「僕とあたしの未来 62  〜Bittersweet〜」



ちょっとしたことで、しょーちゃんと口ゲンカになった。
こんなこと、付き合い出してから初めてかもしれない。
ふとした言葉がどうしても許せなかった。けど、あたしも言いすぎた。
でもガンコだから、素直に謝れない。
気まずいまま、「またね」も言えずに、公園から走り出してしまった。

どうしよう・・・。しょーちゃんの誕生日目前なのに・・・。

ドカドカと階段をのぼって、ベッドの上にバタンとつっぷした。

「ねーちゃん、オレには階段静かにのぼれって言うクセに、自分はそれかよ?!」
まさきが階段の下から、デカイ声で騒いでいる。

アルバムをそっと開く。今まで一緒に過ごしてきた思い出のつまった写真。
無邪気に笑ってる顔。一枚一枚見てたら・・・ケンカの原因がちっぽけなものに
感じられた。

「ねーちゃん、しょーちゃんとケンカしたんだかなんだかしらねーけどさ、
 意地張んないで、飛び込んでいったら?ごめんねぇ〜、しょーちゃぁぁぁぁんっ☆
 あたしが悪かったの、しょーちゃんなしじゃいられないの、愛してるぅぅぅって」

まさき、ドアの外にいたのか。てかずっとそこにいたの?(=_=)なんだかんだ言って
姉思いのヤツ。

「姉をからかってそんなにおもしろいか?まさき・・・」
「うそうそうそ、ごめんなさいごめんなさい!!素直になれって言いたかっただけ
 だってば!」

口数が多いのが玉にキズだけど、まさきがいると気持ちがほわんとあったかくなる。
周りの人を巻き込んで、暗い色も明るい色に塗り替える。そんな不思議な力を持ってる。
感謝してるよ、まさき。口には出さないけど。(^^ゞ

しょーちゃんに電話して謝らなきゃ。すると、携帯が鳴った。

「もしもし?」
「あ、もしもし?僕だけど・・・」
「ごめんね、しょーちゃん。今どこ?」
「まだ公園にいるんだけど。さみ〜よ〜」
「うそ!待ってて、すぐ行く」
「なんてね、もう家の前」
「・・・・・」

ドアを開けると、ちょこっと鼻を赤くしたしょーちゃんが立ってた。

「ピザまん買ってきた」
「おー、さんきゅー♪」
まさきがすっとんで来て、袋を受け取った。(=_=)

「ちょっとまさき!あんたずーずーしすぎる!!」
「もちろんまさきの分もあるよ」
「さ、冷めないうちに食べよ食べよ♪」
「なんであんたが率先して食べるのよ!?(-_-)」
「はいはい、すぐ引っ込みますんで。お二人さんごゆっくり」

だんだんだんっとまさきが階段を駆け上がり、二人きりになった。

「しょーちゃん、ごめんね・・・」
「こっちこそごめん。言い方とか悪かった・・・」
「よかったー・・・・・」
「え・・あ?どした??」

安心したら急に涙が出てきてしまって、しょーちゃんがあたふた慌てながら、
あたしの頭をなでた。
半分困った顔も好きだけど、そうやって笑った顔はもっと好きだ。

「怒って泣いて忙しいね。(^_^;)でもそういう君がいてくれたから、今の僕がいるんだよ」
「違うよ、しょーちゃんがいてくれたから、今のあたしがいるんだよ」
「(*^_^*)今年もダブルバースデーパーティー、身内で盛大に(^^ゞやろうね♪」
「うん☆」

時々ほろ苦いこともあるけれど、それがスパイスにもなる甘いチョコレートのように、
恋は育ってゆく。
薄紙でくるむように、この気持ちを大切に胸に抱いて、今夜は眠りにつこう。





勝手にすぺしゃるさんくす : 相葉様、櫻井様

勝手にBGM : 「Bittersweet