古希のお遍路日記

佐々木 豊


 

60番・横峯寺奥之院 星ガ森より石鎚山

2019.3.12〜4.24 1番・霊山寺〜88番・大窪寺
2019.4.25〜4.26 88番・大窪寺⇒1番・霊山寺

徳島編
高知編
愛媛編
香川編


愛媛編


 お遍路日記(2019.3.12〜4.26)順打ち・通し打ちの記録


   菩提の道場「伊予の国」


4/4(木)晴れ  <24日目>

民宿嶋屋7:05〜8:15松田川西詰めベンチ8:20〜8:35本町通ローソン8:47〜9:00宿毛貝塚〜9:44小深浦〜10:37松尾峠(昼食)11:05〜11:24林道出会い〜11:44春日神社前ベンチ(トイレ有)11:51〜12:04松尾大師12:06〜12:32札掛の宿前12:35〜12:50旧赤坂街道〜13:05大宮神社前休憩所(トイレ有)13:10満倉簡易郵便局13:20〜13:30山茶花クラブいっぷく堂〜13:50とよた茶堂〜14:25「第40番・観自在寺」14:50〜14:55山代屋旅館 1泊2食¥6800 洗濯機¥0 乾燥機¥300

朝食は6時半から。6時でもよかったが、今日の行程は、余裕があったので、ゆっくりした。
国道56号線に出て、一気に宿毛。松田川にかかる宿毛大橋を渡り、西詰にある小公園のベンチで休憩。

宿毛 松田川を渡る 宿毛大橋 北西詰めベンチ(トイレ併設)

 

道路の向かいに遍路休憩所があるが、
交通量が多く、進む方向ではないので
利用しない。
 大月経由で宿毛に来た場合に利用か。
場所として、どうか。道路向かいにトイレ
併設のベンチがあるが。
宿毛大橋 南西詰めにある遍路休憩所

 本町通りを歩き、途中ローソンで昼食等を買い、店頭でコーヒブレイク。更に進み、国道を横断し、宿毛貝塚から松尾峠を目指す。住宅はあるが、かなりきつい坂道だ。人家が途切れ、舗装道路から山道に変わり、しばらくして、小深浦の集落に出る。


 
宿毛貝塚から小深浦へ 小深浦へ

 いよいよ松尾峠の登りにかかるが、結構、上の方まで軽トラが上がれるような道が続いている。かなり山の上の方まで、柑橘類の畑がある。松尾峠が間近になってくると、昨年の豪雨、台風の影響か、道が何カ所か荒れている所もあった。アチコチに地元の小中学生が作った、遍路さんへの励ましのプレートが取り付けられている。

小深浦から松尾峠へ 松尾峠の登り、かなり上まで果樹畑

 松尾峠に到着。誰にも会わない。風と鳥の鳴き声だけで静かだ。いよいよ、伊予の国に入る。まず、峠の愛媛県側にある休憩所で、少し早いが昼食。土佐清水のスーパーで買った、せとかも食べる。みずみずしくて、うまい。

松尾峠 大師堂跡 松尾峠石標(新しい)
松尾峠の休憩所 昼食

 愛媛県側への下りは、整備されており、歩き易い。林道に出て途中の春日神社前にあるベンチで休憩。横に地元の方が管理している、綺麗なトイレもあり、気持ちがいい。空は、雲ひとつなく、風も気持ちが良い。季節が進んだのか高知での風と全然違う。

松尾峠から愛媛県側に下る 春日神社前のベンチで休憩

 15分程で松尾大師、横に休憩所もあるが、手を合わせ、遍路旅の無事を祈って通る。広見交差点を渡り、「札掛の宿」の前にある小さな神社で一服。ここからは注意。前回、のんびり歩き過ぎて失敗したところ。今回は、赤坂へんろ道を歩く。標識もあり、歩き易い。

松尾大師 札掛の宿

 今日は、荷物のうち、冬物や着替えで不要と思われる物を自宅に送り返して、少しでも荷物を軽くしようと準備して出発した。旅館のそばに郵便局があるので「ゆうパック」を利用するつもりだったが、トイレ付きの休憩所で一服し、出発しようとした時、丁度、向かいに簡易郵便局があるのに気が付き、「ゆうパック」で宅配を依頼する。気持ち、楽になった。

林道から赤坂遍路道へ 休憩所の向かいに簡易郵便局があった

 僧都川に出ると左岸堤防を歩く事になるが、向かい風で歩きにくい。2K程歩いたところで、橋を渡り、街中を歩いて観自在寺へ。
参拝後、納経所で歯長峠が、また通行止めになっている事を教えてくれた。


