2004年 豊かな味覚の秋

 いつもの年より すこしはやめだが、 先日の休みに 沢庵を漬けた。山形の庄内から取り寄せた 干し大根は いつものように太く充実している。 ここにも災害のあとがあり 生産量が半減しているため 価格が昨年より 20%ほど高めだ。 だから余計に気を使い 力を込めて作業をした。 新年の頃には 漬け上がるだろう。

 今年の夏は たいへん暑かった。 その暑さの中で 土用干しをした梅干が やたらとうまい。 大きくて出来ばえがすこぶるよろしい。 焼酎のお湯割りに 入れるだけではもったいない。 「梅干 1個」と言っていただければ うれしい。 毎年毎年、この梅干のような 質の高いものを 作り出せるワザを身につけようと 思う。

 十月に三陸の牡蠣が出てきて 久しい。 この頃になると 身がふっくらと丸みをおびて たのもしい元気な姿をみせてくれる。 牡蠣は殻をあけて 始めてよしあしがわかる。 このごろの牡蠣は裏切らない。 殻をあける手に 気合がはいる。

 市場で松輪のサバを よくみかける。 松輪とは東京湾の入り口のせまいあたりの 神奈川県側の漁港だ。 むかしからこの付近でとれるサバは素晴らしいが、 ブランド力で関サバに負けている。 そんな事より味わいである。 小ぶりであるが 脂がのり美しく赤い。 ますます、絶品のシメサバがだせる。

 去年まで 牛スジの味噌煮込みを だしていましたが、 この秋からは豚のモツの味噌煮込みを はじめました。 幾度となく作り方を変え、完成度の高い 煮込みをカクトクしました。 やわらかく、モツ特有のイヤな臭いを押え込み、煮汁までも スッーと口入っていく。 これなら1年中でも おけるメニューではないかと リクエストであります。

 そしてのだめおし 
タラの白子を 婆娑羅自家製の ポン酢で味わう。 そこには熱い燗の一の蔵。 もう なにも語るな 望むな。 束の間、 秋の夜に幸いあれ、、、、。  


追記 近日中に あるグルメ雑誌に婆娑羅がのります。 どのように書かれるのか 楽しみです。

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