リベラル主婦の横暴

 「ヨン様」騒動に踊るような たわいない女たちと違い、世間をよく見ていて、それなりの見識もあり 社会を批評したりする。 むかし、主婦連という オバサンの団体があって 国や行政に対する批判勢力として力をもっていた。 が、いまはない。 変わりに 一人一人が市民派といわれるような主婦がいらっしゃる。 時々、クロワッサンを読み、無農薬野菜を信奉し、原発や地球温暖化を危惧し、毎日の食生活も しっかり気遣う。 そして、選挙のときは 民主党や社民党に投票する。
 この手の主婦は よく喋り、生活感覚も経済感覚もしっかりしていて ヌケ目がないから、 酒場に来ても無駄がない。 無駄な注文はしない というより注文がなかったりする。 一皿を3人で分け合って食べるから 雀の涙ほどのツマミを口にはこぶ。 それでいて 料理の作り方や 味のつけかたを平気で質問する。
 その一人が「前に 来た時 漬物おいしかったわよ。」
 俺「おいしい 漬物ありますけど 前っていつごろですか。」
 その一人 「20年前かな」
 20年前に一度来たぐらいで その節度のない ふるまい 礼節を欠いた口調は何んなのだ。 俺は無言であきれた。
 この手の女たちに理詰で生活を支配され 無駄と遊びを許されずに くらさなければならないとしたら。 俺のようなデリケートで優しい男は 萎えてしまって勢いをなくしてしまう。
 そして、その3人の主婦の放った決定打は 冷たいコップ酒を3人で回し飲みしたのだ。 俺は その3人の主婦に対して 女として 母親 妻としての尊厳を感じない。 この女達の向こう側に 結婚して、 ともに生活をしてきた男がいるであろう。 子供の向こう側に親の顔があると 同様に 女房の向こう側に亭主の顔があるのである。 もとより、人の尊厳とは 立派で偉大な行いによるものではない。  日常のささやかな振る舞いの積み重ねにある。 清楚な振る舞いを望むなどまったくない。 だが、 酒の一杯でも男からつがれ あやうい言葉を耳元でささやかれる女をとりもどせ。 まだ おそくはない。 リベラルもよいが 女をも 磨け。

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