「絆」 〜MIRACLE〜



「今年ももうすぐ終わりやなぁ」
「早いねぇ」


パパとママが縁側で話をしてる。
(パパは不動産屋さん勤務なので、水曜日はお休みなのです。一応注意書き(^^ゞ)


「あぁさっぶっ!!年取ると寒いのかなわんわ〜」
「涙腺もからだも緩んでくるしね」
「そうそう、からだも緩んで・・・ってオマエほどやないわ!」
「重力には勝てないのよ」
「努力が足りん!一に努力、二に努力!!」
「今年はパパ、頑張ったもんねぇ」
「あぁ、頑張ったでー。でもわしだけの力やない、みんなの協力があったおかげや、
 ホンマに・・・」
「ほら、涙腺緩くなってる(^_^;)」


今年、突然何を思ったのか、パパは市民マラソンに参加した。見事完走して、
みんなを驚かせたんだ。
ママもあたしもちょっぴり、うぅん、かなりパパを見直した。(^^ゞ
パパってふだんのほほんってしてるように見えるけど、けっこう負けず嫌いで
頑張り屋さんなんだなって、あらためて思ったよ。



あたしは庭に出て空を見上げた。なんか雪降りそうな雲。


庭先の道路を、背のでっかいおにーちゃんが歩いてきた。あ、去年公園で会った
あのおにーちゃんかも。


「あ。あれ?久しぶり〜!君のうちここなの?」
「はい」
「今年も来たねぇ、誕生日♪」
「うん。でもまたクリスマスイブと一緒だけど」
「いや、世界中の人がお祝いしてくれてると思えばね、ありがたいってもんですよ」
「オトナ〜☆」
「これでもね、君より数年、数年って何年だ??・・・ま、何年か先を歩いてるわけ
 ですから」
「翔太ももう少しオトナになってくれたらいいんだけど(まだ中1ですが(^^ゞ)」
「あ、例のカレシ?最近どうなの??順調?」
「まぁまぁ」
「いよっ、そっちこそオ・ト・ナ☆」


おにーちゃんの方こそ、ミラクルとか恋とか魔法とかどうなの?って聞こうとしたら、
あっちの方から声が近づいてきた。
























「ちょっとまさきー!!」
「げっ、ねーちゃん・・・」
「げっ、ってなによ?!早くケーキ受け取りに行ってきて!」
「なんでオレが行かなきゃなんないの?どっちかっていったら、ウェルカムな感じ
 でしょ?ん?ウェルカム??・・・とにかくオレは主賓なわけだから」
「もうすぐしょーちゃん来ちゃうの!あたしは準備で忙しいんだから、早く行って
 きてよ!!」
「ったく人づかいあれーんだから(-_-;)」

あたしが「・・・・・」な顔で見てたら、「あら、おともだち?」っておねーさんが言った。

「あ、去年の誕生日に公園で知り合ったの、おんなじ誕生日なんだって」
「はじめまして、美羽です」
「はじめましてー。まさきの姉です。みうちゃん、かわいい〜☆何歳?」
「今日13歳になりました」
「若っ☆うらやましー」
「ねーちゃん、ババアみてぇ・・・」
「なんだってぇ、まさきぃ?!」
「ババアみてぇじゃなくてババアだった・・・」
「こら、さっさとケーキ取りに行ってきなさいってば!!」
「はいはいはい、行きますぅー!じゃあね、みうちゃん、またっ(^_^)/」
「お騒がせしました・・・(^^ゞまたね、みうちゃん☆」


おにーちゃんとおねーちゃんは、あわただしく去って行った。
なんかサザエさんとカツオくんみたい・・・。



「美羽ー、寒いからそろそろ入りなさーい」
ママが呼んでる。
「はーい☆」

あたしが家に入ると、空からちらちらと羽のような雪が降ってきた。





勝手にすぺしゃるさんくす : 城島様、相葉様

勝手にBGM : 山下達郎 「クリスマス・イブ」
          (私が持ってるのは8インチシングルですけどね←時代が・・・(^_^;)