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July 2003
<7月分日記 01-10>
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1日
攻防戦

やつは突然現れた。
微かな音を発し、目の前を横切っていった。
俺は腕を振り、やつを捕らえようとした。
一時捕らえたかのように見えたが、それは錯覚だった。
やつはまだ、この周囲のどこかにいる。
そこの裏か、あそこの陰か。

夜だというのに戸の開け閉めをしたせいだろう。
それが原因で、やつを知らずに招き入れてしまったに違いない。
たった少しの間であったにも関わらず、やつはその隙を見逃さなかった。
全く、不注意なことをしたものだ。
なんとしても、やつを退けなければならない。
そうしないと、一瞬の安息をも得ることは出来ない。

周囲を用心しながら窺った後、俺は決断を下した。
やつが姿を現さないのであれば、現れるように仕向けてやればいい。
そう、燻りだしだ。
昨年以来触れることのなかった香に、火をつける。
ゆらり、と立ち上る一筋の煙。
後は時を待つだけだ―――。

締め切った部屋に徐々に蔓延していく煙。
目に見えるほどに部屋の空気は白くなった。
だんだんと呼吸が苦しくなっていく。
部屋の中にある命は、俺とやつの2者のみ。
俺が残るか、やつが残るか。
果たしてどちらに天秤は傾くのだろうか。

一刻ほど過ぎた頃だろうか。
やつはふらりと俺の視界を掠った。
初めに姿を現した時に比べ、明らかに弱っている。
好機だ。
とっさに俺は行動に出た。
しかし、それは愚かだったことをすぐに悟る事になった。

やつは弱って見えたが、まだまだ余力があった。
後の予測をせずに攻撃をした俺は、すんでの所でやつを取り逃がしてしまった。
それだけではない。
折角見つけられた足取りも、攻撃に失敗すると同時に逃してしまったのである。
焦りが、失敗を招いた。
これでまた、やつを虱潰しに捜し出さなければならなくなった。

それから半刻。
部屋の中は相変わらずの空気であった。
潜むやつに焦る俺。
緊迫感は未だ続いていた。
だが、不意にそれは破られた。
闖入者の登場であった。

堅く閉じられた扉が開け放たれ、新鮮な空気が流れ込んできた。
重苦しい空気が少しずつ薄められていく。
それと同時に室内の緊迫感が薄まっていくのを感じた。
だが、それは俺に平穏を与えただけではなかった。
やつにとって、千載一遇の好機となった。
やつの逃げ道を作ってしまったのだ。

その後のやつの足取りは全く掴めていない。
この部屋から脱出したのか。
ここで命尽き果てたのか。
別の場所に移り、生き延びたのか。
それとも。
―――未だ俺の周囲にいるのかもしれない。

                    (了)


本日はこんな感じの夜の時間でしたねぇ。
要は、夜に新聞の集金来たからとドア開けて金払った後、部屋に戻ってパソコンいじっていたら蚊が飛来した。
そこで蚊取り線香焚いて頑張りました、と。
「やつ」なんて書くと、妙にミステリーチックになるから不思議だ。
ただの蚊なのに。
因みに。
各ブロックとも6行にまとまっているのだが、気づいてくれる人はいるだろうか・・・・。


2日
Perfume

香水である。
職場の俺の席は通路側にある為、後ろをよく人が行き来する。
いつもではないが、時折人が通り抜けた後ふわっと残り香が鼻先を掠めていく。
甘すぎない、女性物の淡い香り。
オレンジのフレッシュな香り。
少しクールな感じの香り。
どれもゆったりとした感じを与える。

香水は昔、あまり風呂を使わないから生じる体臭を隠すために、発達したものである。
当然、贅沢品となる。
また、香りといえば焚きしめるものもある。
数時間かけて、着物や髪の毛に香りを移す。
香を焚きしめた香りも香水同様、それが洗い流されるまで割と長く続く。

本日俺も、珍しく香りを纏っていった。
夏に馴染みの深い香りである。
焚きしめられ、鞄にもしっかり香りは移っている。
・・・ええ、まぁ蚊取り線香の匂いですよ。
あれは「香り」といえるかどうか、微妙ですが。
昨日散々部屋の中締め切って、焚き込んだからなぁ。
部屋にある物全てに染み込んでるだろう、俺自身も含めて。
蚊除けにはなるが、一体いつ頃匂い、飛ぶかな。


