「絆」 〜まんまるの月〜 |
窓の外がやけに明るいので、そっとカーテンを開けてみたら、月が出ていた。 まんまるの月。 今までも幾度となく月を見上げてきた。 哀しい時、苦しい時、泣きたい時・・・。 でも、彼と一緒になってからは、うれしい時が多かったな。 そう思いながら、彼の寝顔を見ていると、ふと彼が目を覚ました。 眠そうな顔で 「なんや?どしたぁ?」 と言う。 「ごめん、起こしちゃった?ちょっとお月見してた」 私はカーテンを閉めながら答えた。 「月見かぁ。もうそんな季節になったんやなぁ」 虫の音の響きも、ずいぶんと大きくなったしね。 「もうすぐ丸4年になるんやな、オマエと一緒んなって」 「そうだね」 二人の真ん中で、美羽がスースー寝息を立てている。 私はたくさんの感情と安らぎをもらったね。 「そっち行ってもいい?」 「別にええけど?」 彼が少し照れ臭そうに答える。 そういうとこ変わってない。 「やっぱ、くっつくとまだ暑いね」 私がふとんから出ようとすると 「ええやん、暑くなってもええやーーーん」 彼が子供のように、ふざけてしがみついた。 そういうとこも変わってない。 涙がじわ〜んとあふれそうになってた私の顔、暗いから見えなかったよね、 きっと。 「おやすみ」と言い合って、眠りにつく夜。 私の心もあの月のようにまんまるになった。 |