佐藤式工作指導法とは何か
TOSS/FreeTalk 矢田 広和
   
             
 
1.佐藤式工作指導法のねらい
 佐藤式工作指導法のねらいは,ずばり「子どもの造形力を伸ばすこと」です。

2.佐藤式工作指導法の基本
子どもの造形力を伸ばすための佐藤式工作指導法の基本は大きくは下記の2点です。

(1)基本形を提示し,子どもの発想を豊かにする
  佐藤式工作指導法では,「基本形」(基本となる型・工作作品の元になる形)を提示しま す。
 子ども達は,基本形を見る・作ることによって、色々な連想を始めます。基本形が発想の 切り込み口となるのです。
 基本形を提示し,子どもの発想を豊かにすることが,子どもの  造形力を伸ばす第一ス テップになります。

(2)最低限身につけなければならない技術を押さえる
 「はる」「切る」「折る」などの最低限身につけなければならない技術をしっかりと体得させ ることを重視します。
 「はる」「切る」「折る」など,工作をする中でどうしても指導しなければならない基礎基本 の技術をおさえ徹底して指導します。すなわち,「教えるべきことは教える」ということで す。
  基礎基本の技術を体得させ,子どもの造形力を伸ばすことが肝要なのです。

 
   

3.題材の基本的な考え方
  佐藤式工作指導法における題材の基本的な考え方は,下記の3点です。

(1)目的の明確化
  作ったら、遊ぶ、飾る、使うなど作る目的がはっきりしています。

(2)方法の単純化
  これまで難しいと思われてきたものでも、簡単な方法でできるようにしています。  また,時間も多くはかかりません。

(3)子どもが喜ぶ
 子どもが夢中になって遊んだり飾ったら楽しくなったりするようなものを題材とします。

 
 
4.佐藤式工作・制作の定型
 佐藤式工作における制作の定型として,次のような3段階をとります。

  (1)第1段階 作る
 いわゆる工作部分で、「基本形を作る」段階

 (2)第2段階 造形する
 基本形に装飾する段階。ここで「デザインを練る」段階

  (3)第3段階 遊ぶ、飾る
 出来た作品(制作物)で遊ぶ、飾る、生活に生かす
 ここが工作のうまみで、佐藤式工作の大事な部分となります。