僧都川堤防沿いにある とよた茶堂 僧都川左岸堤防を振り返る
第40番 観自在寺 山門 観自在寺 本堂


 門前の山代屋旅館にチェックイン。2本杖のOさんは、既に到着し入浴中だった。ご主人から、今日は、外国人の泊まり客が5人と聞いた。
入浴後、玄関ロビーに居ると、松山の女性遍路が、表を通りかかる。会ってしばらく話し込む。
彼女は、今日、観自在寺の宿坊泊との事。ここは、素泊まりのみなので、明日のルートの下見と夕食、ビールなどを買ってきたとの事。


4/5(金)晴れ一時曇り  <25日目>

 山代屋旅館7:10〜8:09八百坂峠バス停8:20〜9:15休憩所9:30〜9:42柏郵便局9:55〜10:05柏坂登り口〜10:48柳水大師11:00〜11:07林道横切る〜11:18尾根筋ベンチ11:23〜11:25清水大師11:27〜12:08茶堂休憩所(昼食)12:35〜13:02林道出会い 〜13:55かも田休憩所14:05〜14:43津島大橋南詰め〜14:50三好旅館
 1泊2食¥7500 洗濯機¥200 乾燥機¥200

 朝食後、2本杖のOさんは、直ぐに出発された。外国の方は、まだ起きていない。高知とは気候が違うのか、今日は、暖かくなりそう。歩き始めると暑く、汗だくになる。八百坂峠のバス停で薄手の上着に着替える。よく晴れて、内海がきれい、時々立ち止まって景色を楽しむ。

国道56号線から御荘港方面 バス停八百坂峠

 柏への下り途中、そばに自販機もある休憩所で、荷物を降ろして休憩。先客があり、女性遍路さんが、タバコを吸っていた。2度、国道沿いを歩いたので、今度は、柏坂越えのつもりだと言われる。遍路道の状況、所要時間などを教えてあげたが、もう少し、時間がかかるのでは、と言った。柏郵便局ATMで現金補充、道路向かいのベンチで休憩。腹ごしらえにバナナを食べる。 

外室手付近から 柏への途中、一服

 10分程、川沿いを歩き、いよいよ登り口。やはり、最初は、きつい。柳水大師までに2度、ベンチで小休止。前をみるとズーっと登りが続いている。

国道から川沿いに柏坂へ向かう 柏坂登り口

 40分程、汗をかいて、柳水大師にやっと到着。大師堂そばの湧水をコップに汲んで飲む。うまい。途中、林道を横切り、人手のかかった石積みが現れると尾根筋に出る。ここからは、歩き易い山道。

柏坂 途中のベンチで一服 柳水大師

柳水大師の休憩所 やっと柏坂の尾根筋に

 一旦、尾根道を外れ、清水大師に立ち寄る。尾根筋に戻り、快調に進む。誰とも会わない。景色の良い、つわな奥展望台には、木製の展望台があったが、無くなり、数個のベンチが置かれていた。海がきれいに見える。このあたりから、尾根筋、下りと色々な、地元の言い伝えなどの案内板を見ながら茶堂休憩所を目指す。

清水大師 遍路道のアチコチに説明板

つわな奥展望台(ベンチだけになっていた) つわな奥展望台より内海方面

女兵(おんなひょう)さん 思案の石 説明板の一つ

 昼食休憩を、茶堂休憩所で予定していたが、お腹がグウグウ鳴る。遍路道をどんどん下り、茶堂休憩所。
やっとお昼が食べられる。

柏坂へんろ道 柏坂終点ちかくにある 茶堂休憩所

 休憩所を出て、少し下った所に民家があり、遍路道は庭先を横切っている。前に通った時は、庭で老夫婦が作業をしていたが、人の気配は無い。朽ちた廃屋の脇を遍路道は下っていく。林道に出て、集落の中を20分程歩くと国道56号線。国道と並行して遍路道が続いている。

やっと車道に出る 遍路道は桜が満開

 かも田橋を渡り、国道を横断して、かも田休憩所でトイレ・休憩。再び、遍路道に戻って歩く。国道から一本外れた遍路道は、静かに歩ける。遍路道は、金剛橋を渡って、芳原川右岸に移る。途中、接待処があり、冷たい水をコップに2杯頂く。遍路道が国道と合流した所に津島大橋。

