「僕とあたしの未来 38」



 オネガイ あのコをスキにならないで
 祈りにも似た想いが あたしのこころをたえず支配する

 あなたのコトが好きと気づいてしまったあの日から
 目の先もしぐさも笑った顔にも あたしのこころは一喜一憂する

 なんであなたなんだろう
 天文学的な数値を入力して計算しても 一生かかっても
 きっと解けない
 
 オネガイ あのコをそんな顔して見ないで
 バーコードリーダーしか読み取れないような記号なのに
 きっと読めてしまう
 あなたのこころの行き先

 あたしの予感が間違っていますように
 そしていつか 想いがあなたに届きますように



「この曲、歌詞がいいよねぇ」
iPhoneで曲を聴いてたトモダチが言った。
「そう?あたしにはなんか重い・・・しんどくなる・・・」
あたしは答えた。

「それってさ、自分とシンクロしすぎちゃってるからでしょ?」
「・・・そうかもね・・・」


なんであなたなんだろう?あたしだって訊いてみたいよ。
自分に問いかけても、やっぱり答えなんて出ない。
「鍵のかかった部屋」の鍵をなくして、出口見失って、戸惑い続けてる。


て・・・、鍵・・・うちの鍵・・・あたしホントに落とした?!
かばんの中を探しまくっても、覗き込んでも・・・ない・・・・・。


「さっきからなに探してんの?」
「うちの鍵・・・!!」
「もしかしてこれ?」
「え?」

振り返ったら、あなたがあたしのキーホルダーをつまんで立ってた。

「あ・・・」
「そこに落っこってたよ」
「ありがとう・・・」
「落し物に注意、だってさ。今日のおまえの運勢」
「ホント?!」
「ウソ」

あなたはいたずらっぽく笑って、教室を出て行った。
さわやかな風が吹いた気がした。


「あんたってわっかりやす〜い♪」
トモダチが手を叩いて笑った。

あたしも自分でそう思う。
胸しめつけられるくらい苦しかったのに、涙が止まらなくなりそうだったのに。
あなたの声を聴いたら、笑った顔見たら、かごから落ちたスーパーボールみたいに、
気持ちがはずんだ。

そしてやっぱり幸せだった。


なんであなたなんだろう?なんて問う必要はないのかもしれない。
あたしにとってあなたは、神様がくださった特別なたからものなんだ。
なんであなたなんだろう?じゃなくて、きっとあなただったからだ。
あなたじゃなきゃダメなんだ。


「今日なんか食べてく?」って、トモダチが訊くから、
「うん!めっちゃ甘いの食べたい!!」って、あたしは答えた。








勝手にすぺしゃるさんくす : あいこ様、TVガイド誌の櫻井様


勝手にBGM : aiko 「二人」「恋のスーパーボール」