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クリントン大統領のあらたな核政策指令

『ワシントン・ポスト』1997年12月7日号
記事 ジェフリー・スミス
(部分のみ)


 複数の政府高官によると、先月クリントン大統領は、アメリカの核兵器の攻撃目標設定にかんする新しい指針を打ち出した。これは、軍部は世界を破滅させかねない長期核戦争に勝利する準備を整えなければならない、といった冷戦時代の公式見解を破棄するものである。

 これら政府高官によれば、国防長官と統合参謀本部議長にむけたクリントン大統領の新指令は、従来のものに代えて、単純に壊滅的反撃の威嚇を与えることによって米軍や同盟国に対する核兵器の使用を抑止することをアメリカの核戦力の目標として課し、あらゆる長期核戦争計画をやめるよう求めている。

 同筋によると、高度の機密とされるこの大統領指令は、1981年にロナルド・レーガン大統領が承認した指令に代わるもので、大規模な核兵器の応酬で勝利する国はないと公式に認めた大統領レベルの核攻撃目標設定指針としては冷戦後はじめてのものである。

 しかし、この指令は、アメリカの戦争立案者に対し、ロシアの軍部と文民の指導部および核戦力にたいする核攻撃という長年の選択肢は維持するよう命じている。このような計画は、アメリカ政府がロシア政府にたいし、来年2億4200万ドルの対外援助を提案しているにもかかわらず、双方がいぜん潜在的な核の脅威をおよぼし合っているという、両国の軍当局者のあいだに広く見られる見解を反映したものである。

 いくつかの情報によると、指令文の言いまわしは、ありそうもない中国との核の応酬のさいに攻撃を加えうる地点のリストを広げることを目標立案者を許している。さらにこれらの情報筋によると、指令の言いまわし、敵が化学・生物兵器を使って攻撃した後ならばアメリカ核攻撃を認める、との内容が含まれている。この考え方は、独立した軍備管理問題専門家たちのあいだで激論が交わされてきた点である。

 この大統領決定は、アメリカの核兵器の標的設定にかんする大統領の政策を、この16年間ではじめて公式に調整するものであり、長期戦に備えた貯蔵核兵器の量をより減らすことで核兵器総数をさらに削減する道を開きうるもの、と数名の政府高官は述べている。

 しかし、この指令は、アメリカの戦略核兵器を瞬時の通告でいつでも使用できるようにしておくという軍部の努力の点では、変化よりその継続の方を反映している、と彼らは付け加えている。この軍部の仕事には、毎年推定330億ドルの費用がかかる。

 大統領特別補佐官兼国家安全保障会議国防政策上席部長のロバート・G・ベルによると、この文書により、たとえば、アメリカは自国の安全保障のかなめ石として「無期限の将来」にわたり核兵器に依存しつづけること、また、爆撃機、地上配備ミサイル、潜水艦配備ミサイルからなる核戦力の三本柱を維持することが確認されている。

 アメリカの核政策の批評家たちは、政府がフランスの例にならうことを検討するよう提案をおこなってきた。フランスは、敵の攻撃に弱い地上配備戦略ミサイル戦力を放棄した。その理由は、一つには資金の節約にあるが、もう一つには、こうしたミサイルにたいする敵からの先制攻撃の誘因をなくすことがあった。フランスとイギリスはもっぱら、抑止を目的とした核兵器搭載爆撃機と潜水艦に依存している。
いくつかの情報によれば、非公式にはPDDとして知られる大統領決定指令は、ごく限られた上級の政策者グループによって作成され、その数は24人ほどにすぎず、国家安全保障会議、国防総省、統合参謀本部、中央情報局(CIA)、国務省、ゴア副大統領事務室のメンバーで構成されている、という。

 これらの高官によると、この文書は、大まかな標的設定政策のみを定めたものであり、特定の標的攻撃の準備といったより具体的な軍事的必要条件は、今後10カ月をかけて書き換えがおこなわれるという。この作業は、オマハに本部を置く戦略空軍司令部(STRATCOM)軍事スタッフによっておこなわれる。

 彼らによれば、この指令の起草中心者は、国際安全保障担当国防次官補代理フランクリン・ミラーである。彼は、1981年以来国防総省で核兵器問題を担当してきたはえぬきの高官である。文書を準備する過程で、立案者たちは、核兵器の設計・製造を担当するエネルギー省や、軍備管理軍縮局(ACDA)のジョン・D・ホラム局長といった軍備管理軍縮局高官らとの協議はおこなっていない。ホラム局長とは、クリントン大統領により軍備管理・国際安全保障問題担当国務次官補に指名された人物である。

 ベル氏は、金曜日(訳注:1997年12月5日)のインタビューで、この指令文の長さ、署名の日付、公式タイトルにかんする具体的コメントを拒否した。また、アメリカの核兵器の標的として名指しされた国にかんする応答もさけた。彼は、指令が最高度の国家機密にかかわるものであることから秘密審議は正当なものでありで、政府による指令の公表も、外国政府との協議も計画されていない、と述べた。彼は、ホワイトハウスがコメントに同意した理由は、もっぱらワシントン・ポスト紙がこの指令にかんする記事を準備していたからにすぎない、と言っている。

 ベル氏は、「大統領指令は、米国核兵器がはたす目的を一般的な形でのべたものであり、わが国の核戦力のために実際の作戦計画と標的設定計画を作成する軍部立案者にむけた大まかな指針を提供するものである」と語った。「[なぜなら]われわれは冷戦の終りにあり」、過去7年間にロシアをはじめとする地域で多くの変化が起きたため、「いまや核兵器は、核時代のどの時期とくらべても、われわれの核安全保障戦略においてはたす役割が軽くなっていることを認めたものである」とベル氏は述べた。

 同氏は、メモを読みながら、「もっとも注目にあたいする点は、このPDDが、核戦争を成功裏に遂行することができるとか、核戦争で勝利するといった以前の言及をすべて大統領の指針から取り除いたことである。…したがって、このPDDにおいては、すべての段階において核戦争あるいは核兵器使用を抑止すること、核兵器で戦わないことに重点がおかれている」と述べた。

 同時にベル氏は、「核兵器はもはや価値がないとか、現政権における重要問題ではないするのは、間違いであろう」と付け加えた。核兵器は、「確実で、圧倒的で、壊滅的」な対応という威嚇を通じて「侵略と脅迫」を抑止するために、いまも必要とされている。同氏は、この指令によりアメリカは、攻撃警報を受けた後、ただし、飛来する弾頭が爆発するまえに、〔核〕兵器の発射をおこなうこと、および紛争のなかでは核兵器を先に使用することをひきつづき認められている、と指摘した。

(以下略) 

By R. Jeffrey Smith
Copyright 1997 The Washington Post Company



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