「僕とあたしの未来 55 〜Happy birthday to you and me〜 」


「あれ、ねーちゃんおかえり。遅かったじゃん」
か○ぱえびせんの袋に手をつっこんだまま、まさきが言った。

「うん、ちょっと駅前のケーキ屋さん寄ってた」
あたしはマフラーをはずしながら答えた。

「あー、疲れたー」
「なんで?」
相変わらずまさきは、食べる手を止めずに話してる。

「ケーキのメッセージプレートお願いするの、めちゃくちゃしんどい」
「あー?あぁ、しょーちゃんのバースデーケーキね?でもなんで?なんでしんどいの?」
「だって、しょーちゃんって名前言うのよ?お店の人、メッセージ読み返して確認求める
 のよ?超恥ずかしいじゃない」
「・・・あのさぁ、ねーちゃんそんなんでよくしょーちゃんと付き合ってんね?!」
「それとこれとはまた話が別なんだぁ・・・」

あたしはいまだに、しょーちゃんの名前を口にすると体温が2℃くらい上昇する。
頬は紅潮したまま、全身からじわじわ汗が出て止まらない。
でもそんな時、自分の本心を実感する。あたしはやっぱりしょーちゃんが好きなんだ。

どんなに嫌なことがあっても、しょーちゃんのことを考えると、ふっと笑みがこぼれる。
気をつけないと、道行く人が振り返るようなヘンなヒトになっちゃうけど、
しょーちゃんはあたしを笑顔にさせてくれる。
あたしの笑顔を好きって言ってくれるしょーちゃんを、あたしもずっと好きでいたい。

「あ、しまった!えびせん全部食べちゃった!!」
「夕飯の前にそんなに食べちゃって・・・」
「やべぇ!オレ今日食事当番の日じゃん!!急がなきゃ!!(>_<)」

まさきはそう言って、なにやら白衣のようなものを羽織った。

「なに?それ。白衣?」
「あぁ、これ?トモダチにもらったの。プロの料理人みたいっしょ?」
「なんかちょっと違うような気がするけど?」
「いいの!雰囲気雰囲気!!」

まさきのトモダチに、確か薬局屋さんの子がいたような??(-_-;)

あぁ、もうすぐしょーちゃんの誕生日。そして2日後はあたしの誕生日。
一緒に歳を取っていく。できたらこの先ずーーーっと一緒に時を重ねていきたいけど、
今は、もうすぐしょーちゃんに逢える幸せを感じられれば、それだけでいい。

「へい!おまちどうさま!!ラストホープ軒のチャーハンです!!」
「今日チャーハンにしたの?」
「ギョーザもね。チャーギョーはマストでしょ?」
「サラダくらい添えてよね?」
「うるせぇ客だなぁ・・・はいはい、サラダね?」

文句言いながら作ってるまさき、でもその姿はなかなか板についている。
てか、ホープ軒っていう店、どっかにあったような気がするけど、ラストホープ軒って
なに???(-_-;)



そしてあっという間に時は過ぎ、しょーちゃんの誕生日がやってきた。

あたしは頼んでおいたバースデーケーキを受け取りに行き、そぉっと持ち帰った。
そして、大きなお皿にケーキを乗せて、まさきにつまみ食いされないよう細心の注意を
払いながら、イチゴと生クリームでお皿をデコレーションしてみた。
あたしにできることはせいぜいこれくらいだから。(^_^;)

「今年もねーちゃん、合同バースデーパーティだね」
「うん」
「オレなんかさ、クリスマスイヴ合同パーティだよ、これからもずっと(-_-;)」
「いいじゃない、まさきだって合同だもん、ケーキの重要性が格段に違うよ」
「ねーちゃんはしょーちゃんと誕生日近いだけでうれしいんでしょ?(笑)」
「うん♪幸せ☆」
「はいはい、ごちそうさま!!」

そう、誕生日があたしのところへしょーちゃんを連れてきてくれる。
こんな幸せなプレゼント、世界中さがしたってどこにもないの。


あ、ピンポンが鳴った!!(>▽<)
あたしは鏡をのぞきこんでから、幸せのドアを開けた。






勝手にBGM : 「Love so sweet」


勝手にすぺしゃるさんくす : お誕生日おめでとう♪櫻井様。
                  「ラストホープ」の相葉様。