、という回答で、避難したきっかけは「周辺の環境の悪化」が最も多く「まわりからの呼びかけ」も多かったとのことでした。
 実際に避難して命が守られたケースが多く、避難指示・勧告の適格な発表、自主防災組織など住民主体の取り組み拡大、指定緊急避難場所と平時から近隣の安全な場所の確保、避難行動要支援者名簿の活用、緊急速報メールと自治体防災メール、SNSなどが必要と訴えていました。
 大会では全国治水砂防協会の綿貫民輔会長が、「7月の西日本豪雨災害や9月の北海道胆振東部地震など約3千件の土砂災害が発生し、死者行方不明者161名を数える状況は極めて深刻で、総力を挙げて関係機関に課題解決を働きかける。」と挨拶され、私も一員として国会議員や関係省庁に提言要望し、池田町でも地震や水害による土砂崩れの可能性もあり、治水事業の事前防災の推進を含め、強く要望してきました。
 毎年のように甚大な災害が発生していますが、新年は穏やかな一年であって欲しいと願っています。


★ 町長日誌素案 NHK朝ドラなど 20181215
 私はテレビを見ていると他にできることが限られるので、どちらかというと聞きながら体を動かすことができるラジオ派でした。しかし、毎日のニュースと日曜夜の大河ドラマ、そして朝、役場に出かける前には連続テレビ小説はよく見ています。
 先日、田園ホールでNHKと共催したNHK公開セミナー連続テレビ小説「なつぞら」が開催され、出演者である旭川出身でチームナックスのメンバーでもある音尾琢磨さんが磯チーフプロデューサーが制作中の裏話を披露してくれました。町民の皆さんも多く来ていました。
 2019年4月から放送予定で、十勝を舞台とする連続テレビ小説「なつぞら」が制作中で十勝でロケが繰り広げられ、池田町内でも撮影が行われていたようです。 戦争で両親を亡くした女の子が、酪農家で逞しく成長し、アニメーション作家になる物語のようです。元気が出るテレビ小説のようで、今から楽しみにしています。
 今、放映されている朝ドラ「まんぷく」は大阪池田市で研究したチキンラーメンを生み出した安藤百福さんご夫婦の物語のようです。全国池田サミットの時に、案内され研究所跡を見学したことがありました。そして主題歌は池田町出身のドリカム、吉田美和ちゃんが歌っています。何か縁のようなものを感じます。
 振り返りますと、池田町の秋のワイン祭りは日本の秋の風物詩として、夜7時、9時台のNHK全国ニュースで報道されたことを記憶されている町民の皆さんも多いことと思います。
 また私が町長に就任後間もなく、NHKのプロデューサーが来庁し長い期間取材し、2005年9月に放送されたブドウからワインづくりの物語「プロジェクトX」として放映されました。そして13年経過した今年、池田町120年を記念して再放送していただきました。
 また、「プロジェクトX」が放映された同じ年の9月には田園ホールでNHK公開放送「深夜便のつどい」が開かれ、アンカーの宇田川清江さんと宮川泰夫さん(NHKのど自慢で長く司会を務める)がステージで絶妙なやり取りをしていた様子を思い出します。収録の後、ワイン城の品種改良研究から栽培、醸造・熟成の様子を案内し、ワイン城のレストランで各種十勝ワインを試飲していただいた経過があります。
 公共放送であるNHKにワイン祭りをはじめ、池田町のいろいろなイベントを報道してもらうことは、当事者のみならず町民の皆さんにとってもうれしいことだと思いますし、観光客の来訪や池田町物産の販売増など経済効果に発展することでしょう。
 町民の皆さんや町内企業・団体の主体的な元気の出る取り組みが取材へと繋がるものと思いますし、ニュースなどメディアに紹介されることを大いに期待したいと思います。 

