北鎌倉山崎の家
鎌倉市山崎
2010年竣工
施工:附田工務店
北鎌倉の駅から歩いて、15分ほどの閑静な住宅街に建つ住宅。
依頼主は、学生時代、同じ研究室であった、いわば建築仲間の御夫妻。
基本設計は、三者の間で侃々諤々と進められ(私はどちらかというと、脇役というか調整役)、
実施設計や各種申請は、当方が担当しましたが、現場段階での細部の納まり(施工図)にいたるまで、
三者で話し合いながら進められました。
全体の構成は、V字型の完全なシンメトリー(左右対称形)。
1階に個室を配し、2階にLDK(居間・食堂・台所)を設けています。
2階の薪ストーブは御主人のデザインで、名人として知られた山林舎の製作。
OMソーラーとの併用で、冬の鎌倉を快適に過されているようです。
細部の納まりが非常に凝っていて(いわゆる“ツウ好み”の、線を消してゆくミニマムなディテール)、
主に御主人のこだわりなのですが、今振り返ってみても、非常に感心してしまいます……
左は、かの北大路魯山人の窯跡の竹林。
縦格子の片引戸が玄関。
玄関ホール(縦格子内の納戸のあかりを間接照明として利用)。右は玄関ベンチ。
玄関から階段を上がると、2階のLDK。障子をあけるとベランダが広がる。
食卓から台所方向を見返す。障子・ガラス戸とも、戸袋内に完全収納されている。
ベランダから食卓を見る。室内外の床レベルは、段差のない納まりとなっている。
2階から、1階に下りてゆこう。
1階の三姉妹子供室。造り付けデスク下の足元からは、OMソーラーの温風が吹き出す仕組となっている。
同じく1階の夫妻寝室。畳の奥にあるのは、OMソーラーの温風吹き出し口。
屋根裏収納のあかりを灯すことで、2階和室の間接照明となっている(和紙貼りの行灯のような趣がある)。
2階LDKのあかりを灯して障子を閉め切ると、夜の住宅街に、行灯のような雰囲気が醸されてくる。
屋根上のガラス面で暖められた暖気が、1階・2階の床下から吹き出す仕組になっている。