津島・かも田休憩所 岩松川 三好旅館まで、後少し

   
 津島大橋の手前から、岩松川左岸を少し歩くと今夜の宿、
三好旅館。到着、即、入浴・洗濯。古い旅館だが、女将さん
がきさくで、結構、居心地の良い旅館だ。女将さんから、佛木
寺そばにある、「民宿とうべや」が営業再開している。と聞いた。
津島町岩松 三好旅館


4/6(土)晴れ  <26日目>

 三好旅館7:35〜8:13松尾トンネル入口遍路小屋8:20〜8:45わん屋休憩所(最高点)8:55〜9:05採石場車道〜9:30国道56号線手前遍路道〜ローソン、マルナカ〜11:11馬目大師11:15〜宇和島城〜ビジネスホテル鶴島1F喫茶校倉で昼食〜13:05「別格6番・龍光院」13:30〜きさいや広場〜14:50ビジネスホテル鶴島  ¥4000(素泊まり)

 今日の行程は、宇和島までの半日行程。今回、是非、内子の松乃屋旅館にもう一度、泊まりたかったので、前泊は、卯之町あたり。津島から卯之町は、ちょっときついし、歯長峠もある。とすると、丁度、宇和島あたりに泊まる事になる。

 ゆっくり出発。女将さんと手を握り合って、旅館を出る。松尾トンネルまで、快調に歩く。
前回は、雨模様でトンネルを抜けたが、晴天、気持の良い朝。トンネル脇から遍路道を上がる。3度目の歩き遍路だが、ここは、3度とも違う経路を取る事になった。最初は、旧松尾トンネル旧国道、2度目は、松尾トンネル、そして今日。

松尾トンネル脇から遍路道を上がる トンネル脇の遍路小屋 中は畳が1枚、長イス

松尾トンネルの脇から30分程登り、へんろ小屋「わん屋」。ここから3Km程、下りになる。

遍路小屋わん屋(この道の最高点) 遠く高野山に手を合せているイメージ

 国道に出てから、途中、ローソンでビッグシュークリームとアイスコーヒを買い、イートインで食べる。とても糖尿病とは思えないチョイス。暫く歩くと、保田バス停でバスを待っていた方から、「これ、お賽銭にして下さい。」と100円玉を頂く。
有り難く頂戴し、お賽銭袋の中に入れた。マルナカでバナナ、でこぽんを買い、宇和島を目指す。まだ、昼前、国道を離れ、馬目木大師に立ち寄る。建てこんだ民家のそばに、お堂はあった。お参り後、宇和島城に上がり、しばらく休憩。桜が満開で綺麗。市内の眺望を楽しむ。

馬目木大師 桜が満開の宇和島城

 今日、泊まるビジネスホテルは、お城のすぐそばにある。1階の喫茶店で昼食を食べ、ホテルに荷物を預け、別格6番の龍光院に参拝。堂々とした、立派なお寺で、丁度、宇和島城の真向かいの高台にある。戦略的に建てられたようにも思える。参拝後、まだ時間が早いので、道の駅きさいや広場をブラブラして時間をつぶし、ホテルに戻る。市内は、春霞と思ったが、どうも黄砂の影響だった模様。

別格6番 龍光院 龍光院 本堂

龍光院 大師堂 龍光院の正面に宇和島城天守閣が

4/7(日)晴れ  <27日目>

 BH鶴島6:20〜ローソン〜7:07コインランドリーの休憩所7:10〜8:00宇和島光満休憩所(新屋敷)8:06〜8:23務田交差点〜8:42「第41番・龍光院」9:05〜9:45「第42番・佛木寺」10:10〜10:55歯長トンネル手前休憩所11:15〜11:25歯長トンネル〜11:55歯長地蔵休憩所12:05〜12:37見守大師休憩所(民宿みやこ手前)12:45〜13:20「第43番・明石寺」14:05〜14:35まつちや旅館 1泊2食¥7000 洗濯、おにぎり弁当:お接待

 昨日、買ったサンドイッチとバナナ、お湯を沸かしてコーヒを入れ、朝食。今日は、歯長峠付近の状況が判らないので、早く出発する。昨年の豪雨で被害を受けた地域に近い。一昨年も、豪雨で土砂崩れ、通行止めの個所もあった。

 途中のコンビニで昼食を買い、県道57号線を務田に向かう。鳥越バス停付近で地元の74歳のおばさんから、お接待です。と言ってティッシュをもらい、しばらく立ち話をする。光満休憩所で一服。あと1Kmちょっとで務田、もう一息。

