STORY
地球防衛軍ワシントン基地が打ち上げた観測ロケットを侵略と誤解したペダン星人が報復を図る。
(ペダン星人は)六甲山の防衛センターでの防衛会議に出席する世界の要人を次々と暗殺していった。

ウルトラ警備隊はドロシー・アンダーソン博士の警備を任されるが、途中で秘密諜報部員マービン・ウエップに狙われる。
マービンはドロシーこそが仲間を殺害したペダン星人の化けた姿だといった。

防衛センターに飛来した4つの物体が合体してスーパーロボットになった。
ウルトラセブンでさえかなわぬ科学力を誇示したペダン星人は、(モロボシ)ダンに和平を提案する。
しかしそれは巧妙な罠で、返されたドロシーは記憶を消されていた。

神戸港にキングジョーが現れた。
土田博士はドロシーの手を借りてライトンR30爆弾の完成を急ぐが!?

 
宙ロボット キングジョー

ペダン星人の侵略用ロボットで、4つに分離して移動する。
動きはゆったりしているが、セブンのあらゆる超能力を跳ね返して怪力でねじ伏せてしまう。
弱点は土田博士とドロシー・アンダーソン博士が開発したライトンR30爆弾。

 

DATA
・4つの物体で分離・飛行し目的地で合体、巨大ロボットとなる。
頭部と両腕の物体にペダン星人の円盤が内蔵されている。(2名搭乗)
・表皮は外部からの攻撃を吸収する弾力をもち、セブンのあらゆる超能力を跳ね返した。
・怪光線を頭部から発射する。
・ライトンR30爆弾によって大破する。

・身長/55メートル
・体重/48,000トン
・出身地/第8銀河系のペダン星
・能力/4つに分離・飛行し、合体して怪力で活動。怪光線を発射。
・登場作品/『ウルトラセブン』第14・15話『ウルトラ警備隊西へ』(前後編)

 

特撮ギャラリー06
商品解説
合体・分離に説得力をもった非凡なデザインセンスと 「GWASH GWASH」と電子音をあげて進撃してくる力強さ、 キングジョーほどかっこいいロボットは他にいないだろう。 
この商品は、キングジョーが登場した『ウルトラセブン』第14・15話の 『ウルトラ警備隊西へ』(前後編)から名場面を完全再現し、 死闘をジオラマ化したものである。

COLUMNT
番組メモ
『ウルトラセブン』で初の前後編となる本作は、 国際都市神戸を舞台に登場した外人俳優も違和感なく、 侵略の嫌疑につけ込んだ人間ドラマとともに世界観の拡がりを見せた。
ウルトラセブンはキングジョーの怪力の前に手も足も出ず大ピンチを迎え、 次回へ"つづく"となったので、 当時の子供たちは大変あせって1週間を待ったものだった。 
後にも先にもキングジョーほど洗練されたロボットは、 世界幻想映画史上を見渡しても存在しない。

 

COLUMNU
怪獣メモ
当時の『少年マガジン』に、成田亨によるキングジョーのデザイン秘話が 5過程のイラストで説明されている。
「まず、ふつうのロボットをかいてみる」。 
この時点でふつうのロボットでないところがまず愕きだ。 
つづいて、以下「人間に似ないように円筒を身体につける」 「顔を上下に詰めて、肩を機械のようにしてみる」 「このロボットを四機の宇宙船に分解できるようにする」 「顔はさらに機械のようになり、ペダン星人のロボットが完成した」。 

土田博士(土屋嘉男)が我を忘れる「すばらしいメカニズムだ...」。 
それは同時に視聴者の愕きでもある。 
造形の高山良策は、このロボットを全身粘土原型で再現し 1枚のラテックスで成型した。
それがかえって未来的な特殊素材のゴムを思わせるのに成功した。 
塗装は、パール素材と金粉を交互に吹いたものだった。 
なお、今回だけセブン役の上西弘次が神戸ロケに同行したため、 菊池英一(帰ってきたウルトラマンの演者)が特撮のセブンを演じた。 
それがスマートで、余計にキングジョーが力強く感じた。 なおキングジョーのネーミングは “きんじょう”(シリーズのメイン脚本ライター金城哲夫)から付けられた。

 

私評
このジオラマでは六甲山防衛センターを襲うキングジョーを阻止するウルトラセブンが再現されている。

防衛センター前の五本の万国旗と地球防衛軍の砲台三基が細かく再現されているのはよいが、 どうしても身長55メートルと記録のあるキングジョーの大きさが感じられない。
防衛センターの建物が並べて再現してあればよいと思うのだが...

また、場面のセレクションにも、もうひと工夫がほしかった。
解説にもあるように、前編の終わりは"つづく"で終わっていて、 神戸港に横たわるグロッキー気味のウルトラセブンにキングジョーが馬乗りになっている描写だった。
その場面をジオラマ化したほうが、より緊張感を醸し出すことが出来たのでは...?と思う

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