★ 町長日誌素案 地理的表示「北海道」と十勝ワイン  20180902
 この度、十勝ワイン(池田町)が創立時から加盟する道産ワイン懇談会が主となり、北海道内で収穫し道内で醸造したワインに「北海道」の地名をラベル表示できる地理的表示GIの認定を受けました。事前に検討を重ね指導も受けながら、財務省国税庁、札幌国税局に北海道としての地理的表示の申請をしていたものです。
 数年前から検討を重ね、道産ワイン懇談会会員外のワイナリー全社が反対がない上での申請ということで、制度の内容や北海道のワイナリーの期待できる効果など、事務局が説明して回るなど時間を要したうえでの申請でした。
 池田町としても担当所長二代にわたって事務局を務め、協力に支援いただいた北海道経済部食関連振興室の担当振興監が農政部長や経済部長に異動するなど、4人も替わるなど長く年数がかかりました。
 さらに道庁主催で、東京において「北海道の食と道産ワイン」を知っていただくパーティーを2度も実施してもらい、先週28日に大阪で開催され、私も出席して国民の食を支える安全安心な北海道の食と特徴ある北海道のワインを応援していただくようお願いしてきました。加えて来年1月には3度目になる東京での開催が予定されており、パーティーには、高橋知事みずから出席してPRされています。
 昭和59年創設時に事務局を担当し、町長に就任後18年間道産ワイン懇談会の会長の任にありますが、このように道産ワインを応援していただくことはこれまでなかったことで本当に感謝しています。
 海外からの観光客が300万人に迫っており、北海道として地方創生に「食と観光」を掲げていることもあり、北海道が自慢できる農畜産物と海産物を原材料としたおいしいメニューは旅行客には欠かせない魅力です。そして、北海道で各地のワイナリーを巡るワインツーリズム事業も展開しており、食とワインは魅力を増幅するものと思います。
 ワインの原料ぶどうの栽培環境として、北国の温暖化が進みブドウが生育する期間の積算温度が上がり、道内各地にワイナリー参画が増え、昭和59年道産ワイン懇談会設立時6、7社でしたが、今35社にも増えました。
 いいワインを製造するにはワイン専用の品質のいいブドウが必要になります。大手ワインメーカーも道内に圃場を拡大する動きもあり、ブドウの苗木が不足する事態が大きな課題になっています。
 道内の既存のワイナリーが評価される品質で好まれるワインを造り提供していくことが基本です。
 今後、地理的表示「GI北海道」が道内の消費者の皆さんはじめ、観光客の皆さんや全国に、「はっきりとした酸味と穏やかな渋味のある味わい」を持つ北海道らしいワインの特性を発信し、差別化した商品として選んでいただき喜んでいただきたいと期待しています。
 十勝ワインとしては、50年ほど前から後志の仁木町農協を通して指定品種を契約栽培したり、余市の園芸農家からブドウを購入しています。それらを使用したワインはもちろん、GI北海道として標記できますし、池田町の山幸や清舞、清見などは十勝産という表示になります。
 地理的表示がブランド「北海道」そして「十勝ワイン」がよりいっそういい方向に作用することを期待しています。

★ 町長日誌素案   水害・地震に対する災害対策 20180809

 池田町防災会議を開催し、道路や河川・公園などに大きな被害を受け、町民の皆さんに避難してもらった一昨年の連続台風について、気象状況や河川水位の変化、情報収集や被害発生経過、避難情報の伝達と実際などについて検証・総括をしていただき、課題に対する今後の対応を委員の皆さんと確認しました。そして、平成3年に策定し、数回の改定を経た現池田町地域防災計画に、避難勧告等の発令基準の見直しや、水防計画を全面改訂し統合する改正などを協議して頂き、認めていただきました。
 会議では、利別地域の皆さんの避難や連携、池田大橋の池田側の清見二線川の滞水で通れなくなる恐れ、池田第二大橋の必要性などの意見をいただきました。
 池田町は開拓以来、大正11年8月の台風で千代田利別川合地区一面が冠水するなど数多くの水害を克服して、現在があります。
 さらに道東沿岸の大地震発生率が高くなってきている報道もされており、橋がずれて通行不能となった平成5年釧路沖地震や千代田大橋、JR鉄橋が被災し通行不能となり断水する事態となった平成15年十勝沖地震が記憶に新しいところです。
 「防災のしおり」を見直しし、全戸配布する予定にしていますが、「天災は忘れた頃にやってくる」、最近では大きな災害が毎年のように発生している事からか、「災害は忘れずにやってくる」とも言われます。
 池田町の過去の災害を参考に、家具を倒れにくく金具で止めたり、いざという時に持ち出す非常品も用意したり、有事を想定した自主防災組織の訓練の検討もお願いします。
 今年5月、北海道団体の代表として役員になっている全国治水期成同盟会連合会(全水連)の大会に出席して、死者7人をはじめ大きな水害被害を受けた兵庫県豊岡市の中貝市長の講演を聞きました。
 市長は、「避難勧告・指示は、真夜中であっても人命第一の観点から躊躇なく発する」「堤防の決壊を防ぐため排水機を停止することがある」「行政にも限界があることを日頃から住民に伝え、自らの命は自ら守る覚悟を求める」「人は逃げないものであることを知っておくこと」「避難所に職員が張り付くのは最悪。自主運営してもらい、職員には職員でしかできないことを優先させる」「逃げるな、隠すな、嘘つくなは危機管理の鉄則」などと指摘していたことが印象に残りました。
 また、多くの町民の命を奪った東日本大震災被災地、山田町の沼崎町長(当時)が池田町で講演した時に「有事に演習以上のことはできない」と話していました。
 それまで大丈夫だった堤防が破堤するなど、被災地の首長や国土交通省の職員は、これまでの治水事業で完璧に破堤を防ぐとも言いきれないとも言っています。
 それでも国土交通省北海道開発局には十勝川、利別川の掘削を計画的に進め、堤防破壊を止めるよう強く要望しています。町民一人の命も失うことなく被害を最小限に止めるため、ハード整備と避難訓練と有事対応など減災(ソフト)対策の必要性を感じています。


