Top>>>Livly>>>
バウンス書く語り記
<バウンス書く語り記 28>
<<< back  Livly  next >>>
<お墓> 2007.03.05

もうどのくらいの間、葉流に会っていないでしょうか。
前に一緒に放浪しに行ったのは、随分昔のような気がします。

葉流の顔を見なくなってから、僕は何度か家出をしていました。
家出先では、見知らぬ人に色々と親切にしてもらいました。
親切にしてもらったのは嬉しかったけど、やっぱりさびしくなってしまい、島に戻ってきてしまいました。
でも、葉流は姿を見せてくれませんでした。
そんな風にして一人で何週間かを過ごしていました。

葉流、今日も来ないのかなぁ・・・。
お腹が空いてきてしまいました。
それに、なんだか眠くなってきました。
悲しい気持ちと、お腹の減りなどをごまかす為に、いつものようにぴょんぴょんと飛び跳ねようと思いました。
でも、体もだんだんと動かなくなってきました。

このまま葉流に会えないままなのでしょうか。
・・・さびしいです。
あんな飼い主だったけど、それなりに良いところもあったのですよね・・・。

もう一度、葉流に会いたいなぁ。

僕の意識は、ゆっくりと暗くなっていきました。
そして、僕はお墓になりました。



葉流「最近来てなかったけどバウンス大丈夫かなぁ」
葉流「バウンス?」


白い雪島の真ん中にぽつんと立ったお墓。
リヴリーの名前部分には「バウンス」と書かれているはずなのに、「リヴリーはいません」の文字。

葉流「バウンス・・・」
葉流「・・・ごめん」


お墓になったバウンス。
残された葉流。

後悔と共に次回に続く。


バウンス書く語り記
お墓


<<< back  Livly  next >>>