3日
あれは反則技

「技」といっても、プロレス等の実技ではないので悪しからず。

例によって例の如く、昼休みにネットを見ていた時のこと。
某サイト(The Placesからリンク貼らせてもらっている人が複数名出没・管理しているサイト。リンクは貼っていません)をふらりと訪れた。
最近書き込みもして無いなぁ、なんて思いつつBBSとChatを見る。
BBSでは「映画」なんてのが話題になっていたようだ。
ほほう、やはり公開されたばかりの「MATRIX Reroaded」が話題になっているなぁ。
そんな感じで次にChatを見る。
Chatの方は最近既に伝言板と化しているようで、数行ずつの書き込みとなっている。
BBSのMATRIX話題が引き続き、こちらにも数言書き留められているようだ。

始めにまっさんが「Masarix」と改名(?)しているのに引き続き、あわ氏、Yuko氏がそれに倣ってログを残していた。
ここまでは読みながら大丈夫だった。
その後のログは、淡泊であった故に忘れることは出来ないだろう。
そう、つるる。貴方である。
(Tsururix)。
本人、名の方ではなく本文でそう発言していたが、これは最大のインパクトであった。
密やかな笑いで済むものではなかった。

このログが流れるまで、ここに職場パソコンから来るのは自制しよう。
これで、某サイト(相互リンク済み)と某サイト(新規オープン準備中)に続いて3つ目の自主規制だ。
いやぁだって、サイトは見たいが、見るなら爽快に笑える環境で見るのが一番でしょう?


4日
新たな支障か

本日丑の刻辺りにネットを使っていたのだが、急に接続できなくなった。
立ち上げていたのはIEとメモ帳と、Outlookのみ。
IEの方が404エラーとなる。
うーむ、またパソコンの調子が悪いのかなぁ。
そう思って次なる兵器、Netscape6を立ち上げる。
これで普通に見られるだろう。
・・・と思いきや。
「○○(URL)にアクセス拒否されました」
こんな悲しいメッセージが表示される。
まじかい。
おかしいと思って、本日表示したところと、本日(というか、パソコン再インストールしてから繋いでないサイト)の両方を試してみたのだが、どちらも同じ結果。
どないせいっちゅうねん。
仕方ないので、NN4.73を立ち上げてみる。
こちらでも拒否されたらどうしよう、ていうか、ヘルプ見ても対処方法載ってなかったんだよねぇ。
NN4.73の説明は非常に親切であった。
「サイトが接続できない状態にあるか、サーバーが落ちています。しばらくして繋がらなかった場合、管理者にお問い合わせ下さい」
なるほど。
別にPCのせいではないのだな。
一応確認と思いメーラーに「工事のお知らせ」等入っていないか確かめる。
・・・・特にサーバー停止については書かれていないな。
IE等のブラウザでサイトが見られないなら、きっとメールの方も使えないんだろうなぁ。
ものは試し、とメーラーの送受信ボタンを押す。
正常に送受信しているし。
んー?
これは単にメール以外のサーバーの方がダウンしただけなのだろうか。
もしも本当にそうならば、このプロバイダー、大丈夫だろうか。
単に一時的なものならよいのだが。

家に帰ってから早速ネットに繋ぐ。
回線切れることもなく、速度が落ちることもなく快適につながった。
どうやら本当に一時的なものだったらしい。
一安心だ。


5日
Counter

入り口のところで、「ご来場何人目」と数えているあれである。
本日はこれにまつわるお話を一席、いたしましょうか。

Counterといえば、人数を数えるだけが役目では無い。
その「数」に重きを置くこともある。
1000の様にキリが良かったり、2222の様にぞろ目であったりすれば何となく目出度い。
それを祝して、キリ番制度を行っているサイトもある。
ときには「こじつけキリ番」なるものもあり、19350であれば、「戦、GO!」と読んだり、3636であれば「寒々」と読んだりし、これを讃えてキリ番名簿に登録されたりもする。
俺もその昔は、あれこれとこじつけを狙ったものだった。
キリ番制度が設けられていると、そのサイト内部の更新だけでなく、「キリ番」を得ることに楽しみを見いだすことも出来る。

さて、そんなキリ番制度。
サイト開設当時、附けようかどうしようか迷った。
そして今も迷っている。
迷う理由はただ1点。
「カウンターの回り少ないのに、そんなのつけても意味無いのでは?」
である。
まぁ、己が広報活動に勤しまないのが8割方の原因なんだけどねぇ。