町長日誌素案 「十勝川中流域かわまちづくり計画」登録   20180331

 3月26日、国土交通省水管理国土保全局から新規登録された「十勝川中流域かわまちづくり計画」認められ、登録されましたので、町長日誌素案の題材として下記のように作成しました。
 地方創生補助金を活用した音更町との広域観光振興策も進めていますが、今度、観光協会や商工会とも連携し、ソフト事業を中心に取り組んで行きます。
 音更・幕別・池田3町の行政、商工・観光関係団体、サケます増殖事業協会、エコロジーパーク財団が構成員となり平成28年7月に「十勝川中流域かわまちづくり協議会」を発足し取り組んできた計画に対し、国土交通省水管理国土保全局長から平成29年度「かわまちづくり支援制度に係る計画」に登録する決定を受けました。
 協議が始まった翌月に十勝開拓が始まって以来という大雨災害が発生して、河川を管理する北海道開発局帯広開発建設部が河川改修や掘削工事、関係する工事が優先され、また、災害に強い『かわづくり』を目指し、整備メニュー、整備方法の再精査が必要とのことから、認可申請・決定が遅れていました。
 池田町側では、千代田堰堤下流部に土砂が堆積し大きな中州となり、柳などの木々が繁茂して景観が問題になっていましたがきれいに撤去され、旧ホテルの解体工事も終わり景観がすっきりしました。また、千代田堰堤左岸管理橋下部も掘削され、堰堤上部に堆積した流木類も取り除かれました。
 「十勝川中流域かわまちづくり」地域は3町広域の計画で、音更町にはモール温泉で有名な『十勝川温泉』と『十勝エコロジーパーク』があり、幕別町側では新水路とさけの遡上・自然産卵を間近に観察できる『ととろ~ど』があります。池田町側の北海道土木遺産に指定された『千代田堰堤』付近の整備が残された課題となっていました。長年の懸案課題でしたが、事業計画に入れると共に旧ホテルを解体した後にトイレや案内所がある展望公園を整備し、沿岸で水に親しむ空間として護岸も整備する予定になっています。
 3町の地域一帯をサイクリングできるコースとして管理用通路として整えたり、新水路下流に産卵する息絶える前の鮭を狙って飛来する「オオワシ」「オジロワシ」などを舟で見ることができる『ワシクルーズ』など体験して喜んでもらえる取り組みも計画しています。
 古くは、千代田堰堤下流部で魚網を使用し鮭を捕獲する作業が圧巻で、地元の方々を含め多くの観光客が集う、池田町のみならず十勝、北海道の観光スポットでもありました。そして遡上が盛んな時期に『秋味まつり』が行われ、昭和28(1953)年から平成10年まで一帯の賑わいを演出していました。
 今は、堰堤の南でクレーンによる『さけの捕獲作業』をしていますが、十勝釧路管内さけ・ます増殖事業協会の協力も得て、遡上するシーズンに地引き網による捕獲も見ることができるといっそう魅力が増すものと考えています。
 大いなる十勝川を資源と捉え、地元の子どもたちが集い、観光客の皆さんも訪れて喜んでもらえる『かわまちづくり』を展開し、経済効果も狙っていきたいと思います。


