「僕とあたしの未来 31 〜My First White Day〜」



眠れないはずだったゆうべ。大好きな番組が始まるっていうのに、なぜかテレビの前で
爆睡し、挙句の果てには床に転がって寝てた。(=_=)

「おい、こんなとこで寝てんなよ?!」と、まさきに蹴飛ばされたのが午前1時半。
なのに風邪引かないのは、やっぱりバカだからだろうか?(-_-;)

やっとベッドになだれ込んだら、今度はやけに眠れなくなって、ついに夜が明けてしまった。
目の下、白くまくんじゃなくて、リラックマでもなくて、黒いクマできてない?!
今日は学校終わったら出かけるってのにぃぃーーーー!!(T_T)

メイクはあんまり好きじゃないけど、クマを隠すためにはしかたない。
どうにか仕上げて、リップを塗って、せめてビューラーでカールして、
したくができたら、今度は落ち着いていられない。

しょーちゃんの思わぬ告白で、しょーちゃんとあたしの間柄は、ほんの少しだけ
親しくなった。
うぅん、かなり親しくなったというか・・・タメ口で話すようになったし、
なんと今日は二人で待ち合わせをしてるのだ!
まさきがいない状態で、あたしはしょーちゃんと二人きりでいられるんだろうか?

やっぱりものすごく早く、待ち合わせ場所に着いてしまった。
まだしょーちゃんは来ないよねー、と思ってたら、なんと向こうからしょーちゃんが
走ってきた。

「ごめん・・・遅くなっちゃった・・・」はぁはぁ息を切らしてる。
「てか、あたしが30分も前に着いちゃっただけだよ?遅くなってないよ?!」
「いや、ホントはもっと早く着いてたかったんだ。待たせちゃうのイヤだから」
「しょーちゃん☆」

なんてジェントルマンなの?なんて優しいの?あぁもう例えようがないくらい幸せ☆(倒)

「あ、まずこれ・・・」と言って、あたしはラッピングした包みを取り出した。
「え?僕も持ってきたんだけど?てか、こっちが返す側じゃね?」
「なんかまた作っちゃった・・・(^^ゞ」
「うっそ、また作ったの?それじゃ、交換ね、はい☆」
「・・・・・ちょっとこれ高くなかった?」
「だいじょぶ(^_^)b」

どう見ても高級すぎるスイーツのお返しを、しょーちゃんからいただいてしまった。
あたしのはお金かかってないから、なんだか気が引ける・・・。(-_-;)
なのに、袋を開けたしょーちゃんは、「ホワイトチョコっていいよね☆ありがとう〜♪」って喜んでる。
こっちこそありがとう〜!(ToT)

胸のドキドキが止まらない。頭はクラクラ眩暈がしそう。つないだ手からは汗がにじみ出て、
ものすごく恥ずかしい。(>_<)

「どこ見る?」
「しょーちゃんが見たいとこでいいよ?」
「僕はいいから」
「どうぞどうぞ」
「そちらこそどうぞ」
「じゃ、あたしが」
「じゃ、僕が」

駅ビルの1Fで一連の会話をした後、「ハハハハハ!!」と一緒に笑った。
「ふたりともバッカじゃねー?」って、まさきに言われそう。(^_^;)

「じゃ、まずあそこ見よう」
しょーちゃんが指さした先には、洋服屋さんのアクセサリーコーナーがあった。

「ちょっとこれよくない?」
「うん。かわいい☆」
「サイズぴったり!じゃ、これにしよっか」
「え?」
「すいませーん」
「え??いいよぉー!?!」
「なんで?」
「なんでって高いでしょ?」
「だいじょぶ(^_^)b」

しょーちゃんのだいじょぶと、あたしのだいじょぶには、若干の差がある・・・。

レジで「あ、一応プレゼントなので、なんかラッピングお願いできますか?」って
言ってる。(@_@;)いいってばー!!\(◎o◎)/

ラッピングされたかわいい箱を「はい☆」と渡すしょーちゃん。
「ありがとう・・・」と、あたしは受け取った。

「他どこ見る?」
「あたし、なんかもういっぱい・・・」
「いいの?腹減ってない?」
「そういうんじゃなくて・・・このへんがもういっぱい」

あたしは胸を押さえた。

「えへっ」と微笑まれても、あたしには微笑み返す余裕がない。

「ここ、屋上あったっけ?」
「うん、あるけど」
「じゃ屋上行かね?」
「うん」

最上階まで上がったしょーちゃんとあたしは、屋上へのドアを開けた。
3月といってもやっぱりまだ風は冷たい。

「あんなとこにドームが見えるー!」と、風に吹かれながらあたしは言った。
「あんまりそっちの方まで行くと、下が見えそう・・・」
そう言って、あたしの肩越しに遠くを見てる。

高いとこ弱いんだったっけ?じゃなんでここに来たの?

「さっきのさ・・・」
「え?あのシルバーのリング?」
「うん。ちょっといい?開けてくれる?」
「なんかきれいにラッピングされてるのに、もったいないな・・・」
「開けて?」
「うん」

きれいなリボンをほどいて、そっと包み紙をはがして、箱のふたを開く。
袋からそっとリングを取り出すと、しょーちゃんが手を伸ばした。

「え?」と問い返す暇もなく、しょーちゃんはそのリングを取って、
あたしの右手薬指にそっとはめた。

「左手薬指は取っておいてね」
「う・・・」

あたしは言葉につまった。そのかわり左目から涙がこぼれた。
しょーちゃんの腕がそっとあたしの背中を包んだ。

大人の眼には、きっとマセた高校生に映るんだろう。
でも、あたしは精一杯生きてる。しょーちゃんと一緒に生きてる・・・。

涙を乾かしたくて空を見上げたら、ジェット機が音を遅らせながら飛んでいた。

「あの飛行機どこまで行くのかなぁ?」
「旅に出たくなるね」
「しょーちゃんはどこ行きたい?」
「海外もいいけど、今はきれいな桜を見に行きたいな」
「あたしはしょーちゃんと一緒に見れるなら、どこでも・・・」

顔から火が出そうになるクセに、あたしはそんな言葉を口にしてしまった。
しょーちゃんは照れくさそうに笑った。

「じゃ、今年は一緒にお花見しよう?」
「うん!」

次から次へと、自然に次の約束が決まっていく。幸せ時間の共有の回数は、確実に増えている。
一緒にいたいと思う人と一緒にいられること、当たり前のようで当たり前じゃない、
天文学的確率なできごとだと思う。

この前しょーちゃんとゆびきりげんまんした、言葉を思い返した。

「これからもずっと・・・一緒にいよ?一緒に歩こ?一緒に走ろ?」

一緒にいるよ。一緒に歩くよ。一緒に走るよ。これからもずっと、ね。











勝手にBGM : 「ふたりのカタチ」


勝手にすぺしゃるさんくす : もう口にするのも申し訳ないくらい、櫻井様・・・。