県道57号線沿いのコインランドリー 新屋敷 光満休憩所

JR務田駅 第41番 龍光寺

 41番龍光寺の納経所で、歯長峠の様子を尋ねる。車から見ただけでも、数か所、土砂崩れの跡が見えるが、詳しくは判らないとの事。次の札所で、再度、聞いた方がよいとの事だった。 

龍光寺 本堂 佛木寺への遍路道から龍光寺

 納経後、次の札所、佛木寺へ。途中、道路沿いに、秋は、コスモスが植えられ、コスモス街道。また、今は、チューリップが一杯植えられ、チューリップ街道になっている。歩いていて楽しくなる。

佛木寺へ チューリップ街道 第42番 佛木寺

佛木寺 本堂 佛木寺 鐘楼

 佛木寺の納経所で、再度、遍路道の状況を尋ねると、お寺から歯長峠への遍路道は、現在、土砂崩れで通行止め。県道31号線を使う。それ以降は、通行可能と地図で示しながら説明してくれた。
 仕方なく、県道を迂回して歩く。途中、県道も被害を受けたようで、車も通れるが、復旧工事中で、まだ、ガードレールが押し流されたままの所もあった。

県道31号線 復旧工事中、車両通行可 歯長峠下の休憩所

 峠への登り口にある休憩所で昼食。峠の状況が心配だったので、歯長トンネルを抜ける事にした。出口から遍路道に入ったが、想像以上に悲惨な状況。倒木が道を塞ぎ、小さな谷川にかかる橋は、5本中、3本が流され、一旦、谷に降り、対岸に渡って進むしかない状況。また、県道への合流場所は、土砂で埋まり、流されて来た岩が散乱し、どこが道か判らない状態で、やっと県道に出られた。

歯長トンネルを抜け、県道を離れ、遍路道へ 谷に架かる橋が流されている

遍路道を塞ぐ倒木 遍路道を塞ぐ倒木

谷も倒木で埋まっている 遍路道を塞ぐ倒木

下るに従って、ひどくなる 遍路道から県道への合流点

 後日、同宿の方と状況を話した時、その方は、県道へ降りる場所が判らず、飛び降りたと言っていた。もう一人の方は、ずっと県道を歩いて、結構、遠回りで、時間が、かかったと言われた。結局、歯長トンネルから遍路道を通ったのだから、通行可能だったとも言える。と笑いあった。

 歯長地蔵横の休憩所で一服。県道29号線に出るが、このあたりから、奥の方の地域が、昨年の豪雨で大災害を受けたところだ。県道を肱川に沿って明石寺に向かう。民宿みやこ手前にある見守大師で休憩。水道の水を飲む。気温が高く、水が一番か。氷水ならもっといい。

歯長地蔵と休憩所 見守大師休憩所

 明石寺に到着すると、団体さんが、バスを降りるところ。タイミングが悪かった。時間を置く為に門前の売店でソフトクリームを食べる。頃あいを見計らって本堂に上がる。団体は、大師堂で読経中。

 参拝を終え、納経所に行くと、数人が並んでいる。まだ団体のご朱印が終わっていない。終わるまで待たされそうだ。おまけに、一冊を書くのに時間がかかる。置き方を変えたり、筆を握り直したり、個人参拝者は、後回しだ。一人で大変そうだが。各お寺では、納経所には参拝が終わってからと、うるさく言うのに、団体は別か!到着と同時に添乗員が、納経所に全員の納経帳を抱えて走っているのを、何度も見たが。

第43番 明石寺 明石寺から卯の町に下る

高野長英潜伏の家(卯の町にも) 卯の町 まつちや旅館

 参拝後、境内から遍路道を卯之町に向かって一気に下る。旅館に着いて、女将さんに納経所での事を言うと。「やっぱりネ」。個人参拝者は、途中で割り込ませて、ご朱印をくれる所が多いのに、ここは、どうも違うらしい。
今夜の宿泊は、一人だけ。早々、お接待で、洗濯を女将さんに頼んで入浴。