町長日誌素案 森林環境税(仮称)」が閣議決定   20180331

 昨年末、2018年度税制改正の大綱の一つとして「森林環境税(仮称)」が閣議決定されました。
 18年前、当時全国森林環境税創設促進連盟の北海道代表理事を務めていた大石前町長から任務を引き継ぎ、厳しい行革で旅費削減の為出張がある代表理事は辞退し、理事の一人として、国会議員の皆さんに対し創設の趣旨に対し理解を求め、新税創設をお願いしてきました。
 国会で議論、決定されれば、平成31年度に改正され、市町村の事業については同年度から森林環境譲与税として交付される予定と説明受けています。都市部を含め国内に住所を有する個人に対して、東日本大震災の復興税が終了する平成36年度から一人当たり1千円を負担願うという内容です。
 連盟では「地球温暖化防止をはじめ、頻発する土砂災害の防止、人口減少の克服と地方創生を確実にするため森林の整備・保全の森林吸収源対策や安定した雇用の場の確保するため」の市町村財源にする新税創設を提案し、具体的には、間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備およびその促進する費用に充てると訴えたものでした。
 今年1月末に参加した全国森林環境税創設促進連盟臨時理事会で総務省と林野庁の担当者から新税の概要説明を受け、「森林環境創設 感謝の集い」にも出席し、尽力いただいた国会議員の皆さんにお会いしてお礼を申し上げました。自民党の細田元幹事長、野田税制調査会最高顧問、竹下総務会長、中谷元防衛大臣、森山・山本元農水大臣など有力代議士が続々と来場し、これまでの税創設提案・運動の経過と「これから議論が行われる国会で決定されれば、交付された税を国民に理解される森林整備推進に活かして欲しい」と挨拶されました。
 十勝で森林認証制度にも取り組む中で、「新国立競技場」の観客席の屋根材に、池田町を含め十勝産のカラマツが正式採用されたことも報道され、25年前に始まった運動が実を結びつつあることを喜んでいます。
 予定通り新税と市町村に対する交付が決定されて国による森林整備財源が確保され、池田町でも間伐など民有林整備が計画的・安定的に進めることができることを期待しています。

町長日誌素案 高評価を受けた十勝ブランデー  20180331

 池田町が昨年、長期熟成したブランデー「ブレンド・オブ・十勝」を1万6千2千円(税込)として発売し、愛好家から評判を得ています。 その後、創業300年を超えた老舗食品・酒類卸、国分グループ本社(株)、国分北海道(株)からの提案で池田町の旧研究所ブランデー熟成庫を見てもらい試飲し、「これは・・・」ということで30年を超えて熟成している十勝ブランデー原酒のみとそれを使った商品を国分北海道が北海道発のブランドとして商品化し、大々的に報道されました。同社は、優れた道内酒類を北海道発の新ブランド「島梟(シマフクロウ)」という名称で発売することとし、十勝ブランデーがブランドの最初の商品とのことです。 売行きは、テレビショップで200本があっという間に完売するほど好評なようで、すでに次回のロットについても予約殺到しているとのことで、さすが大手卸の宣伝力と流通体制だなと驚いています。
 何といっても、世界の蒸留酒を扱う大手卸である国分が十勝ブランデーを『「国産ブランデーの真髄、北海道からみなさまへ」「北海道十勝に至高あり」』と表現し、北海道ブランド商品として高い評価を発信していただいています。
 そのブランデー原酒は1987年産のブドウを原料に醸造・蒸留したもので、旧研究所の熟成室で30年という長い年月熟成させたものです。道南の仁木町農協から生食用ブドウであるキャンベルス・アーリーという黒ブドウを購入し、町民ロゼと同じようにジュース仕込みをしてアルコール分は低め(約8%)に発酵させ、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留した原酒を新樽に詰めて熟成し、程よく熟成の頃合いを見てブレンドをしてアルコール度数を40%程度に下げて製造したのが一般的な十勝ブランデーです。
 「冷害などで糖度が低くワインに不向きな原料の時にはアルコール度数が低めのワインを造り、蒸留して長く熟成させるといいブランデーになるかもしれないよ。」というアドバイスもありました。恩師でもあり、池田町専門委員として指導を受けた山梨大学工学部の故横塚勇教授が話していたことです。
 ブランデー製造では、酸が多い状態で加熱するとアルコールが変化してエステルなど香味成分が多い原酒となり、熟成していいブランデーとなるとの教えでした。 ブランデー製造はワイン製造と比較にならない永い年月が必要であり、多くの貯蔵品をかかえなくてはならず、企業経営的には難しい一面もあります。池田町は、冷涼な気候でつくられるブドウがブランデー製造に適しているという原料事情、そして、本当に良いお酒を造るためには、労力と永い年月、そして目先の利益にとらわれない「精神」を大切に受け継いできた結果とも言えます。
 3月初めに来庁された本社國分社長をブランデー原酒やワイン熟成庫を案内した際には「まさに至宝ですね」と話し、同行したマーケティング部長から「十勝の至宝を目のあたりにして興奮いたしました。訪問を楽しみにしていた社長が現場を見られて感動しておられました。」とのメールが送られてきました。本当にうれしく、感じました。
 価格は少し高めですが、永く熟成した十勝ブランデーが世に高く評価されることが、ワイン生産地に加えて池田町の名が広く知られることで町民の皆さんに誇りになればいいと思っています。 もちろん、他のブランデーやワインも共に流通消費拡大することに貢献することを期待しています。


