ウブドでの滞在は、カユマニス・ウブド・プライベートヴィラ。ヴィラはたったの9室のみで、24時間バトラーサービス付き。部屋数は少なくとも、スタッフの数は多く、敷地内では極上の微笑みで名前を呼んで挨拶してくれる。
 17歳未満の宿泊お断りで、静かな時間がゆったりと流れる・・・といいたいところだが、けたたましい鶏の鳴き声と、目覚まし時計のようなヤモリの声にしばしば驚かされる。
 写真は、ヴィラ入口に飾られた花。
 ヴィラのプライベートプールとリビングルーム。滞在中、このリビングスペースでバリニーズマッサージを受けたり、本を読んだり。
 リビングルームの左手がキッチンになっていて、食事は一旦、ここに運んで、サーブされる。
 ソファーの前のテーブルに飾られた、フランジパニの花の香りが常に漂っているが、なぜか夕闇の濃くなる頃から一層強く香る気がする。
 フルーツとシナモンクッキー、それから冷蔵庫の中の飲み物は無料サービス。ちなみにホテルの名前のカユマニスはシナモンの意味らしく、あちこちにシナモンが使われている。
 南国の日差しに負けないように、ビタミン補給。芳醇なフルーツをほおばる。
 ベッドルームの中央には、綾夏の大好きなお姫様みたいなベッド。「ママ、すっごーい」と言わせてみたかったけど、12歳の綾夏はまだこのホテルには泊まれないね。

 1つのヴィラの面積は300uで、ベッドルームもゆったり。
 オープンエアのバスルーム。朝には、小鳥の声を聞きながらのバスタイム。
 夜には、キャンドルを灯して、持参のマンダリンのエッセンシャルオイルでアロマバス。
 ホテルのレストラン。食事はレストランでとることも、ヴィラでとることもOK..。眼下には、無数の命を抱えたジャングルが広がる。

 滞在、3日目の夕方にこのレストランで、ホテル主催のカクテルパーティーがあり、その後、スペシャルディナーを予約していたのに、夫がカクテルパーティーの途中、急に腹痛と高熱で倒れ、ホテルスタッフに抱きかかえられて、部屋へ。ドクターの往診を頼むというハプニングも。多分、原因は昼間、街のスパでエステの後に出されたマンゴーアイスクリーム。男は大人になってもお腹が弱い。
 ホテルの敷地内を散歩。裏手に広がる美しい水田。
ウブドは標高600メートル。バリでは、山は神々の聖地だという。
 仕事が忙しい一年だった。心身ともに疲れて、愚痴を言うことが多くなり、そんな自分に余計疲れていた。ここにきて、深呼吸をしていると、細胞の一つ一つが息を吹き返すような気がする。
 精霊も、亡くなった人たちも、私も、命の森の中で同じ空間に今在るような気がする。
 ホテルの敷地内を流れる川の流れを眺める。
 急に緑が揺らいで鳥が飛びたつ。川面には魚の背の影。蜜で満腹の黒い蝶はゆらゆらと遊ぶ。
 私が満員電車に揺られているときも、パソコンの画面をにらんでいるときも、ここでは、毎日毎日、こんな光景。