4/8(月)曇り後晴れ  <28日目>

 まつちや旅館7:13〜7:50三好休憩所7:55〜9:03信里庵〜9:12ひじ川源流の里休憩所9:20〜9:30鳥坂トンネル〜10:16札掛パーク休憩所(昼食)10:40〜11:01金山橋〜11:50伊予大洲駅前〜セブンイレブン、マルナカ〜12:48「別格8番・十夜ケ橋」13:05〜13:25新谷へ分岐〜13:51神南堂休憩所13:58〜14:19内子へ遍路道(Yショップ前)14:22〜14:47内子運動公園野球場(トイレ)14:49〜14:55JR内子駅〜15:07松乃屋旅館 1泊2食¥9720

 夜中に降り出した雨は、朝には止んでいた。お接待のおにぎり弁当をもらって出発。5,6分歩いて、ズボンのポケットに手をやると、何かが入っている。歩きながら食べるキャンディでは無い。旅館のルームキーだ。返すのを忘れていた。急いで引き返す。少し歩いただけで助かった。


今日から新学期。卯之町を抜けるまで、
小、中学生の登校の列に、挨拶しっぱなし。
宇和パークを過ぎ、三好の休憩所で一服。
休憩所横にはミニ日本庭園が整備され、
気持ちよく休憩できる。
特に外国人には、人気の様で、壁に一杯、
彼らの写真が貼ってある。
   

三好休憩所

 遍路道は国道と合流。道路沿いのファミマでコーヒブレイク。信里庵を過ぎると10分程でひじ川源流の里休憩所。ここで反射テープ、ライトを出し、鳥坂トンネルを歩く準備をする。
トンネルは1.1Kmあるが、歩道、車道の区別は白線のみ。注意が必要なトンネル。入口に用意された反射タスキもかけ、ライトを点滅させながら15分程で抜ける。30分程、国道を下り、札掛パークの休憩所で、早いが昼食。金山橋まで下ったところで、遍路道に入る。

信里庵 ひじ川源流の里休憩所

鳥坂トンネル(車道、歩道の区別は白線のみ) 札掛パークの休憩所

 大洲城を左に見ながら肱川を渡り、大洲市街地へ。途中、コンビニとスーパーで、明日と明後日の食料を調達する。明日から歩く、内子から久万高原まで店らしい店は、見かけなかった。

大洲城を見ながら肱川を渡る 大洲城

 別格8番十夜ケ橋に参拝。遍路道沿いでもあるし、ここは外せない。近づいて行くと、様子がおかしい。重機が何台か見える。到着してびっくり。本堂がない!完全に取り壊されて、基礎だけになっている。大師堂だけがポツンと立っている。近づいて貼り紙を見ると、昨年の豪雨で水は、お堂の半分位の高さまで来たようだ。本堂は、建て直しを計画されているようだ。
プレハブの納経所でご朱印を頂く。橋下の大師は無事だったとの事。ニュースで豪雨被害は知っていたが、ここまでとは思わなかった。ショック。

別格8番 十夜ケ橋 大師堂 矢印は昨年豪雨時の最高水位を示す貼り紙 

本堂が無い!右の大師堂のみ 2017.3.17撮影の十夜ケ橋 右が大師堂

 気を取り直して、内子に向かう。松山自動車道の高架をくぐり、JRの踏切を渡った所で国道から別れ、新谷の街中を通る遍路道を歩く。街外れの神南堂休憩所で休憩後、内子運動公園の中を抜け、内子の町へ下る。


お遍路休憩所 神南堂 国道56号線から遍路道を内子へ

内子への遍路道 内子運動公園内を通る

 今日の宿、松乃屋旅館は、丁度、内子座の前。3階の半露天風呂を一人占め。気持ちがいい。風呂からの景色は、残念ながら期待出来ないが。夕食の料理が楽しみだ。

内子 松乃屋旅館 内子座

 食事の時に分かったが、柏坂の手前から、何度か会って話をしていた女性遍路さんも同宿。
隣のテーブルだったので、話しながら食べていると、旅館の方が気をきかせて相席にしてくれた。米国から大分に里帰り中で、その間、アチコチ旅行をしたり、お遍路したりしているそうだ。
刺身はダメで全部こちらに回してくれた。ビールが本当にうまい。
明日も、同じ、たちばな旅館を予約しているそうだが、明後日が、雨の予報なので、予定を変更して、コミュニティバスで突合まで行き、明日中に久万高原に行きたいとの事。

