「絆」 〜わたしのすきなひと〜


「ママー!!これじゃなーい!!みうのきたいのはこれじゃなくて!!
 ぴんくでふりふりのついた、おはなのわんぴーすだよー?ぱんつもおんなじの!!」

「遊ぶんだからズボンでいいじゃない?ほら、この花柄のチュニックにサブリナパンツなら
 ばっちりでしょ?」

「やだやだやだ!!ぴんくのわんぴーすなの!!」

どうしておとなってわかんないの?こどものきもち。
だってきょうはさ、みうおしゃれしたいんだもん!
だってだって・・・・・。

「ママ、ぴんくのおりぼんもつけて?」
みう、やっといえた。

「そんなにおしゃれしてどうするの?公園に遊びに行ったら汚くなっちゃうよ?」
「いいの、これきたいの」

ママだってかわいいのきてるじゃない?みうだってきたいよ?

だってきょうはさ、みうおしゃれしたいんだもん!
だってだって・・・・・。


「ほら、美羽、行くよ?帽子もかぶって行こ」
「やだ!おぼうしかぶったら、おりぼんみえなくなっちゃう!」

はー・・・ってママがためいきついてる。
でも、ぴんくのおりぼんがかわいいんだから、これがかくれちゃったらだめ!



おすなばせっとをもって、ママとてをつないでこうえんにきた。
すべりだい・・・ぶらんこ・・・しーそー・・・。
・・・・・きてないのかな・・・。

「今日は何を作ろっか?」
ママがおすなばせっとのばけつから、しゃべるをだした。

「・・・おやま」
「じゃ、お山を作ろう!!高いの作るぞー!!」
ママ、はりきってる。
でもみうは、ちょっとしょんぼり・・・。


「こんにちはー!」
ママのおともだちがきた・・・あ・・・。

「こんにちはー!」
ママもごあいさつしてる。
「ほら、美羽も翔太くんのママと翔太くんにこんにちは、でしょ?」
「こ、こんにちは・・・」
やっといえたけど、しょうたくん、はしっていっちゃった・・・。

こうえんのはとさん、おいかけてる・・・。

「こーら!翔太!!はとさんいじめちゃだめでしょ!!」
しょうたくんのママがおおきなこえでいった。

「はーい!」
おへんじして、しょうたくんがもどってきた。
おすなばで、ぷりんのはいってたのにすなをいれてたら、
しょうたくんがみうのとなりにきた。

「みうちゃん、なにしてるの?」
「・・・ごはんつくってるの」
「ぼくもつくろうっと!かしてくれる?」
「うん!いいよ!!」

えへへへ。みう、うれしくなっちゃった。

「じゃ、みうちゃんがママで、ぼくがパパ」
「・・・みうがママ・・・?うん・・・」

しょうたくんがパパ・・・えへへへへ。

あれぇ?ママそばにいたのに、あっちのベンチにすわってる。
しょうたくんのママとおはなししてわらってる。
なにわらってるのかな?

「みうちゃん、これなに?」
「うーんと・・・おむらいす」
「おむらいす、ぼくすきなんだ!こっちは?」
「けーき。ごはんのあとにたべてね?」
「ちゃいろいから、ちょこのけーきだ!」
「うん、ちょこだね。しょうたくんはちょこすき?」
「だいすき!でもあんまりたべちゃだめって、ママにいわれるんだ」
「なんで?」
「はなぢがでちゃうから、だって」
「ふぅん・・・」
「みうちゃんはなにがすき?」
「・・・みうは・・・」

みうは、みうは・・・しょ、しょ・・・。

「しょ、しょ・・・しょーとけーきがすき!」
「いちごすきなんだー?いちごのけーきもおいしいよねー?」

あーあ・・・どうしていえないの?


ママとしょうたくんのママが、ずっとこっちをみてわらってた。
なにわらってたのかな?



おうちにかえるとき、ママがいった。
「今日も翔太くんと遊べたね」
「うん」
「美羽は・・・翔太くんが好きなんだね?」
「・・・うん」

ママ、なんでしってるの?

「いいなぁー、若いって!!うらやましいよ、ったく!!」
ママがなんだかわかんないけど、ぶつぶついってる。

「頑張ってね!美羽!!」
「うん」

なにをがんばるの?がんばるってなに?

「そっかー、美羽は翔太くんが好きかぁ・・・」
まだいってる。みう、なんだかはずかしいよ。

「よし!!今度もかわいいかっこして公園行こう!!」
ママがはりきってる。おとなってときどきわかんない。

でもやっぱりみうも、かわいいのきていきたいな。


みうはしょうたくんがだいすき!!