町長日誌素案 生活習慣改善による健康づくり  180331

 田園ホールで『ふれあいたすけあいのつどい』「今から始める0次予防(子供から大人まで)」が開催され、元北大医学部教授で北海道千歳リハビリテーションセンター大学森満学長による「生活習慣の改善による健康増進について」という講演がありました。
 森先生が「WHOの「健康」の定義が『身体的・精神的・社会的健康が完全によい状態』から2011年に『状況に適応し、なんとかやりくりする力』と定義し多くの人が取り組みやすくなった。健康は幸福の重要な要素、生活習慣の改善によって健康を維持し、増進することができる、からだを動かすこと、喫煙しない、食生活に気を配る、よく眠ることが重要。」と各種調査結果を基に分かりやすく話されました。
 調査結果で女性の喫煙と肥満者割合が多く、メタボリック症候群割合は男女とも高い。しかし女性の収縮期血圧異常者割合が小さく良い、さらに世界で平均寿命が長い日本平均と比較しても池田町は男女共に高く状態が良いまちであると説明され、少しうれしく感じました。
 森先生も分析されていましたが、早くから取り組んでいる「ふまねっと」や「まる元」事業への参加、老人クラブ活動、JAや町内会活動など熱心に取り組まれているからでないかと話されていました。
 がんの死亡者が多くなっているが、原因の半分を占めるのが生活習慣で、たばこは吸わない受動喫煙を避ける、節度ある飲酒、塩分を最小限にバランスのいい食事を摂る、日常を活動的に過ごすなど生活習慣を改善・維持することが健康づくりになると強調していました。
 また、十勝いけだ地域医療センター主催の町民医療講演会で、公益社団法人地域医療振興協会が池田町と同様に指定管理者として運営している市立奈良病院の眼科医長で、池田のセンター眼科診療をされている園田先生が「眼科診療と健康づくり」と題して話されました。目の構造から始まり、池田町で患者率の高い白内障と緑内障について原因や手術や治療の仕方を分かりやすく話され、白内障と緑内障は成人病だが生活習慣病ではなく、早期発見が大切ですと話していました。また、生活習慣を見直すことでよくなる病気がたくさんあると指摘していました。
 財政の話で恐縮ですが、広域化した国民健康保険と町の介護保険事業の保険料が徐々に高くなって加入者負担も増えています。町民の皆さんがいつまでも健康で、介護が必要になる時期も遅くできるだけ短い期間で済むことが究極の願いですが、扶助の精神も含まれる各種保険事業運営に健康づくりや介護予防が大きく貢献します。 その二つの意味で、全町民の皆さんに健康づくりへの参画をお願いしたいと思っております。