それはさておき。
長々と書いておいてなんだが、今回の主題は「キリ番制度」ではない。
あくまでも「Counter」である。

仕切直して「Counter」。
では、何が問題なのか。

事の発端は、ある人のキリ番報告であった。
彼の人は、その昔巷で「ニアピン王」と呼ばれるほど、キリ番を逃す人であった(5割方誇張あり)。
だが、彼の人はうちのサイトでは良く、キリ番を踏むらしい。
そのときも「ここでは良く踏む」と、ログを残していた。
まめに来訪してくれていることに感謝すると同時に、不可解な事に気が付いた。
更新作業をするためにネットに繋いでた俺も、同番号を踏んでいたのである。
これは、Counterの設定の為せる技か。
このときのCounterの設定は、「3時間以上経たないと、同一IP(だったはず)の人はリロード出来ない(つまりリロード防止仕様)」になっていた。
もしや、この仕様が弊害となっているのか。
そう思って、丁度更新している最中であったため、設定を変えた。
今度の仕様は「リロード可」である。
これで番号の重複という事由は防げるであろう。
そう楽観視して、更新作業を終えた。
だがそれは、直ぐさま悲劇を引き起こしたのであった。

いつものように、updateしたあと、確かめ作業をしていた時のことである。
回って回って回ってまわ〜るぅ〜♪
からりころりと、すごい勢いでカウンターが転がる。
サイト構成の都合上、Topページに全て繋がるように作ってあるので、その勢いといったら坂道を転げ落ちているようである。
Topページを読み込む度にからり、一つ回転する。
ある一度など、ブラウザの「戻る」ボタンにまで反応したくらいであった。
その様、いと恐ろし。
何が恐ろしいって、このままでは自分がCounterの8割方を回してしまいそうなことがである。
確認作業をするだけで、一ヶ月分のCounterを回したような錯覚に陥ってしまった。

つ、次の更新作業をするときには、確認作業も含めて全て終わってからネットに繋ぐ事にしよう・・・・。


6日
ゆるゆると

だらだら寝ていました。
最近は、「夏」といいながらも梅雨気候が続いているせいか、過ごしやすい。
いっそ梅雨が明けなければ良いのに。


7日
攻防戦(1日日記)、続報

夏の空飛ぶ悪魔、蚊の続報である。
5日、姉が夜中に急に起き出し、キンカンを塗り始めた。
「蚊に刺された」
どうやら1日の日に仕留め損ねたやつが未だ生きていたらしい。
それから2日経ち、本日夕食時に目の前を横切るものがあった。
またしても蚊、である。
全員に動かないよう号令をかけ、ふらりと飛びゆく蚊の軌跡を目で追っていく。

そこだ。
狙いを定めて両手を一気にバシリと合わせる。
一部の隙間もなく合わせられた両手をそっと開く。
動かなくなった蚊が、そこにはあった。
血の形跡は何処にもなく、どうやら腹が減って再びふらりと現れたようであった。
勝った。
こうして、7日間に渡る攻防戦は幕を閉じたのである。

・・・というか実際は、ヤツが目の前を横切るまで、その存在自体忘れてたんだけどな。


8日
カラオケ

送別会があったので、顔を出してみた。
最初っから、持ち込み・飲食可能のカラオケルームである。
大半が話していたような気がするが、それはさておき。

残り一時間程でようやく歌い始める。
今回、Under-30+αだったらしいが、明らかにボーダーちょい上が大半だったよーな気がする。
何せ、選曲が・・・・。

ただでさえこの時代の流行の歌なんて知らない俺。
10年一昔、というが、一昔前の歌なんて勿論、殆どしらん。
歌が出された年代見ると、80年代後半から90年代前半が主流。
無論殆ど知らなかった。
ましてや70年代後半に至っては、俺未だ存在してないし。
ジェネレーションギャップを感じたねぇ。


9日
週中

未だ週の中日だと言うのに非常に疲れていた記憶がある。
ヤツが遊びに行ってるせいかねぇ。
うらやましいぜ、北海道旅行中の姉よ。


10日
時計

「このぐらいの時計ならいいんじゃない」
母がチラシに載っていた時計を見せた。
どうも前に俺が
「新しい腕時計ほしいんだよねぇ。見ているけどなかなか気に入ったのがなくて」
と言っていたのを気に留めていてくれたらしい。
チラシを見ると、なかなか安くエコドライブの時計が載っている。
だが、前に現品を見て、
「これなら別に今使っているのでいいや」
と思ったものなので却下した。
「あら、買ってあげようと思ったのに。でも気に入らないのなら使わないわよね」
母はそう返した。
少々「買ってくれる」という言葉に惹かれた(現金である)のだが、確かに気に入ったものでないとそんなに使わなくなるので買ってもしょうがない。

俺の好みとしては、
・秒針がある
・ローマ数字で全てに数字が振ってある
・文字盤がある程度大きく見やすい
・金属のバンド(今が皮バンドのため)
という条件が満たせれば十分なのであるが、これが殆ど無い。
まぁ、気長に探すか。


2003.July
蚊取りの季節、7月

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