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発作性疾患(てんかん)

最終更新日:2002年4月27日

 発達障害の子どもの中には、しばしばてんかん発作を起こす子どもがいます。また全く障害の見られない子にもてんかん発作をもっている子がおり、赤ちゃんの頃によく見られる熱性けいれんとは違います。てんかん発作の特徴は、@突然症状が現れ、しばらくするとまた、もとの状態にもどる。A発作を繰り返す。B繰り返す発作はそのつどだいたい同じ症状であること。Cてんかんの発作の症状は脳の働きと関係した症状であるということです。

*てんかん発作とは*

 発作というと、心臓発作や喘息発作などがありますが、てんかん発作とは発作をおこす原因が脳の中にあります。脳の中にはたくさんの神経細胞があり、神経の細胞はお互いに線維で連絡し合い、それぞれの細胞から出る弱い電流によって情報を交換し、手足を動かしたり、ものを考えたりしているのです。

 ところが、何かの原因で神経の細胞が傷ついたり、はたらきが妨げられると、たくさんの神経細胞がいっせいに興奮して普段は出ないような強い電流が流れることになります。その結果、脳の中が刺激され、脳のはたらきが妨げられてけいれんを起こしたり、意識を失ったりといったことが起こるのです。

 

*てんかん発作にはどのようなものがあるか*

 てんかん発作には脳の一部分に強い電気の発射放電がおこるもの(部分発作)と、最初から脳全体が興奮してしまうもの(全般発作)の二つがあります。

【部分発作】

手足をぴくぴくさせたり、顔をゆがめたり、足の先がしびれたりと、脳の部分的なはたらきが症状に出ます。

【全般発作】

 大きく分けると、けいれん症状を主体とする発作と、意識を失う発作の二種類があります。

けいれん発作は、突然手足を硬くして伸ばし、突っ張る姿勢で倒れ、手足をがくがくと動かすようにけいれんし、「ウーウー」とうなり声をあげ、それが数分間続きます。本人はその間のことを全く記憶してはいません。

 意識を失う発作では、五秒から数十秒の間、ぼんやりして、物を落としたり、周囲の呼びかけにも反応しません。

*発作時の対応*

 てんかん発作は原則的にはある時間がたてば自然におさまるものです。なぜなら、神経細胞はそれほど長く興奮し続けることは出来ません。やがて疲れてきて、大きな電気を出せなくなるので発作も自然におさまっていきます。ですから、意識を失うだけの発作の場合には、そのままの状態で周囲の危険から守ってあげるだけで時間がたてばまもなくおさまります。

 けいれんを起こして倒れるような場合には、周囲の危険なものにぶつからないように注意し、肩や関節部分を軽く押さえて支持してやる程度でけいれんがおさまるのを待ちます。慌てて救急車を呼んだりしたとしても、到着前におさまっているのが普通です。

 むしろ危険なのは、大きなけいれんの後のもうろう状態です。発作の後、再び脳が正常のはたらきをとりもどすまで、回復の時間が必要なのですが、回復までの間には周囲の状況がはっきりしないもうろうとした状態が続きます。このような状態にならず、発作後はっきりした意識がある人や、そのまま睡眠に移行していく人もいますが、時には20〜30分もの間、もうろうとした状態を示す人もいます。

 もうろう状態のときは、目的もなく動き回ったりと落ち着きません。呼びかけには一応の返事はしますが、本人には状況が理解できずにただ応答していることが多いのです。このような状態の時には無理に押さえつけるのではなく、危険の無いように寄り添って誘導してあげましょう。

 ところで、てんかん発作というと舌を噛まないように、口の中にものをはさんだ方がよいと信じている人が大変多くおりますが、かえって口の中を傷つけてしまう危険があるので、あえてものをはさまなくてもいいのです。

 このように一般にはけいれんが起きても、そのままおさまるのを待てばよいのですが、時には一度おさまった発作が、またくり返し起こることがあります。(発作重積状態)

そのような場合には病院に搬送し、適切な診断と処置を受けることが必要です。


参考文献:「心の家庭医学」、保健同人社