♪Cool Play!

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ANGELINA  < MANNY'S CAR WASH / Hiram Bullock Band (1996年)>
(Live Version)
       
今回の「Cool Play!」は、ウィル・リーの登場です。 
彼もまた数えきれないほどのセッションワークをこなしているし、24丁目バンドやソロアルバムもあり
そのどれもが名演なので、選曲は迷いました。
今回は、ウィルの特徴がよく出ていて、僕も超お気に入りの「ANGELINA」をご紹介することにします。

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■まず楽曲ですが、オリジナルは「GIVE IT WHAT U GOT」に収録されています。
 このバージョンも、サンボーンのソロとかもありサポート陣も豪華で良いテイクなんですが、ウィルの
 「おいしいプレイ」がいっぱい詰まっているという点では、ライヴアルバム「MANNY'S CAR WASH」の
 テイクが◎です。  ここでは、このライヴバージョンを中心にお話します。

 アルバム「MANNY'S CAR WASH」は、NYにある同名のライヴハウスで収録されたもので、G,B,Drのトリオ
 が基本でゲストとしてKey.が参加している、という編成です。
 
 アルバム全体としては、ライヴギグの分、荒削りな感じですが、プレイ自体はリラックスしていて
 楽しんでいる感じが伝わってきます。  自然とCoolなリフが出てきちゃう、そんな感じですね。


■ウィルといえば、速いパッセージの指弾きやスラッピングから、バラードでの雰囲気のあるプレイ、
 はたまたヴォーカルもこなすし、それがどれもハマっている。
 ジャンルもロック・ポップス・R&Bからジャズ・フュージョンとまさにオールラウンド。
 センスのかたまりのような人、そんなイメージです。

 個人的には、彼の若い頃に参加していたブレッカーズや、スパイロ・ジャイラのゲストでのプレイ
 も印象的ですが、当時のライヴを見たこともあって、24丁目バンドのイメージが強いですね。
 あと、ホールでのライヴでは、いつもハイラムと一緒に客席乱入をしてくれて楽しませてくれるし。
 性格的には「陽気なアメリカン」っていう印象です。


■さて、そろそろプレイ内容についてのお話を。。。
 この曲はミディアムスローの曲ですが、ベースはスラップが基本となっていて、すごく良いグルーヴ感を
 出しています。
 
 サウンドはアクティブのジャズベ系の音がしています。  
 マーカス系の音といえばそうなのですが、もう少しクリーンにしたような感じでしょうか。


■僕がウィルのプレイで感動するのは、ダブルノート・トリプルノートの使い方です(主に指弾きでの)。
 この音使いとか、タイミング・フレーズはもう達人技です。   
 曲にすごくマッチした使い方をするので、聴いていてすごく気持ちよ〜くなります(^^)
 この曲でも、要所要所でゴキゲンなダブル・トリプルを聴かせてくれています。

 まず、イントロからいきなりですよね(^_^)
 ハイラムの「Oh〜〜〜・・・」のバックで、ダブルの気持ちよいやつを4小節。
 そのあと、グルーヴしまくりのスラップで6小節。  で、またダブル・トリプルで4小節。
 っていう構成のイントロなんですが、僕なんかは、もうここで早くもKOされちゃいます(^^ゞ

 特に最後の2小節は、コード弾きの感じで、音使いのセンスが絶妙です。
 
 このイントロの類似パターンでのダブル・トリプルは曲中にも登場するのですが、そのたびに、もう
 のけぞりまくりになります。  あ〜、気持ちいい!


■ウィルのスラップも大好きです。  サムの重量感のあるサウンドや「タメ」のセンスの良さが特に。
 この曲でも、センスの良さを感じることのきるプレイが随所に聴かれます。
 高速のスラップも楽勝でこなしてしまう彼ですが、こういうブラックなノリも得意ですよね。

 この曲では派手なテクニックは見せていないものの、プルのタイミングとかはよく考えられています。
 (実際は、頭で考えながらではなく、自然と体から出てきているのだと思いますが)


■あとは、例えば合いの手のように入る高音でのグリスダウンや、ちょっとしたフィルなど、けっこう
 好き放題にやっているように聞こえるんだけど、ツボを得ていてキマってますね。
 ところどころで入るハイノートでのフレーズも、すごく的を得ているっていう感じです。
 これもライヴならではといった開放感から来るのでしょうが、この曲全般でウィルならではのプレイが
 堪能できます。


■エンディングは、イントロのパターンで、やはりダブル・トリプルを駆使して気持ちよく終るのですが
 最後のコード弾きは指弾きというよりは、プルぎみに弾いているのがわかると思います。
 そのあと、曲が終ってもダブルで遊んでいたりして、ホント楽しんでいるのが伝わってきます(^。^♪


■このライヴテイク、どこを切っても楽しい・おいしい っていう、まさに「金太郎飴」的(古い!(^^ゞ)
 な仕上がりになっているので、どの部分も「Cool Play!」なんですが、今回は、独断と偏見で、やはり
 
イントロの最後の2小節のダブル・トリプルのところに「Cool Play!」大賞をあげたいと思います!
                   (このコーナー、いつからアワードものになったの? (^_^;))


■と、「MANNY'S CAR WASH」のテイクについてお話してきましたが、オリジナルももちろん良いです。
 ダブル・トリプルなどは控えめですが、「GIVE IT WHAT U GOT」のテイクも聴いてみて下さい。

 この「GIVE IT WHAT U GOT」は、サポートメンバーも良いし、どの曲もよく出来ているので、ハイラムの
 アルバムとしては、個人的にはこちらのほうが好きだったりします・・・(^^ゞ

 ハイラム・ブロックもすっごくお気に入りの1人で、アルバムのことやプレイのことなどについて
 お話したいことがいっぱいあるので、これは「Break #2」のほうでいずれまた詳しく・・・。


■ということで、ウィル・リーのプレイ、他にもほんとに沢山の名演があるので、またとりあげますね。
 

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Hiram Bullock (G)
Will Lee    (B)
Clint De Ganon (Dr)
Terry Weiss   (Key)
Hugo Fattoruso (Key)
ANGELINA  < GIVE IT WHAT U GOT / Hiram Bullock (1987年)>
(Original)        
Hiram Bullock  (G)
Will Lee     (B)
Ricky Peterson  (Syn)
Charley Drayton (Dr)
Don Alias    (Per)
Dave Bargerson (Trombone)
Chris Hunter  (A.Sax)
Lou Soloff   (Trumpet)
Dave Taylor   (BassTrombone)
David Sanborn (A.Sax SOLO)