STORY |
木曽谷に落下した円盤を調査中のフルハシと(モロボシ)ダンは、不審な少女と出会った。 円盤内で煙を浴びて一行は気を失い、 油断したダンは何者かにウルトラアイを盗まれてしまう。 地球防衛軍のメディカルセンターに運ばれた少女は、 無人のウルトラ警備隊基地内を荒らしてホーク2号で脱走。 一方、同じ姿を持つもう1人の少女が司令を送って湖底に潜むエレキングが巨大な姿を現した。 (ウルトラセブンに)変身できないダンはカプセル怪獣ミクラスを出してエレキングに応戦したが、電撃攻撃で劣勢になる。 円盤に潜入したダンはウルトラアイを少女から奪ってウルトラセブンに変身。 二人揃った少女はピット星人の姿に戻って地球を離れつつ再挑戦を誓うが、エレキングを倒したセブンの追撃によって円盤は葬られるのだった。 |
宇宙怪獣 エレキング |
ピット星人の番犬怪獣で、頭部のレーダーアンテナで指令を受けて行動する。 ダンが出撃させたカプセル怪獣ミクラスの突進をものともせず、逆に光線や電撃で圧倒的な強さを見せた。 長いしっぽでウルトラセブンをも翻弄した。
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DATA |
・20センチほどの幼獣の状態でしばらく湖に暮らしながら地球環境に慣れていた。 ・頭のレーダーアンテナを高速回転させてピット星人からの指令を受ける。 ・口から一撃必殺の怪光線を放つ。 ・相手にからませた長い尻尾から、電撃攻撃を行う。 ・身長/0.2〜53メートル
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特撮ギャラリー05 商品解説 |
続々と侵略者が地球に挑戦してくる『ウルトラセブン』では宇宙人の数に比べて怪獣が極端に少ない。 それだけに見た目が鮮烈なエレキングは印象深い。 この商品は『ウルトラセブン』第3話の『湖のひみつ』から、名場面を完全再現し、死闘をジオラマにしたものである。 緑の大地に、白い海獣と赤の戦士の対比が映える! |
COLUMNT 番組メモ |
1967年、子供たちの間で秋の新番組の話題は
『ウルトラセブン』で持ちきりだった。 『ウルトラマン』終了の半年間は、宇宙を舞台とした 東映の『キャプテンウルトラ』が健闘を見せていたが、 やはり子供の興味は怪獣とメカの本格特撮ドラマにあった。 円谷プロも盤石の体制でウルトラホーク出撃シーンなどの 特撮ストック分(バンクショットと言った)を用意して 『ウルトラセブン』は好評のスタートを切る。 その第1回撮影分がこの「湖のひみつ」だった。
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COLUMNU 怪獣メモ |
『ウルトラセブン』が結果的に大人の鑑賞に堪えうるハイブロウな世界観になったのも、シンプルなキャラクターが出揃った「ウルトラマン」から一新し、複雑化したキャラクター設計によるところが大きい。 デザイナーの成田亨は、セブンそのもののデザインが玩具メーカーの決定で成田自身の推奨する青のヒーローが却下され、 もっとも避けたかった赤のヒーローに決定したことにかなりの憤りを持ったことを後日吐露したが、その反動なのか「ウルトラセブン」の毎回の宇宙人や怪獣、メカは、まるで前衛彫刻のような自由奔放な発想で描かれた。 このエレキングも典型的な2足歩行型怪獣でありながら、動物の範疇にあるそれまでの怪獣と一線を画す人造的な要素が加味され、どこか好奇心をくすぐる仕上がりになった。 前衛画家の高山良策が、このデザインを面白がったのは想像に難くない。 高山はポインター(番犬)の模様で描かれたエレキングを、絵の師匠に当たる福沢一郎が描いた「牛」のテクスチャーを模している。 ところがせっかく“白”を美しく仕上げた怪獣であったにもかかわらず、水がらみの特撮で皮膚に土が染み込んでしまい、エレキングはクリーム色、黄色に見えてしまうのだ。
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私評 |
解説には「緑の大地に...云々」とあるが、やはり怪獣と宇宙人の大きさが感じられない。 なんか特撮そのもののセットをジオラマにしたような、そんな感触さえ受ける。 ただし、エレキングの色彩の再現と質感には拍手を送りたい。 実際に触れると固い材質だが、見た目からはゴムっぽい柔らかさが感じられることに敬意を表したい。 |
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