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ダウン症

最終更新日:2002年4月27日

 ダウン症とは、染色体の異常により起こるものです。主な特徴として、@筋緊張低下症、A言語精神発達の遅れ、B多様な合併症の頻度が高いということが指摘されていますが、ダウン症であれば必ず見られるというような症状は存在しません。そのため診断名は「ダウン症候群」と呼ばれています。彼ら特有の顔立ちや、全体にずんぐりとしてみえる体型など、外見上の特徴もありますが、数ある障害の中でも非常にユーモラスな音楽家で、明るく社交的な面があり優しく素直な子が多いように思います。それが“天使の障害”といわれる由縁でしょうか・・・

 また、「遺伝性がある」という言葉が一人歩きしてしまっていますが、“リスクが高い”ということと“100%遺伝する”というのとは違います。染色体分析をして、もしもまれながら転座保因者であっても、女性側なら1/15、男性側なら1/35です。普通のタイプのダウン症児が生まれた家系では、たとえ兄弟姉妹といったきわめて近い血縁者といえども、その人達から生まれた子ども達のダウン症出現頻度は少しも高くなっていないという結論が出ています。

*病理的原因*

 ダウン症は21番染色体が過剰にあるため、細胞の働きが普通と違っている面があります。そのため身体をつくる過程で奇形をおこしたり、知能発達が明白に遅れてくることがあります。その他さまざまな特徴がありますが、そのような結果はすべて細胞核内にある21番染色体の過剰によるものとされています。では何故過剰になるのか…まだ決定的な説明はありません。しかし多くの研究者が共通に認識していることが若干あります。

 一つは母親が赤ちゃんを生む年齢が高くなると、それにつれて確実にダウン症の赤ちゃんが生まれる確率が高くなるということです。卵子を形成する途中、21番染色体をうまく卵子に配分する機能が働かないことが想像されます。具体的にどんな原因で配分がうまくいかないのかは、これまた不明ですがある仮説によれば、染色体を引っぱって配分する役目をおっている紡錘糸というたんぱくが、年齢が高くなるとともにうまく分離しないで染色体の異常を起こすという説明があります。正常な染色体はそれぞれ一対ずつあるのですが、このタイプは21番目の染色体が細胞内に3本あるため「21番トリソミー」と呼ばれます。ダウン症のほぼ95%がこのタイプです。

 また少数ですが、転座染色体型と呼ばれるダウン症があります。21番染色体が別の染色体と癒合して(くっついて)その染色体が子どもの代に受け継がれると、癒合した過剰の21番染色体が一緒に受け継がれて、実質的には21番染色体が3本分あることとなるものです。両親に染色体異常が無いのに新しく卵子や精子をつくる段階でこの転座型染色体が発生して、転座染色体型ダウン症が生まれることがあります。あるいは両親の片方が転座染色体を持っていても幸いにも独立した(癒合していない)21番染色体が1本だけ存在していて、その結果実質的には21番染色体が2本存在している(これが正常な状態)ことが見つかる場合があります。その親のことを“バランス型の転座保因者”と呼ぶことがあります。バランス型転座保因者から生まれる子どもは正常な染色体の場合もあるし、親と同様、保因者の場合もあるし、転座型のダウン症児である場合もあります。このような場合をさして「遺伝性がある」ダウン症と呼びます。なお現在のダウン症の出生率は1000人に一人といわれています。

*ダウン症の子ども達*

 ダウン症の子ども達は言語理解の学力は優れています。逆に簡単な言葉でもうまく発語できない傾向が強いといわれています。しかし言語発達が遅れていても長い時間をかければ上手に会話ができるようになります。

 また、ゆったりした動きが特徴の彼らは、理解して動作するという一連の作業に時間がかかることがあります。まわりがあまりにもすばやく行動してしまい、何をするのか、どうするのかがうまくつながらず戸惑うことも少なくありません。しかし彼らは十分な言語理解がありますので

ゆっくり説明し、手本を示すことで解決が出来ると思います。

 ひょうきんなイタズラ好きの彼らですが、負けず嫌いで努力家の一面もあります。すべての障害児に言えることですが、周りの人が手出しをしすぎればその分自立が遅れます。彼らの出来ることや、社会の覚えなくてはいけないルールは、しっかり教えて実行させ、学ぶ喜びを与えてあげることも大切な事なのです。


参考文献:
「ダウン症児の療育相談」、大月書店