調子が悪いと訪ねるクリニックの主治医は、優しく親切な男の先生である。このクリニックで二年ほど前から自動血圧測定器を使い始めた。
先生に ”器械はうそをつくから測定結果を信じてはいけない、今までどうり看護婦さんが手で測らなければいけない" と主張してきた。
看護婦さんが手を取り、顔色や言葉遣い、様子を観ることに大きな意味があると思っているからである。便利だから、経済的だからとの理由で機械化することは人間の五感を
ないがしろにする愚かな行為だと信じている。先生も近頃はうるさく感じるのか自動測定の後に先生自身が手を取って測ってくれるようになった。ちょっぴりでも云うことを感じてくれたのかと思うが、
先生が測るのでは意味が無い。
