「僕とあたしの未来 12 〜始まる?の巻〜」



あ、また今日も近づいてくる。地獄耳なわけじゃないけど、下の階からのぼってくる
その足音が、オレの耳にはしっかり聴こえてくる。
♪ぴんぽん♪来た!

「はい!」
インターフォンにも出ずに、勢いよくドアを開けると、ごつんという鈍い音が・・・。

「いったぁ!!ちょっとあんた!なんでそんな勢いでドア開けんのよ?!おでこ内出血
 したよ?!今の絶対!」
「すみません・・・」

いっつも謝ってばっかのオレ。なんで??

「今日は何か・・・?」

おそるおそるたずねてみる。

「別に今日は踊ってもいないし、騒いでもいないし・・・なんで?」
「用がなきゃ来ちゃいけないわけ?」
「いや、全然かまいません・・・」
「なんて、用がないわけがないでしょ?あんたのとこに来んのに」

じゃなくてさぁ・・・もうちょっと優しい答え方できねぇかなぁ?

「ほら、これ。まちがってうちに届いてた」

そう言って、下の階のおねーさんは、一通のハガキを差し出した。

「おー、中学のクラス会かぁ!」
「で?どーすんの?出んの?」
「ちょっと人のハガキしっかり見たんすか?!」
「この差出人、元カノでしょ?」
「・・・なんでそれを・・・」
「やっぱそーなんだ??アハハッ♪」

しまった・・・誘導尋問に引っかかった!!(>_<)

「久しぶりだから出ようかなぁ☆」
「そうそう、彼女にも会えるしね?」
「ね?・・・じゃなくて!」

なんなんだ、おねーさんのこのノリは。

「ちょっとさー、ここ寒いんだけど?」
「はい?」
「あんたさ、今彼女いないでしょ?」
「は?」
「そういうとこ、ツメが甘いのよ!ふつうさぁ、ここ寒いですから
 中どうぞ、とか言うでしょー?!」
「ハガキ届けてくれただけですよね??」
「おじゃましまーす」

じゃなくてぇ!!(-_-;)

「あれ、いいにおい・・・ごめんねぇ、お昼作ってるとこだったんだ?」
「・・・食べます?」

って、言うしかねーじゃんよ?

「あ、こないだのペペロン、ちょっと薄味だったけど、なかなかのお味だったよ♪」
「でしょ?でしょ?」
「君、けっこう料理のセンスあるよね?」

あ・・・おねーさん、今『君』っつった。『あんた』から『君』に格上げ??
ぃやったじゃんっ♪

「あ、こないだのお皿、持ってくんの忘れた。今度持ってくるね」
「はい」

って、また来る気満々じゃん?!?

「今日はなに?」
「えっとねー、今日はねー、超カンタンシーフードパスタ」
「超おしゃれじゃん!これならイタリアン行かなくてもいいよね?」
「そーそー」

って、ちげーよ!!(=_=)オレも誰かみたいに、インテリ&スタイリッシュにキメて、
イタリアンに女の子連れて行きてぇよぉー。(T_T)

「おいし〜☆」
「おい!勝手に食うなっつの!オレの分残しとけよぉ!?!」

あ?オレ今、おねーさんにタメ口・・・。おねーさんが食べる手を止めた・・・。
やべぇ・・・。

「ちょっと君?」
「はいっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさーーーーーい!!」
「やっと敬語じゃなくなったね」
「???」
「あたし、君と大して年変わんないと思うんだけど?いっつもおねーさんおねーさん
 って、なんかすんごく年上みたいじゃない」
「え、気にしてたんだ?」
「気になる」
「なんで?」
「・・・・・・・」
「ね、なんで??なんでぇ?????」
「もういい」

そう言っておねーさん、いや、君はうつむいた。その横顔はものすごく照れ臭そうで、
ほっぺたどころか耳まで赤くなってた。

「ほら、早くしないと全部食べちゃうよ?」
「待って!食べるから!オレの分取っといてぇぇーーーーー!!」

せっかくちょっとかわいいと思ったとこだったのになぁ。(=_=)
パスタを争奪しながら、君が笑った。
やっぱかわいいかもしんない。これは・・・なんか始まる?る?(^^ゞ







絶対BGM : 「じゃなくて」 by 相葉雅紀


勝手にすぺしゃるさんくす : 「じゃなくて」の相葉さん☆彡