「絆」 〜記念写真〜



今年もクリスマス・イヴと同時に美羽の誕生日がやってきた。


夏菜はキッチンで、できる限りの手作りで(^_^;)バースデーの準備をしとる。

「あ、美羽、つまみぐいはだめ!あーとーで!」

「おとうちゃんだってさっき、たべてたで?」


げっ、美羽告げ口すな!(^_^;)


最近美羽までが、関西なまりになって、

ついにお父ちゃんとまで言うようになってもーた。


駅前で買ってきたクリスマス&バースデーケーキに、5本のろうそくを立てる。

「ほら、気ィつけんと、手にクリームがつくやん!」

「お父ちゃん、口より手動かして手伝うてよ!」

夏菜にぶつくさ言われた。やぶへびやったわ。(-_-;)


「サンタさん、いつ来るん?」

美羽がワシにたずねた。

「美羽がいい子にして寝たら、やな」

「でもうち、えんとつないやん?」

「サンタさんはどんなとこからでも入ってくんねん」

「おばけみたいに?とおれちゃうの?」

「ま・・・そやな」

「ふぅーん」

美羽が少し口をとがらせて言うた。

「いっつもクリスマスとおたんじょうびのプレゼントいっしょなんやもん!
 なんかそんしてるー」

「そんなことないで?クリスマスの飾りはあるし、ふつうのお誕生日より
 ずっと豪華やでー?」

「でもおともだちはおたんじょうびがべつの日やから、プレゼント2つも
 もろてんやん?」

「そやなー。そりゃしかたないわー、美羽。他の子はクリスマスの飾りなんて
 飾ってない誕生日やろ?それだけ豪華や。キリストさんもお誕生日が美羽と
 一緒で、二重にめでたいなぁ?」

「うーん・・・いまいちわかんない」

(-_-;)美羽は最近、「いまいち」という言葉を覚えて、やたら使いたがる。


「サンタさん、はやくこないかな?」

少し曇りがちの空を、縁側から見上げて言うた。


美羽、おまえはいつまでサンタさんの存在を信じるんやろな。


「そや、外が暗くならへんうちに、写真撮っとこ!」

「そやね。美羽、玄関からお靴持ってきて」

「はーい」


庭で三脚にカメラをセットして、セルフタイマー。


「ほんなら撮るでぇー?ほら、もちょっと寄って。美羽、にこ〜っな?そう、ええお顔。
 1+1はぁ〜?」

「にぃ〜!!」

パシャッ!!

「お父ちゃん、言うことがベタすぎ!」

夏菜が笑った。ワシは夏菜の笑った顔が好きや。大好きや。正面きっては
よう言われへんけど。


「ありがとな、夏菜」

「え?なんか言うた?」

「いや、別に・・・。寒いな、さ、早く家に入ろ。こたつこたつ☆」


カメラの三脚をたたみながら、ふと思った。

いつか遠い目をして、美羽もこの写真を懐かしく眺めるんやろな。

美羽は嫁に行って、もうこの家にはおらんようになるかもしれへんけど。

そんな時も、夏菜とワシで、ずっと一緒にいような・・・。

おまえと一緒に生きていけるのが最高の幸せや。





勝手にSPECIAL THNKS : 徳一父さん

BGM : TOKIO 「HAPPY BIRTHDAY」
            「僕の恋愛事情と台所事情」