★ 町長日誌素案  史上最高だった昨年の農畜産物取扱高と経済効果 20170331

 昨年末、十勝JAの今年の農畜産物取扱高が過去最高の3千388億円とすばらしい記録の記事が紹介され、十勝全体で驚きと喜びが湧き上がったようです。昨年の台風や湿害で耕種が著しく不作だった昨年でも3千億円近くで終わり、今年は大きな災害がなく耕種が大豊作で肉用牛や生乳もよく、最高の数字となりました。
 10数年前になりますが、地元新聞(2006年9月26日付勝毎1面)に北海道開発局帯広建設部が十勝農業が及ぼす経済効果はどの程度なのか調査して、その記事が載ったことを思い出しました。
 「『十勝農業の経済波及効果』 産出額7.7倍の2兆円 帯開建が調査したもので、十勝農業の経済波及効果は2兆円 」という見出しでした。
 そんなにあるのだろうかと疑いたくなりますが、シンクタンクの北海道未来総合研究所(札幌)が総務省「産業連関表」や道開発局「北海道産業連関表」を基に推計したもので、2004年の農畜産物取扱高2千641億円を基礎として算出したものでした。
 それはどのようなものかというと、農業生産に必要な資材や機械など「川上産業」への効果、食品加工業や飲食店など「川下産業」、農業が地域経済や雇用に貢献する雇用創出効果を合わせたもので、道内のみならず全国への経済波及として捉えたものです。
 兆円というすごい数字で驚きましたが、食糧基地十勝の持つ力を内外に示す結果であり、十勝全体でそのことを認識し、基盤整備や土づくり、持続的な日本の農業政策として十勝の価値を情報発信していくことが必要と感じていました。
 昨年の取扱高に対して、その倍率を使用すると、今年は2兆6千億円となります。大きな経済効果をもつ十勝の農業、“食”が果たす大きな役割を全国に理解されることになるものと思います。
 さらに、今年の都道府県別農畜産物取扱高を県別で比較すると、北海道が1兆2千億円を超え2位以下を大きな差をつけ全国一で、茨城、鹿児島、千葉などと続き、十勝単独で6番目という上位になるようです。
 そのように十勝の一次産業、農業が果たす役割はとても大きく、人口36万人の十勝が将来に自立的地域経済に向かうためにも二次産業、三次産業と地域内での付加価値商品づくり、流通供給基地として能動的に発展させる努力が必要と考えています。
 昨年末の明るい集計結果の報告でした。

★ 町長日誌 平成30年1月 素案 ふるさと回帰・田舎暮らし促進(移住促進) 171221
 昨年11月、浅草の都立産業貿易センター台東館で開催された「北海道暮らしフェア」に行き、会場の様子を見て、池田町コーナーに訪れる方に挨拶と町の状況を紹介しました。
 十勝から13町村が参加し、池田町は幕別と新得の間で、建設会社社長の赤坂さん、町の宮本係長と地域お越し支援隊の永井さん、就労支援センターこんぱすの皆さんが対応しました。全道の市町村、それぞれのコーナーに訪れ、移住を検討されている皆さんに熱心に説明していました。
 北海道庁職員による農林水産業就労、即設置可能な移住家屋を供給する会社など、移住に関係するさまざまな相談窓口が用意され、小さな会議室ではすでに移住された方や自治体による体験談の報告もされていました。
 二日目には、有楽町交通会館「ふるさと回帰支援センター」を会場にして、上士幌町を主とした東北十勝5町(上士幌・陸別・足寄・本別・池田)共催による「北海道十勝暮らしセミナー」にも出席して、主催者として挨拶し、前日に続き田舎暮らし、移住促進活動を行いました。
 NPO法人「ふるさと回帰支援センター」は、農業団体である全中の常務や全農の専務、全森連専務、全魚連常務、歌手の加藤登紀子さん他が役員となり、田舎暮らし希望者への相談業務、会員自治体の移住情報発信、各種セミナー、ふるさと回帰フェア、省庁からの関係受託事業を行っている団体です。
 上士幌町に移住された女性が「将来も定住するわけではなく、いろいろな所に住んでみたい。これからどこかに移り住むことになるかも知れない。」と話していたのが印象的でした。
 センター事務局長からもらった資料によると、センターの来訪者・問い合わせ数が増え、2008年の2千475人から2016年は2万6千426人と10倍以上に急増していました。 残念ながら、東京センターによる移住希望地ランキングとしては、山梨、長野、静岡、広島、福岡などの順番になっており、北海道は20位までに入っていませんでしたが、「最近は20歳代、30歳代の結婚など機会にUターン・Iターン移住を考える方が増えている。将来の生活のあり方を考える年代なのでしょう。」とのことでした。
 希望する地域類型として地方都市が一番で、次に農村、山村と続き、企業等に就労、次に農業、自営業、住まいは多くが賃貸であり空家を望んでいる結果でした。
 池田町としては、農業を基幹産業とし、医療や保育・福祉、教育施設や子育て事業を充実していること、特異なワイン事業に取り組み、羊牧場やアイスクリームなどスイーツ工場があることなどをアピールしています。池田町のありのままを説明し、是非とも多くの人に来てもらい、移住を体験し結果として移住に落ち着くことを期待しています。
 「池田町に80年以上住んでいるが、飲む薬の量を間違ったり、一人で済むのが限度になった。息子、娘の所に行くことになった。これまで池田町に世話になりました。」と話され、何人もの町民の方が池田町を去っていきました。また、新しい住宅を建築した方でも事情があったものと思いますが、去っていく方もおられました。
 先輩町長でも本州の娘さんの所に行かざるを得なくなったり、お亡くなりになるとご家族が町外に出て行かれたりと、最後まで住み続けることは医療・介護施設が十分でも、ご自分の体調や家族環境などで定住に変化が発生するものです。 できるだけ池田町で住み続けることができるよう、行政として努力することが必要だと感じた移住フェアでした。

