「絆」 〜HELP MEやでー?!〜


夏菜は久しぶりに一人でお出かけ中。
今日はワシ一人で美羽(別名・怪獣ミウゴン)の相手や。

実は、夏菜が出かける前に一モメあったんやけどな。

「ええなぁええなぁ!オマエは一人でライブかぁ?!」
「いいじゃない、たまには」
「ヤツのライブやろ?」
「あー、ヤキモチ妬いてんだ?私が悠に会いに行くからって」
「誰がや?!」
「アンタやん!」
「なんでワシがヤツにヤキモチ妬かなアカンねん?!」
「ヤキモチやなくて何やっちゅーねん?!」
「だいたい、会いに行くなん言うて、向こうはソノ気、全然ないっちゅーの!!」
「ええやん!!その他大勢でも、会いに行くのは会いに行くんやから!!」
「あぁもうええ!!はよ行けやーーーっ!!!」
「はいはい、行ってきますわー。美羽の相手、気ィつけてーな?
 うちのありがたみ、ようわかるで〜?ほなさいならー!」
「なんや?!その言いぐさはァーーー?!」

大人げなく怒ったまま、夏菜を送り出してもうた。


さてとー、美羽を公園にでも連れてったろかぁー。

「さぁ、美羽、公園行って遊ぶでー?」
「やっ」
「な、なんで・・・?」
「みう、これ、やっ!」

見ると、ピンクのハーフパンツを引っ張っとる。

「?これ・・・が嫌なんか?」
「みう、あれがいいっ!あおいすかーと!!」
「青いスカートって・・・」
「おはなのついたの!!」
「お花のついたのって・・・」
「みう、おはなのついたの、あおいのがいいーーーっ!!」

わんわん泣き出してもうた!!
青いスカート、青いスカート!!ワシはタンスの引き出しの中を探し回った。

「これ?」
「ちがうもーん!」

足をバタバタさせて泣いとる。

「じゃ、これ?!」
「ちがーう!」
「ええい!これやー?!」

ぴたっと泣きやんだ。ふぅー・・・。公園行く前からこれかいな・・・・・。


美羽と手をつないで公園へ向かう。
木々の緑が澄んだ風を運んでくるようや。

公園に着いて美羽を砂場で遊ばせとると、にぎやかな声が聞こえてきた。

「あらー、美羽ちゃん、今日はパパと一緒ー?」

美羽の友達のおかん・・・いや、ママ達や。

「いつもうちのと美羽がお世話になってますー」
「いーえー、こちらこそお世話になりっぱなしでー」
「でもいいわねー、パパが優しくて。美羽ちゃん一緒に遊べてうれしいねー?」
「ホーント!ウチのダンナなんかいっつもゴロゴロしてるばっかりで、山丘さんが
 うらやましいわぁー!」
「そうそう、お料理もお上手なんですってね?」
「・・・いや、上手いかどうかはわかりませんけど・・・・・」
「作ってくれるだけでうれしいわよねー?」
「そーそー、山丘さん、幸せねぇー?」

いつの間にか、ワシはママ達に取り囲まれとった。
美羽は黙々と砂場で、おままごとに熱中しとる。ママ達のお子様はと言うたら・・・
みんな好き勝手に、あっちこっちで遊んどる。
これかぁ・・・おかん、いや、ママ達の井戸端会議っちゅーやつは・・・。
夏菜が時々こぼしとった。

「楽しいと言えば楽しいんだけど・・・なーんか・・・疲れたりすることもけっこう
 多いんだよねぇ・・・」

確かになぁ・・・。

「美羽ちゃんのパパ、お料理どんなの作ってくれるの?」
「・・・・・」

美羽、応答せず。(^_^;)

「おいしい?」
「・・・わかんない」

おい、上手いかまずいかくらいわかるやろ?!

「でもねぇ、作ってくれるってだけでうれしいわよねー?」
「そーそー、山丘さん、幸せねぇー?」

それ、さっきも聞いたで?て思たらあかん、あかん、ありがたい思わな。

「パパー、おしっこー!!」
「なんや、来る時してきたやん?」
「おしっこー!!」
「ほら、そこにトイレあるから行こ」
「やだ!おうちでするー!!」
「・・・・・」

しゃーないなぁ・・・。

「じゃ、ちょっと失礼します・・・」
「あ、じゃあまた・・・奥様によろしく」
「美羽ちゃん、またねー!」

公園に来てそんなに経ってないのに、引き返す美羽とワシ。

夏菜ー!!ワシが悪かった。オマエのありがたみ、ようわかったわ。


携帯が鳴る。夏菜や。

「もしもし・・・」
「私だけど・・美羽、大丈夫?」
「・・・大丈夫やでー?なぁ、美羽?」
「パパー、おしっこでちゃった・・・」
「!!!!!」
「もしもしー?パパ、大丈夫ー?」
「・・・大丈夫・・・やないかも・・・」

ワシはガクッとうなだれた。

「終わったら早く帰るからね!」
「うんうん、はよ帰ってきてー!!」

これじゃー、どっちがパパだかママだかようわからへん。

美羽のパンツを替えながら、顔はどうにか笑いつつ・・・。
今、ワシの顔を絵に描いたら、瞳は少女マンガのようにうるうるしとるやろな、
きっと。(^_^;)

夏菜ー!!はよ帰ってきてーなぁーーーーーっ!!!
怪獣・ミウゴンに対決できるのんは、夏菜レンジャーだけや・・・。(-_-;)




BGM : aiko 「Smooch!」