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No.08 <玻璃> 2003.11.20
ぼんやりとした空間に
ひとつ
ぽかりと浮かぶ玻璃の玉

大きくもなく
小さくもない
不思議な大きさの球体

一辺の継ぎ目もない
その球体は
角度によって
厚い硝子で出来ているのか
氷薄のようなものなのか
判別が付かない

完全な
一点の曇りのない
完璧な玻璃の玉

何かを写しているのか
何も写していないのか
その不思議な表面に手を伸ばす

指先が表面に触れる寸前
躊躇した
触れれば 壊れるのではないか
心に迷いが生じる

この完全な美しい球体を壊してしまうのが
怖い
だが完全性を愛しく思うと同時に
完膚無きまでに破壊したくなる

完璧でないからこそ
完全なものに惹かれる

相反する心を
映し出すかのような 玻璃


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硝子


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