「僕とあたしの未来 37」



君の持ってたオレンジが、袋からころころ転がり出した。
僕はそのひとつをあわてて拾って渡した。
ドラマではありがちな光景。

別々の道を歩いてきた君と僕が、ひとつの点で出逢った、
あの交差点。

あれからいくつもの月日が流れ、桜舞い散り、イチョウは芽吹き、
花水木が咲き始めた舗道。
また君に逢えないかなと、僕は面影探して、幾度も振り返る。

二度と逢えないかもしれないことは、いつかまたどこかで逢えることに等しい。
そう言い聞かせながら、自分のチカラ信じて、僕は今日も歩き出す。