★ 町長日誌 平成30年1月 素案 東北海道で栽培可能になった山幸ぶどう 171221
 釧路管内鶴居村が、5、6年前から池田町で交配育種したワイン用ブドウ「山幸」を試験栽培をはじめ、ようやくまとまった量ができるようになり、昨年から受託して醸造して販売しました。
 先日、その発表会が鶴居村役場隣接の総合センターで行われ、大石村長が来町し是非にと依頼され「鶴居村ワイン完成記念式」に出席してお祝いとこれから可能なことは連携し、交流しましょうと挨拶をして、参加の皆さんと「クロンヌ ルージュ(赤い冠)」と命名されたワインを試飲して懇談してきました。
 人口2千500人の鶴居村は、広い自然な湿原国立公園を有し、多く飛来する丹頂を観光資源として、酪農業を基幹産業にナチュラルチーズやハム・ソーセージを造るなど地方創生事業にも取り組んでいます。財政は非常に柔軟性がある健全財政を堅持し、69億円の現金を持ち借金が40億円程度、30億円近くの余裕があると80周年記念誌に書かれていました。
 池田町と対比すると、町民の皆さんがご承知のように、池田ではここ5、6年に、耐震性などの問題があり、町民の安心の拠点である医療施設、子どもの教育に欠かせない学校や給食センターの改築という50億円を超える大型事業を展開し借金が128億円で貯金は24億円という、鶴居村とは逆に、借金返済が進めながらここ当分は厳しい財政運営を余儀なくされている状況です。
 鶴居村は村政80周年になり、今年は各種記念行事を実施しているようで、ナチュラルチーズづくりに加えて地方創生の取組みとしてブドウ栽培、そして地場産ワイナリーの建設を予定しているとのことです。2年前に弟子屈町でも同じように池田町で育種開発した「山幸」種を栽培して池田町で醸造した「葡萄(えび)色の旦(よあけ)」と命名した弟子屈産山幸ワインを販売し始めました。
 池田町で40年ほど前に、野ブドウと寒冷地向き欧州種を交配し醸造試験を経て農林水産省に種苗登録もした品種「山幸」が、東北海道の各地で栽培が広まり、そのワインもその地その地の特徴(テロワール)が出て、チーズやハム・ソーセージなどとと特産物になると山幸種がワイン用ブドウ品種として認知されることは池田町としても望むことだと考えています。山幸は香味共に特徴がありますが、いろいろな地域で栽培され醸造・販売へと広まり、その地域のご当地ワインとして地域で愛され、また特産品としてお土産にもなっていくことを期待しています。

