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雑記
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No.02 <CD話> 2002.11.07
「やってはいけないこと」「危ないからやめときなさい」。
このように言われると、逆にやりたくなるのが人間ではないだろうか。
俺はそう思っている。
タイトルは"CD話"となっているが、CDの「内容」の話ではない。
ある意味、内容の話ではあるが・・・・・。

何年も前に、図書館からCDを借りてきたときのこと。
まだあの頃はCDは普及していても、CD−ROMはあまり普及していなかった。
あの薄い盤面、そして記憶されているきらきらと光る裏面を見て俺は思った。
「割ったら内部はどんな風になっているのだろう」
と。
しかしそれは図書館所蔵のもの。
破壊、もとい破損させるなんてもってのほかの事だ。
そしてそのようなことをすれば弁償は必至。
大枚叩く金銭的余裕はない。
いやいや、その前に破壊行為をすること自体まずいのではないか。
ああ、しかし割ってみたい。
逡巡する思い。
だがこのときは一片の良心と、財布の軽さが勝利した為、大事には至らなかった。

あれから数年。
パソコンが広く世に出回るようになり、同時にCD−ROMも大量に出回るようになった。
電気店を回っていると、プロバイダー加入のためのCD−ROMがそこかしこに置いてある。
俺は時折、中に同胞されているアプリケーション目当てにこれをもらっていた。
新しいものがでれば古いものは捨てる。
そのようにして加入用CD−ROMを処分しかかったとき、ふ、と昔の情熱を思い出した。
「今こそなんの制約も無しに思い切り割ることが出来る」
と。
そうと決まれば即実践。

CD−ROMはプラスチックである。
割れば破片が飛び散るかも知れない。
そう考え、袋の中に入れていざ力を入れる。
ぱきっっ。
・・・・・。
そう音を立てて割れる予定だった。
だが、なかなかに手強く、しかもねばり強い。
曲がるまでにかなりかかった。
半分にしたところで割れる気配はない。
しかたなく逆側に折る、というのを数回繰り返すと、漸く割れた。
割れたというかちぎれた、と言う表現が正しいのかも知れない。
気になっていた断面を見ると、伸びている状態だったので何が何やら判別付かなかった。
かくして実験は失敗したのである。

この数日後、何かのテレビで「衝撃でCDは割れるか」と言うのをやっていた。
常温では俺の実験同様、曲がるだけで割れはせず、車の重さがかかっても同様であった。
ただ、温度を5度まで下げるといともあっさり割れていた。
いるんだなぁ、俺と同じようなことを考える奴は、と思った。


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No.02 実験君


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