「僕とあたしの未来 70」



日曜日の午後、ピンポンが鳴ったので「はい?」と答えつつモニターを覗いてみると、
見知らぬメガネの男が立っていた。

「すみません、隣に越してきた者ですが」」
「・・・はい・・・少々お待ちください」

ほんの少しドアを開けると、
「隣に越してまいりました松本と申します。これはつまらないものですが」と
包みを差し出す男。

「それはご丁寧に・・・」とあたしは受け取った。

「おまえ、簡単にドア開けて何だかわかんねぇもん受け取るなんて、無防備すぎね?」
と言いながら、男がメガネをはずした。

「え。松本先輩?!」
「はい、松本です」
「わざわざメガネかけて何してるんですか?!何かの嫌がらせですか??」
「嫌がらせとは失礼な!俺は外ではコンタクト、家ではメガネなんだよ」
「だから越してきたとか、意味わかんないんですけど?」
「越してきたんだけど?隣に」
「は???」
「引っ越そうと思ってたまたま行った不動産屋で、このマンション紹介されてさ、
 そしたらたまたま隣の部屋だったんだよ」

少女マンガじゃあるまいし、んな偶然あるわけねーだろがぁぁ?!(=_=)
てか、こないだやむを得ない事情とはいえ、あたしの部屋に泊まりやがった時、
不動産管理会社の看板しっかりチェックしてったんだな?!
怖っ・・・もしかしてストーカー?!

「おまえ今、俺のことストーカーとか思っただろ?」
「・・・・・・・」
「ちげーわ!ここそんなに広くはないけど、間取りもいいし、収納が充実してるから
 選んだんだよ。バーカ」

こんな策士にバカ呼ばわりされたくない。(=_=)

「ま、これからよろしくな、お隣さん」
「いえ、よろしくしたくないです」
「俺、収納とか片付けとか掃除とか、少なくともおまえよりは得意だから、
 時々やってやるよ」
「いえ、けっこうです」
「こないだ、ベッドの足元に洗濯物置きっぱなしだったじゃん」
「見たんですか?!」
「嫌でも目に入るだろ。窓際にも干しっぱなしだったしさ・・・パン・・」
「わざわざ言わないでください!(>□<)」
「たたむの手伝ってやろうか?」
「心よりご遠慮申し上げます」
「そ?じゃ、気が変わったら呼んで?いつでも片付けに来るから」

嫌ーーーーーーーっ!!仮に万が一カレシだとしても、そんなことされたくない!
ただの先輩のクセして何様?!ただのヘンタ・・・(自粛)。

先輩が帰った後、包みをそっと開けてみた。うちのカゼアイロンドラム式洗濯機にも
ぴったりな液体洗剤、しかも愛用品スーパーナノッ○○。
なんかヘンなものをもらったらどうしようって思ったけど、ごくふつうだった。

ヘンなもんて何だよ?って言う先輩の声が聴こえたような?

隣、となり、トナリ・・・・・よくも悪くも何かが起こりそうな予感。(=_=)








勝手にすぺしゃるさんくす : MORE1月号の松本さん(^_^;)

やっぱりこれがBGM : 「青空の下、キミのとなり」