「僕とあたしの未来 24」



またドデカいミスをやらかした。そんなにひどい怒られ方しなかった分、
よけいに響いてくる。
自分の中で何度も反芻して堪えようと思ったけど、できずにオフィスを飛び出した。
心拍数がどんどん上がっていくのも気にせずに、階段を一気に駆け上がって、
屋上に出た。

ここからは都会の喧騒も、風の音のようにしか聴こえず、ケバケバしいネオンも
光の渦に巻き込まれてく。
ビル郡の向こうに、ひとつひとつがあたたかく灯る無数の点は、まるで星屑のようだ。
あの中に、君の星も光ってるんだな。
都会のくすんだ空じゃ、星なんてほとんど見えないのに、ここには別の宇宙がある。

遠くに電車が走ってく。あの電車に乗ってまっすぐ行けば、君の住む町まで届く。
この空をたどれば、いつか君の空までつながる。
そんなふうに思ったら、涙があふれそうになって、一瞬目の前の光たちがかすんだ。
いますぐにすっ飛んで行きたい気持ちを抑えて、ずっと景色を眺めてた。

決めたんだ、君に恥じない僕であるために。
君に恥じない僕になるために、もう少しここで頑張るって。
でも気持ちだけは、君と同じ歩幅で歩いてる。
そんな大げさなことなんて言わない、言えない。
けどもう少しだけ大きな人間になれたら、いつかもう一度君に会いに行く。

心の中で「待っててほしい」とつぶやいて、深呼吸して、緩んだ涙腺のせいですんすんした
鼻を押さえながら、僕は階段を駆け下りた。







勝手になんとなくBGM :  嵐 「Everything」


勝手にすぺしゃるさんくす : 櫻井翔様☆彡(ToT)/