「僕とあたしの未来 16」



休みの日なのに、まだまさきは寝てる。朝ごはんの片付け、あたしの当番なんだから、
早く起きてくれないと困るのよ!!

どんどんどん!!と階段を上がり、ガチャッとドアを開けようと思ったけど、
一応ノックをする。
返事がないので、もれなくそのまま開ける。

「ちょっと、まさき!!早く起きなさいよ?!」
まだ返事がない。しかも枕に足を乗っけて、180°さかさまになったまま、
頭までふとんかぶって寝てる。

「こらぁー!!早く起きろぉーーーーーーっ!!」と、ふとんをひっぺがしたら・・・
まさきじゃないヤツが・・・あろうことか、しょーちゃんがまさきのパジャマ着て
寝てた!!(@_@;)

「ねーひゃん、おへ、おひてっへど?(ねーちゃん、オレ、起きてっけど?)」
ハブラシをくわえたまま、まさきが背後から言った。

「ゆうべ、しょーちゃんうちに泊まったじゃん?」ハブラシを口からはずし、
歯磨き粉をくっつけたまま、まさきが言った。

「え?!」
「あ、そっか。遅く帰ってきたからさぁ、ねーちゃんこたつで爆睡してて気づかなかったんだ?
 よだれたらして寝てたとこ、しょーちゃんに見られちゃったねぇ?アハハ!!(爆)」
「よだれたらしてた?!あたしっ!!」と、焦りまくる。
「白目むいてたし」
「うっそ?!?!」
「そんな姿見ちゃったら、しょーちゃんも一気に冷めちゃうよねぇ?かわいそ」
「うそ?!ウソでしょ?!ちょっとまさきぃぃぃーーーー!!」
あたしはまさきの腕をつかんで、ぐいぐい引っ張り、首をガクガクさせた。

「ウソですよ」と、むくっと起き上がりながらしょーちゃんが言った。
「おはよーございます。すみません、ずうずうしく泊まっちゃって」
ちょこっとはねた髪を整えながら、しょーちゃんは言った。
「おねーさん、幸せそうな顔して寝てました♪」

よかったぁ☆と思いつつ、あたしは言葉が出ない。

「ちょっとしょーちゃん、よだれたらしたことにしとけばよかったじゃん!」
「まさきはよけいなこと言わないでよ?!」
「だって・・・せっかく幸せそうなかわいい顔して寝てたのに、そんなウソつきたく
 ないですよ」

今、しょーちゃん、なんて言った??ワンモアプリーズ。はい???

「とってもかわいかったです☆」
あたしの希望に応えるかのように、しょーちゃんは言った。

その場にへらへらと座り込むあたし。

「また貧血ですか?」と、手を貸そうとするしょーちゃん。
「いえ、おかまいなく・・・」と、手を振るのがせいいっぱいだった。

「それにしても・・・180°回転するってすごいね(^_^;)」思わずあたしは言ってしまった。
「いえ、これはまだマシな方で・・・」

は?それはどういう??

「ねーちゃん知らねーからなぁ・・・」と、まさきが目線をそらしながら言った。
「去年の夏、こいつと二人旅で千葉に一泊したことあったろ?そん時すごかった!!」
「まさき、それは・・・」しーっ!とひとさし指を立てながら、しょーちゃんは言った。
「わかった、しょーちゃんのメンツ立てて、黙っとく」うなずくまさき。
「ちょっとー!!なんなのよぅー?!???」

あたしだけつまはじき。そんなのつまんない・・・。(T_T)

「じゃ、ミニ情報ね?」と、まさきがあたしに耳打ちした。
「??グラビア状態??ってなに?????」
「あとはねーちゃん、自分で考えて。てか、妄想しといて(爆)」
「なに?!?????」

あたしはまさきを見た。そしてその後、目を合わせるのが恥ずかしいのに、
あえてしょーちゃんを見た。
しょーちゃんは・・・目線をそらした・・・!!

「ねーちゃんも、夏一緒に旅行してみればわかるからさ、今年は一緒に行けば??」
「誰と?!」
「あ、ねーちゃん今、しょーちゃんとあたしで旅行行くの?!って思っただろ?
 しょーがねーなー、そーゆーことばっか考えてっから(笑)」
「違うってばっ!!」
「僕はかまいませんけど?」
「どうしてそういうこと言うの?!\(◎o◎)/)」
「じゃ、とりあえず今年の夏はぁ、3人で旅行ね?」

ハァ・・・こんなんであたし、夏まで持つんだろうか?

「あ、まさき、パジャマありがと」

そ、その場で脱ぐなぁぁっ!!!!!(@_@;)

あたしはあわてて後ろを向いて、部屋を出た。
階段をころげ落ちるんじゃないかってハラハラしながら、台所に行って、パートに出る前
お母さんが用意しておいてくれた朝食を、テーブルに並べた。

階段をたんたんたんと下りてくる音。
その後からダダダダダッという音。どっちがしょーちゃんでどっちがまさきの足音か、
歴然としてる。

食卓を囲んで3人で食べる光景は、なんだか不思議だった。
おいしそうに食べる姿と笑顔は、あたしの心をよけい幸せにする。

「ねーちゃん、なに見とれちゃってんの?」必ずまさきがつっこみを入れる。
「そんなに見られてたら、しょーちゃん食いづらいってよ?」
「別にそんな・・・」「そんなことないです!」と、あたしとしょーちゃんは、ほぼ同時に
言ってしまった。

そんなことない・・・だって・・・・・・このままイスごとぶっ倒れそう・・・。

「どーでもいーけど、お茶くれる?」
「自分でいれれば?」
「すみません、僕もお茶いただきます☆」
「はいっ♪」
「なんなんだよーっ?!その態度の違い!!」

態度が違うのは当たり前です。(=_=)

「ごちそうさまでした」と、しょーちゃんは手を合わせながら言った。
お母さんが作っただけで、あたしが作ったわけじゃないのに、きれいに完食してくれて、
ものすごくうれしい気持ちになった。
こういうさりげない気のつかい方ができるとこも、惹かれる理由のひとつかもしれない。
なんて自己確認してたら、やたら恥ずかしくなった。

「ねーちゃん、またしょーちゃん見つめちゃって、赤くなってる」
半ば呆れたように、まさきが言った。
「あ、あまりにまさきと違うから!」と、あたしはわけわかんない答えをした。

過去がなければ今はないし、今がなければ明日もない。
この瞬間のひとつひとつが、とっても大切だって思える。
おんなじようなことを考えてくれてたらうれしいな、って素直に思いながら、
後片付けを始めたら、「僕手伝います」と言って、しょーちゃんが立ち上がった。

さすがしょーちゃん♪(*^_^*)

「オレはお邪魔しない方がいいみたいね?」と、まさきが逃げた。

ちょっとまさきー!!あんたも手伝いなさい!!(^_^;)








勝手にすぺしゃるさんくす : 「俺の千葉」の相葉さん、櫻井さん & 櫻井さんの寝顔(*^_^*)