「僕とあたしの未来 46 〜僕の毛布 5〜」



あなたはいつも忙しいけど、ボーナスが出てからこの1ヶ月間、いやこの先もずっと
多忙をきわめてる。
無理を承知でこなしてるだろう、ストレスたまるだろう、なのにあなたは・・・。
交替してあげたくなるけれど、あたしは何にもしてあげられない。涙出る。

この夏も旅行はムリか・・・。いやいや、休みがあるなら休ませてあげたい。
でもあなたは、休みがあればあったでじっとしていないんだよね。(^_^;)

あ、帰ってきた!

「ただいま〜」
「おかえり〜」

口にしないけれど、やっぱり疲れ果てた顔してる。

「どしたぁ?」
ネクタイをゆるめながら、あなたが言った。

「え、なに?」
「なんかあった?」
「別になんもないよ?」
「無理してない?僕にはなんでも話してよ?」
「うん、ありがとう。あなたこそ話してね?」

なんで疲れてるのに、あたしにそんな言葉をかけてくれるの?涙出る。

「あ、バスタブ、お湯ためてあるから」
「こんな暑い日なのに、なんで僕がお湯につかりたいのわかったの?」
「お湯につかってからだもほぐしたいんじゃないかと思って。それに私も半身浴で
 すっきりしたし」
「そっか。ありがとう。じゃ、入ってくる」

あなたが入ってる間に、あたしはカモミールティーを淹れておく。
リラックス&安眠に効果があると知ってから、時々飲むようになった。


「ふぇ〜、あっちー!(-_-;)でもデトックスできたような気がする」
「そう?よかった」
「ところで・・・あれ、なに?」
「あれ、って?」
「バスルームの鏡」
「あ、あぁ、あれ?」

こんなことしかできないと思って、湯気でくもった鏡に、メッセージを
残しておいたんだった。

「鏡に書かれたあの『がんばれ!』の文字は、僕へのエールと受け取ってよろしい
 のでしょうか?」
「え、えぇまぁ・・・自分にも言い聞かせるつもりで書かせていただきました」
「恐れ入ります・・・・・。それでは僕からもエールを・・・」
「???なにそれ?!?!」
「今度の送迎会で、やる出し物。ほら、笑顔を忘れずに〜GO!GO!FIGHT!!」
「だからって、なぜポンポン持ってチアリーダー??」
「一緒にやる?君だって嫌いじゃないでしょ?こういうの」
「確かに嫌いじゃないです。でも会社の送迎会には参加できません。一般の単なる
 主婦ですから」
「ま、ま、この場だけでも・・・?」

ポンポンをひとつずつ持って、腰に手を当て、腕を振り上げ、YEAH〜♪
あなたの、なんでも楽しんでやるという姿勢、心の底から湧き出るウソじゃない笑顔。
その笑顔も、笑い声も、ちょこっと下がった眉も、み〜んな大・好き・だぁーーーーーっ!!
               (↑じゃがりこ?(^_^;))

「寝る前にちょっとやりすぎた?!(>_<)リラックスするのに、カモミールティー淹れて
 もらったっていうのに・・・」
「大丈夫、少し休んで頭カラにして、カモミールティー飲んだら、きっと眠気もすぐに
 やってくるから」
「君と一緒にいると力が出る。頑張れるって思えるんだよ」
「それはこっちのセリフ(^_^)」
「ありがとう・・・」
「いえいえ」


ゆっくりとカモミールティーを飲み干した後、カップをキッチンまで運んで、一緒に
洗ってくれた。

「ごちそうさま・・・それと・・・」
「?・・・・・・!」

あなたの唇があたしの唇に触れた。

「お礼のしるしと、こころの証をこめました。(^^ゞ」
「うぅ・・・・・・・」

からだ中の血が一気に集まってしまったかのように赤面して、あたしはただ泣く。
あなたはあたしの頭を「よしよしよし・・・泣きたいだけ泣いていいよ」と、
軽くなでてくれた。

「明日も早いんだから、もう眠らなくちゃ・・・」
あたしはぐしゃぐしゃの顔で言った。
「そうだね・・・そろそろ寝なきゃね」

隣り合ったベッドの端に腰掛けて、「おやすみなさい」を言おうとした。
するとあなたは、ベッドの間にあるナイトテーブルをどけて、よいしょっ!とふたつの
ベッドをくっつけた。

「手をつないで眠ろう」
恥ずかしがり屋さんのくせに、時々こういうことを言ってのける。
「うん」とだけあたしは答えて、横になった。

あなたの左手とあたしの右手。
真夜中になったら、そんなもん振りほどかれて、足で蹴っ飛ばされることになったと
しても、あたしは幸せだ。

あなたがその手を差し出してくれる限り、あたしは何度でもつなぎ直せるから。

おやすみなさい・・・・・とライトを消した。







勝手にBGM : aiko 「シアワセ」


勝手にすぺしゃるさんくす : 妄想がはなはだしすぎて、申し訳ございませんm(_ _)m
                  櫻井さま・・・・・。(T_T)