★ 町長日誌平成30年1月 新年のあいさつ 171221
 新年あけましておめでとうございます。昨年は、農作物が豊作で酪農畜産も好調で、農業を基幹産業とする池田町としてはとてもいい年でした。
 昨年、懸案だったふるさと教育の拠点となる郷土資料館が高島中学校跡に完成して運営を開始しました。小中学生、町民の皆さんに一度はじっくりと池田町の開拓から現在までの歴史を見ていただきたいと思いますし、今年開町120年なりますが、先人の開拓の努力や精神力を誇りに、あきらめない挑戦するまちづくりを進めていきたいと思います。
 農作物が豊作で、酪農・和牛も好調で推移し、池田町の農業生産高、そして十勝全体でもこれまでで最高の出来でした。また、十勝でも代表的な和牛生産の池田町で、東台の清水孝悦さんと清見の多田隆弥さんの2頭が全道代表に選ばれ、仙台で開催された全国和牛共進会に出場し大健闘しました。5年前前回に続き、全国に連続出場とになりまさに畜産のまち、池田の実力を示したことになります。繁殖に取り組む若い人が多く、仲間の皆さんと共にこれからの成果に期待したいと思います。
 また、北海道内でも歴史が長い姉妹都市を続けているカナダペンティクトン市との交流が40周年になりカナダから市長はじめ親善訪問団が皆さんが来訪し、親しく交流しました。今月、池田高校生も姉妹校交流で訪問しています。これからも交流を継続することが大切だと思っています。
 柔道、スケートはじめ各種スポーツ大会に出場、いじめ根絶メッセージ・防犯ポスターコンクールに入賞するなど小中学生が活躍し、池田町出身で天理大学4年の山本悠司君が全日本学生柔道選手権81キロ級でみごと優勝したことも伝わってきました。今後の子どもたちの活躍を期待しています。
 老人クラブや町内会の活動にも健康づくりに期待していますが、クローバー共同作業所、ふまネットサポーターズの障がい福祉・介護予防としての地道な活動が表彰された年でもありました。
 今年も災害がなく、天候がよくいい出来秋を迎え、健康づくりを推進し、医療やさまざまな介護サービスなど安心な町づくりを進めたいと思います。


町長日誌素案 (認知症講演と今後) 20171201
 先月、西部地域コミセンで「北海道認知症の人を支える家族の会」が主催した「認知症の人とともに暮らすまちづくり研修会」に出席し、地元町長として開催にお礼を申し上げ、道勤医協中央病院の伊古田俊夫名誉院長による「認知症の理解~その予防とケアについて~」という題の講演を聞きました。
 この日誌5月号に認知症のことを話題にしましたが、再度、取り上げてみたいと思います。
 講演は「認知症の早期発見と予防」に関する内容で、高齢者のみならず成人すべてにあてはまることがらのように感じました。
 脳細胞がびまん性に死んで委縮するアルツハイマー病、血管が詰まり細胞が死ぬ認知症があり、その原因や症状、予防に有効なものとして、減塩食、生活習慣病の予防と治療、認知症予防食が有効と話され、非喫煙、有効な人間関係も必要などと分かりやすい話をされました。
 同じことを何度も言ったり、財布や通帳など大切なものがなくなる(置いた場所を忘れる)など初期症状を早めに捉え(早期発見)、進行を先送り(予防)することができると説明されていました。
 予防には、ウォーキングやストレッチ体操など毎日4、50分程度の有酸素運動、減塩食品の摂取や高脂肪化の悪循環を止め、イワシサンマ、野菜・海藻・納豆・果実など予防食を摂取するなど生活習慣病の予防と治療を行うことが必要と強調されていました。また、孤立しないようできるだけ多彩で豊かな人間関係の確立が重要と強調されていました。
 講演終了後、「落語を聞いて笑うなど笑いと認知症との関連は? また音楽や絵画など芸術はどうか?」と聞きますと、「このような場で町長さんから質問を受けることは初めてですが・・・」と前置きされ、両方とも有効であるとの答えをいただき、運動や食以外にも生活を送る中で楽しみも効果があるようです。
 運動できなくなっても、いっぱい笑ったり、子どもの頃聞いた音楽をたくさん聞いたりして、認知症の発症や進行を先送りできるといいなと期待しています。
 また、最近の新聞記事で、イギリス医学誌ランセットが「9つのリスク要因を改善することで、認知症の35%は予防可能」との研究論文を発表したことを読みました。伊古田先生と同様で、教育で脳が活性化し食べ物や健康に気を配る、肥満、高血圧、喫煙など生活習慣を変えると認知症が減る報告があり、実際の予防効果があると啓発していました。
 「認知症になりにくい町」宣言をした池田町でもあり、全国的には認知症を含め介護費など社会保障費が5年間で11兆円も増えている日本の財政にとっても、貢献できるものと思います。私もワインの飲みすぎ、食べ過ぎに注意し、ラジオ体操と運動を継続することを強く認識した次第です。