フェンスのお話

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MMさま、青木さまをはじめ、多くのベーシストが使用している「ピックアップ・フェンス」のお話です。

元々はFenderのジャズベ・プレベなどに取付けられていたものです。
どの年代のモデルか?とか、本来のフェンスの目的は?などのウンチクは、他のFender関連の資料を
見ていただくこととして、ここではプレイヤビリティについての個人的な感想をお話しますね。


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■フェンスを付けて感じること。

 
<有利な点>

 ・HITポイント(特にサムピング)が安定するので、ツブをそろえやすくなります。

 ・これも主にサムですが、力のコントロールがしやすいですね。 
  フェンス無しだと、手首の回転を利用してスラップするのが自然だと思いますが、これに比べると
  フェンスに手のひらを打ち付けて、その反動を利用してサムピングする感じの弾き方になるので、
  手首の負担が若干軽くなるような気がします。 (うまく表現できてなくってすみません)

 ・サムをタイトにHITすることが、わりと楽に出来ます。
  特に1弦・2弦でのサムピングでは、フェンス無しだと甘くなりがちですが、このへんは比較的
  やりやすい感じがします。   


 
<不利な点>

 ・フロントPUのあたりって、深みのあるサウンドが出る「指弾きのおいしいポジション」ですよね。
  でもフェンスによって、このPU上の5センチ程度のエリアが使えなくなるのは、ちょっと残念です。

    ただ、昨年、アトリエZより発売されたフェンスは、今までの約半分の幅となっているため、
    指弾きのエリアが少し改善されています。
    これについては、このあとのお話にも出てきます。

 ・フェンスが無い場合、スラッピングの際には右手(右利きの場合)でミュートができるんですが
  フェンスを付けるとこれが全くできなくなります。
  その分左手のミュートが重要になる訳で、指使い・ポジショニングには気をつけないといけません。



■フェンスの特徴

 実際に僕が使用しているのは、4弦のジャズベにはFender製のフェンスを、5弦のアトリエには
 アトリエ製のフェンスです。 (いろいろ試して、結果的にすごい素直な選択になってます)
 

 <Fenderのフェンス>

 ・フェンスの面が割とフラットになっていて、Rはほとんどありません。
  ボディ面からの距離が均一で低く感じられます。  

 ・元々スラップ用(手のひらを打ちつける)に作られたものではないですが、強度的に問題ないです。  
  「Fenderのフェンスは厚みがあまりない為、スラップしたらヘコんじゃった」というお話を聞いた
  ことがありますが、僕の場合そんなに力いっぱい叩きつける訳ではないので、これで充分です。

  この「ヘコんじゃった」というのは、実は目の錯覚のことが多いのではないかと僕は思っています。
  Fenderのフェンスを真上から見るとまっすぐではないですよね。
  オーバーに表現すると「||」ではなく「( )」というイメージ(縦長方向で真上から見た場合)。
  これをネック側の斜め上から見るとヘコんでいるように見えてきます。
  でも実際、真横から見るとフラットな状態のことが多いのではないかな?
  (下の画像のFenderのほうもフラットですが、若干ヘコんでいるように見えますよね)


        
      
   (Fender)                 (Atelier Z)


 
<Atelier Z のフェンス>

 ・フェンスには若干Rがついています。(ただし、細身タイプのほうはほとんどフラット)
  Fenderのものに比べると、やや高さが感じられます。(弾きにくいということではありませんよ)

 ・フェンスの厚みがFenderよりもあるため、がっしりと頑丈なイメージです。

 ・ノーマルの幅(Fenderと同じぐらい)のタイプの他に、昨年発売された細身タイプのものがあり、
  これは指弾きポジションのエリア拡大に貢献してくれます。
  その他、6弦用のものや、カラーバリエーションなどいろいろあります。
  詳しくは、Atelier Z のサイトの「Accesories」のコーナーにカタログがありますのでご覧下さい。



■サムのHITポイントについて
 
 4弦のジャズベ+フェンスでのスラップに慣れていたのですが、5弦ベースを使うようになってから
 ある悩みが発生しました。
 それは、サムのHITポイントです。

 ジャズベの場合20フレットなので、フェンスを使ってのサムのHITポイントは、僕の場合、
 フィンガーボード上ではなくネックの端あたりになります。
 このへんだと、僕はサムがコントロールしやすく、サウンドも良いです。  特に1・2弦は。   

 それに対し、5弦は21フレットなので、そのままの弾き方だとサムのHITポイントが上がり、
 フィンガーボード上になってしまします。
 で、4弦と同じようにネックの端をHITしようとすると、右手のフォームをちょっと変えないと
 いけなくって違和感があります。

 まぁ、弾けない訳じゃないんで慣れればいいんですが、やはりその辺ストレスとなるので、できれば
 同じフォームで弾きたいなぁ、ってずっと思ってました。


 
(ちょっと休憩! ここまでのお話、解ってもらえたかなぁ? 説明ヘタクソでゴメンナサイ!(^^ゞ)


 そんなこんなで悩みつつプレイしていたところ、昨年、アトリエさんから細身のフェンス(ZPF-2500)
 が発売になりました。
 これを付けると、ちょうど1フレット分ぐらい右手を打ちつける位置がブリッジ寄りになるので、
 4弦と同じフォームで、サムのHITポイントも同じになります。

 これでHITポイントの悩みもスッキリ解消し、かつ、指弾きのエリアも拡大されて、まさに一石二鳥。
 青木さんは「百利あって一害なし!」とおっしゃられたそうですが、全く同感です!
 
 僕と同じような悩みをお持ちの方はけっこういらっしゃるんじゃないかなぁ? って思ってます。
 そんな方、騙されたと思ってこの細身のフェンス試してみられてはいかがでしょうか?
 (って、ほんとに「騙された!」って思われても、何もしてあげられませんが・・・(^^ゞ )


■一度お試しを!

 まだフェンス未体験の方、一度フェンスでのプレイも試されてはどうでしょう。
 ジャズベ用なら、いろいろ種類もあって入手はしやすいでしょうし、それほど高価なパーツではないので
 もし自分の弾き方にマッチしなくて不要となっても、それほど痛い出費にはならないと思いますので。。。



ということで「フェンスのお話」いかがでしたでしょうか?
ほんの少しでも、ご参考になれば幸いです。