「僕とあたしの未来 5」



今夜はサークルのクリスマスパーティを兼ねた忘年会。
女子メンバーは、やけにはしゃいでいる。

みんなのお目当ては、サークル一のイケメン・ショウ先輩。
さわやかで笑顔がステキ、とは女子メンバー全員の声。

正確にはあたしをのぞいて全員、だけど。
あたしには、なんかいけすかない奴なのだ。

ウワサをしてたらなんとやら、当の本人、ショウさまの登場だわ。←完全にイヤミ
「今日はガツガツ飯食うぞー!!」とか言って、いつものようにさわやかに笑ってる。
「きゃー!先輩の笑顔見れて幸せぇ〜☆」だってさ。

すると、先輩、なにやらあたしの方にやってきて、「ちょっといい?」
と言い出した。
「なんで?なになに?」と言う女子のざわめきの中、あたしは先輩について行った。

「先輩、どこまで行くんですか?」とたずねるあたしに、何も答えず前を歩いていく。
そしてキャンパスの旧館の裏で、その足を止めて振り返った。

「あのさ・・・」と切り出した先輩。
「なんですか?」

あたしの両肩を両手でつかみ、壁に押しつけながら言った。
「おまえさ・・・」
いきなりおまえ呼ばわり?!

「いっつもオレのこと、さげすんだ目つきで見てるよな?なんでだ?」
「別に・・・」あたしは目をそむけた。「気のせいじゃないですか?」
「ふっ・・・素直じゃねーよな。そういうとこ、逆に刺激されんだけど?」
「先輩の本性気づいてないみなさんの目が節穴なだけ、じゃないですか?」
「おまえは気づいてるってのか?オレのこと・・・」
「そのくらい見抜けますよ」
「へー、そーなんだ。とんだマヌケだな、自分のこともわかんねーんだもんな」
「自分のこと?」
「おまえの本心だよ」
「本心?」
「オレが気づかせてやろーか?」

そう言うが早いか、いきなりあたしの唇をふさいだ。両手をつかまれ、
壁に押し付けられたあたしは、身動きひとつできない。
やっとのことで手をふりほどき、「なにすんのよ?!」とあたしは先輩の頬を
ひっぱたいた。

「いて・・・」と頬をさすりながら、「なぁ、ツンデレちゃん?」と半笑いしてる。
今度はあたしの腕をつかんで離さない。

「いい加減認めろよ?オレのこと好きなんだろ?他のヤツがわかんねーことわかるほど
 オレのこと見てんじゃんよ?」
「好きなんかじゃない!!」
「自分にウソつけんのか?」
「先輩だって、みんなにウソついてんじゃん!!」
「オレは、簡単に人を信じない。だから表面だけいい顔してる・・・」

そう言うと、あたしの腕をほどき、ふっと悲しそうな目をして遠くを見た。

「結局おまえだけか・・・オレのことわかってんの・・・」
「先輩・・・?」
「なぁ、言ってくれよ?好きだって・・・こんなオレのこと好きだって
 言ってくれよ?!」

潤んだ目であたしを見た。

「先輩こそもっと素直になればいいのに。みんなに本当の姿見せればいいのに」
「おまえの前で、本当のオレ見せてもいい?」

そう言うと、あたしのからだをぎゅっと抱きしめた。

「あー、みっともねー・・・オレの方がおまえのこと好きだなんてな・・・」
「・・・あたしも自分のこと・・・わかってなかったのかもしれない・・・。
 みんなにいい顔してる先輩がなんだか許せなくて」
「で?おまえはどーなんだよ?オレのことどう思ってるわけ?」
「嫌い・・・じゃない・・・」
「そーゆーとこ、やっぱ刺激される!!たまんねー!!ツンデレちゃん」

今度はやさしく、あたしの肩を抱き、そっとキスをした。
なかなかのクセモノだよね。ね?ショウ先輩。フフフ・・・。







勝手にすぺしゃるさんくす : プリ画像の櫻井さん(はなぢモンのやつ(^_^;))