「モロボシ・ダン」の店

2000/3/12 Update

内容がかなり前のものですが、当時Word文書で作成したものをHTML方式に直してアップしました。


1998年7月25日(土)、神奈川県藤沢市にある「ジョリー・シャポー」という店へ行って来ました。
ここは30年前、ウルトラセブンの地球上における仮の姿「モロボシ・ダン」を演じていた森次晃嗣氏が経営している店で、昼は軽食などを出す喫茶店、夜はいわゆる「ライヴ喫茶」のようなものに様変わりするといった様相です。

これがその店の全景です。
思ったよりこじんまりしていて、しかも幹線道路から少し入ったところにある、静かな店です。

この店は森次晃嗣氏の後援事務所を兼ねていて、「セブンクラブ」という幟が掲げてありました。

店には13:00ごろ着いたので、昼食を摂りに行きました。

私はモロボシ・ダンにお目にかかりかったので、店の人に今いるかどうか訊いたところ「ちょっといないんです...」と云われてしまい、ちょっと落胆気味でした。

しかたがないので店内を撮影しようと、店の人の目を盗んでデジカメのシャッターを切りました。
テーブルの上で物陰から撮影したので、ちょうど「なめる」(物の陰や間から対象を狙い撮りするという意味の撮影用語らしい)構図になりました。

ちょっとマニアックなハナシですが、ウルトラセブン本編には何人か監督がいて、その中に実相寺昭雄という人がいました。
この人はこういう撮り方を好む人だったらしく、監督した話の画像にはこういう構図の場面がたくさん出てきます。

上の画像の奧にも小さく写っていますが、この画像はマニア垂涎の貴重なアイテムでした(私もけっこうコーフン気味)。
これは実際に撮影に使われたマスクだそうです。
近くで見ると、補修のあとがところどころにありますが、保存状態はきわめて良好でした。
目の部分が光るのも、思ったとおり電球が入っていました。
さて、まずここで食したのは、このお品書きの画像にもあるように「モロボシダンのハヤシライス」です。
運のいい人はモロボシ・ダンが実際に厨房に立って作ったものを食べることができるそうですが、このときには森次氏が不在だったため、他の人が作ったもののようでした。
それがちょっと残念でしたが、とても旨いものでしたので、私は前の晩もハヤシライスを食べたことなんて、
まったく忘れていました。

これが「モロボシダンのハヤシライス」です。
深めの器に盛られて出てきました。
店内には他にもいろんなウルトラセブングッズが飾ってありました。

これは、ウルトラ警備隊の「ポインタ」です。
全長は600mmくらいのかなり大きなものでした。

ここまでで、日中は終わりです。


(この画像は内容とは無関係です)

私は1時間半くらい店にいましたが、結局モロボシ・ダンは姿を見せませんでした。

ところが店内をよく見回すと、店の小さな黒板に「今夜8:00からシャンソンライヴが開催される」旨の告知があり、「ゲスト」ということで「森次晃嗣」と白いチョークで書いてあったのです。(写真を撮り忘れた...)
そのとき私は今夜店に行けば、モロボシ・ダンに会えるということに気づき、いったん店を出たのでした。

そのあと20時ごろまで時間をつぶしました。

どのくらいの数の客が来店するのか予測が立たなかったので、席がなくなってはと気が急いた私は、19時30分ごろ店に入りました。
店の人に「昼間も来た方ですね?」と云われてしまいました。

モロボシ・ダンはまだ来ていない…と思ったら、店の奥の方にある事務所にじっと座っていました。
そのまわりには、素性の知れない男たちが何人かで彼を取り巻いていました。

後でよくよく話を聞くと、その人たちは1998年10月に発売された「わが愛しのウルトラセブン」というビデオソフトで使用するため、森次氏の日常の姿を撮影に来たクルーだということでした。

しばらくしてモロボシ・ダンは店の中へ入ってきました。
そしてピアノの傍らに立つと、ピアニストにいろいろと細かい注文をしながら唄の音あわせを始めました。

この方こそ、何をかくそう森次晃嗣=モロボシ・ダン=ウルトラセブンの奥様です。

ライヴが始まると、店のママ、それから奥さんとがまず歌声を披露しました。

そしていよいよモロボシ・ダンが登場し、その唄を披露しました。

その声量にははっきり云って驚かされ、やはり彼は俳優なのだなあと思わされました。

私はいちばん近いところへ座ったので、画像が下からあおる構図になっています。
半径50p以内にまさに、あのモロボシ・ダンがいたのです。

ライヴはけっこう長く、トータルで2時間半ほど行われました。
途中で20分の休憩があり、その間にモロボシ・ダンが客と談笑する場面も見られました。

この店の客層はどちらかというと中年から壮年が多く、いかにも顔なじみといった感じの人が大半でした。
それでも、全国からファンが来店するそうです。

この画像のときには、わりと若手の3人組がウルトラセブン撮影当時のことを
おそるおそるといった感じで質問していたのですが、モロボシ・ダンは丁寧に答えていました。
(私は恐れ多くて、そういう話はできなかった…)

耳に入ってきた話によると、先出のウルトラセブンのマスクは、撮影が終了したあと、円谷プロから買い受けたものなのだそうです。
いくら劇中で主役だったとしても、もらえるわけではないということでした。
ウルトラセブンそのものの話はできませんでしたが、モロボシ・ダンは、最終回の最後のセリフ
「西の空に明けの明星が輝くころ、ひとつの光が宇宙へ飛んでいく...それが僕なんだよ...」を唄の合間に披露してくれました。

これは中年層・壮年層にはあまり意味がわからなかったようですが、私は「おお!ホンモノが目の前で云っている!」と感激モードに入ってしまいました。

そして、モロボシ・ダンと私は、ツーショットで撮影することができたのでした。
ここまでで私はかなりご満悦状態でした。

ライヴは22時半くらいまでつづき、いったんお開きとなりましたが、どの客もいっこうに帰ろうとしません。

さすがに私はそろそろおいとましないと帰宅が真夜中になってしまうので、まだしばらくそこにいたかったのですが、後ろ髪引かれる思いで、店を後にしました。

私が埼玉から来たというと、モロボシ・ダンは「えっ!」とたいそう驚いた様子でした
(そんなに驚くなよ…って感じですが)。

帰りしなには「また来てください」と握手をしてくれました。

店にはおみやげ用に、プラモデルや地球防衛軍のマーク入りTシャツなどウルトラセブングッズが各種置いてありました。
私はセブンの武器のひとつである「アイ・スラッガー」をかたどったキーホルダと
右の画像の
「ウルトラ・アイ」のレプリカ(モロボシ・ダンがウルトラセブンに変身する際に着眼するグラス/幼少のころ欲しかったが買ってもらえなかった)を買って大満足で家路についたのでした。

...とまあ、ざっとこんな感じで、かなり自分本位な趣味に走ったレポートでしたが、結局私が楽しかったんだよということしかわからないですね。

しかしこの店は、かなりオトナの香りのするところだということは確かです(そもそもシャンソンなんて、普段聴く人は少ないことでしょうから、もし興味があればオススメします)

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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