昨年末、親戚の誘いもあって八重山四島巡り、三泊四日の旅行に出掛けました。私共夫婦には思いもつかない場所です。生来の高所恐怖症、大の飛行機嫌い。遺産は無いものの当然遺書も書きました。三度目です。最初は電電公社勤続25年目に寸志と3日間の休暇が出たときです。
 嫁さんのたっての希望でいやいや乍ら北海道旅行に付き合いました。今回は無事古希も迎えた事だし落ちても子供達に老後の迷惑をかける事もないかと思って。
さて、飛行機は大阪湾を北上、大きく左旋回、素人目には遠回りのようですがお陰様で結構な高さから明石海峡大橋を眺めることが出来ました。
そこで機上の一首。

    のぞきみる 明石淡路に 架ける橋 翼近くの 窓に寄りきて

 天気は上々、その後吉野川渓谷を遡上、弘法大師で名高い讃岐の満濃池も見えたと思います。あの池、独特な形をしてますから、平野の海寄りに見た石垣は丸亀城だったと思います。流石に祖谷の吊り橋までは無理でした。反対側の窓から足摺岬が見えますと放送がありましたが九州上空に入る頃には残念ながら一面雲の海。これが着陸寸前まで続きました。
 離陸後2時間余り、例によって今度は180度右旋回、車輪が石垣空港の滑走路を捉えた時の軽いバウンド。覚悟はしていましたが、内心やれやれ。飛行機嫌いはこんなもんです。たまたま在職中同様窓際に座ったため、一応眼下の景色も楽しみましたがこれも怖いものみたさの裏返し。乗り馴れた人なら離陸後すぐに眠りに入った事でしょう。
 さて、八重山諸島、名前だけは聞いていましたが、改めて地図を見ると沖縄本島から400q。こんなに遠いとは思わなかった。台湾へは190q。台湾領と間違うくらい。
  

 昼下がりで気温は24度、晴れ。夫婦二組なのでツアーのタクシーで早速川平湾へ。パンフレットでは岳一番の景勝地との事。グラスボートでの海上散歩です。マイク片手に立て板に水の説明はしてくれるものの気になったのは珊瑚の元気の無さ、海水温の関係でしょうか。案内さんは、”かくれくまのみ”という熱帯魚を見せたかったんでしょうが、私には太刀魚のようにガラス板を横切った一匹の海蛇の方が印象的でした。
 乗船時間は20分余り、スケジュール順に次は石垣岳鍾乳洞へ。ツアーなのでどんどん進みます。南の岳と言えばハイビスカスやマングローブ、それにブーゲンビリア等が思い浮かびますが、車窓から見た淡い芙蓉の花が派手さもなく、この上ないお出迎えのように思えました。ここでまた一句。

   さりげなき もてなしありて 岳芙蓉

下調べもなくこの島に鍾乳洞がある事も知りませんでした。
4人の平均年齢は68歳、700メートル弱を40分かけて登り下り。結構きついです。途中に案内人が居て記念撮影。案の定写真はあとで買うことに。以前、秋芳洞や龍河洞も廻っているので、格別の感想は無し。12月なので日暮れも早い。夕食は宿泊ホテルではなく隣接のレストランで。
話しに聞く海ぶどうは卓に無し。豚シャブメインの一応会席料理。多分ブランドのもろみ豚ではなかったでしょう。尤も私の味覚では到底判別不可、全体的に期待していた程のものではなかったけれど年齢を考えなければこれで充分。腹も八分目とはうまく言ったもんです。それは兎も角、矢張り飛行機の気疲れが今頃利いてきました。
本日はこの辺でペンを置きます。




旅行日:2017/12/15-12/18
「八重山四島巡り」前編
文/写真:佐阪通久
編集:HP管理人
掲載日:2018/02/11
出典:検島誌.com(yaeyama map)
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