Sandbox概略

 1998年の夏当初、Sandboxのメンバーは、奥野美果を講師とする、彩グラススタジオで開かれているサンドキャスト技法を学ぶ講座に集まった受講生にすぎなかった。
 しかし、そこに集まったのは、20歳代〜30歳代を中心にした、ガラス作家を目指す学生、または、既に他の技法や分野で作家として制作している者達であったこともあり、サンドキャストにより生まれる独特の存在感、かたまりとしての硝子の中に広がる神秘的な空間に、それぞれの感性で、魅入られていった。
 1999年の夏頃から、講座という枠を越えて、サンドキャストで、制作してきた作品を発表し、サンドキャストやグラスアートというものを広めていきたいと考えるようになっていき、2000年より、グループ名を”Sandbox”と名付け、活動を開始した。
現在でも、サンドキャストを主とした制作活動をしている作家は大変少なく、Sandboxは、日本で唯一のサンドキャストグループである。
2000年・2001年に、目黒区美術館区民ギャラリーに於いて開催した、グループ展「カタマリガラス展」では、普段一般の方々にはあまり目に触れることのないかたまりのガラスの作品が、多くの反響を呼んだ。
また、2001年には、アメリカ・NY州コーニングでのGASカンファレンスに参加し
て、作品集の展示など、PRにも励んだ。その結果、2002年の、オランダ・アムステルダムで開催された、第32回グラスアートソサエティーのカンファレンスに於いて、公式デモンストレーターとして招待された。また、カンファレンスにあわせ、3回目のグループ展、「KA TA MA RI Glass - solid glass- in Amsterdam」をアムステルダム、ヘーリット・リートフェルトアカデミーで開催した。
アムステルダムの展覧会およびデモンストレーションが好評を得、ドイツ、カナダ、オーストラリア・ポルトガルなどから展覧会・デモンストレーション・ワークショップをしないかと多数声がかかった。
 2002年の9月には、ポルトガルの電気炉会社Barrach Ldaの招待を受け、1ヶ月間Sandboxのメンバー7人が展覧会・ワークショップをしながら滞在した。
 2003年の6月にはカルダス・デ・ライナの美術館Museu de Jose Malhoaでの展覧会、そしてBarrach Ldaでのワークショップが決定している。さらに、2004年の春にオーストラリアで展覧会および、ワークショップを行わないかと声がかかっている。

Sandboxは個々の作品の発表にとどまらず、ガラスアート全般を広く一般の人々に認識してもらうためにも、今後活動をつづけていきたいと考えている。


(Sandbox:砂場、砂箱の意味。サンドキャストは、木箱や、金属の缶に砂を入れ、
まるで、お砂場あそびをするかのように、砂型を作ることから、名付けた。)
          

メンバー

あういえお順

石橋英子
伊藤岳
奥野美果
佐藤良子
土井朋子
濱舘寛
福高新作
本間ひとみ
村木未緒
山崎惠理子


Sandboxの略歴

1999
Sandbox設立
伊藤賢治主宰、彩グラススタジオの奥野美果講師サンドキャスト講座
の講座生がサンドキャスト技法を中心にしたアートガラスの展覧会の開催、サンドキャストおよびアートガラスの普及をするべく設立。
2000.5
「カタマリガラス」 目黒区美術館区民ギャラリー 目黒 
 ビデオ 「カタマリガラス」制作
2001.5
「カタマリガラスII」 目黒区美術館区民ギャラリー 目黒 
 ビデオ 「カタマリガラス2」制作
2002.5
「KA TA MA RI Glass - solid glass- in Amsterdam」
 ヘーリット・リートフェルトアカデミー アムステルダム オランダ
2002.6.1
第32回グラスアートソサエティー・コンフェレンス 公式デモンスト
レーター アムステルダム オランダ
2002.9
サンドキャスト ワークショップ Barracha Ldaの工場にて。ナザレ ポルトガル
第2回国際ガラス展(展示、デモンストレーション)マリナグランデ ポルトガル
第3回カルダス・デ・ライナ アートフェアー(展示、デモンストレーション) カルダス・デ・ライナ ポルトガル
サンドキャストのテキスト 「A Sand Casting Manual by Sandbox」著