松乃屋旅館の夕食 朝食 さつま


4/9(火)晴れ  <29日目>

 松乃屋旅館7:25〜7:37道の駅内子フレッシュパークからり〜8:04中土橋バス停8:07〜8:34長岡山トンネル〜9:06掛木橋バス停9:10〜復旧工事中、通行止。国道を歩く。9:28新成屋橋〜大瀬郵便局〜9:35休憩所9:40〜10:07十郎神社登り口〜10:15サイクリングロード大瀬休憩所10:35〜10:53千人堂〜11:17梅津休憩所11:27〜11:46内子38号休憩所11:55〜12:23宮之谷口バス停12:30〜12:55薬師堂・滝の上橋休憩所13:15〜13:33落合トンネル〜13:56たちばな旅館 1泊2食¥7500 洗濯機¥100 乾燥機¥200

 朝食6時半から。前回と同じ、「さつま」(焼いた鯛を味噌とすり潰し、出汁で伸ばして、麦ご飯にかけて食べる。)内子の郷土料理だった。宮崎県から渡って来た「ひや汁」の変形かも。

 今日の行程は短いので、ゆっくり出発。道の駅に寄ると、開店前だが改装工事中で臨時休業。国道379号線を、まず突合を目指して歩く。バス停が絶好の休憩ポイント。途中、大瀬の手前、掛木橋からの遍路道は、土砂崩れで全面通行止めの看板。仕方なく、そのまま国道を歩く。

 小田川を挟んで、対岸を見ると1個所、大規模な土砂崩れの跡があり、復旧工事中だった。歩行者は、通行可能だったかも知れない。
新成屋橋を渡り、国道から大瀬の集落に入る。すぐの大瀬郵便局ATMで現金補充し、大瀬の館等、街並みを見ながらブラブラ歩く。途中、逆打ちの方とすれ違い、少しの間、立ち話。昨夜たちばな旅館に泊まったが、予約が通ってなくバタついたと。ボヤいていた。

長岡山トンネルそばのお遍路無料宿 大瀬の館
大瀬の家並 大瀬小学校

 今回は、そろそろ疲れが出て来たか、足の調子がもう一つで、曽我十郎神社には、寄らない事にした。明日は、下坂場峠、鴇田峠と二つの峠越えと45番往復、おまけに天気予報は、雨。少しでも、疲れを残さないようにと慎重になった。

 サイクリングロード大瀬休憩所で昼食休憩。川のせせらぎ、ウグイスの声を聞きながら、のどかな時間を過ごす。千人堂、梅津休憩所を経て突合。下坂場峠、鴇田峠方面と農祖峠方面への分岐路にある、お遍路の間で有名な「さかえや旅館」の前を通り、休憩所、バス停と適当に一服しながら歩く。

サイクリングロード大瀬休憩所 小田川に沿って歩く
千人宿大師堂 突合 さかえや旅館前から鴇田峠遍路道へ
吉野川トンネルそばの内子休憩所 上田渡 薬師堂

 道路向かいを、大きな声で携帯通話をしながら歩く、おばちゃん遍路さんがいた。
薬師堂まで来て、隣接の上田渡休憩所で休憩していると、おばちゃん遍路さんも、やって来た。
愛知県から来られ、今夜は、たちばな旅館の手前、えびすや旅館に泊まり、明日は、民宿八丁坂と言われる。同宿だ。せとかを食べようとしていたが、カワイイ子なら、間違いなく半分あげていた。煩悩は、これだけ歩いていても消える事はない。先に出発。急ぐともなく、たちばな旅館に向かう。
 明日は、雨模様なので、場合によっては、八丁坂で止め、45番は、明後日の朝、往復してもいいかも知れない。次が長珍屋泊なので無理な行程ではない。

落合トンネル出口 トンネル出口で国道と遍路道は分岐

 連絡すれば、落合トンネルまで、車で迎えに来てくれるが、今回も、時間的に早いので、旅館まで歩く。たちばな旅館に到着早々洗濯。隣室は、女性が泊まるとの事だったが、米国帰りのKさんは、今朝、内子からコミュニティバスに突合まで乗り、久万高原まで行っているはずだ。まだ、キャンセルの連絡をしていない様だった。後で、女将さんが、キャンセルの連絡が遅い。とボヤいていたが、その代わり、飛び込みの男性遍路さんが泊まった。


4/10(水)雨  <30日目>

 たちばな旅館ーー6:55落合トンネル〜7:40三嶋神社前休憩所7:45〜8:01遍路道・車道分岐〜8:24下坂場峠〜8:50大師堂9:00〜9:25だんじり岩〜9:34鴇田峠〜9:42峠下休憩所10:00〜10:30国道33号線〜10:35総門〜10:50「第44番・大宝寺」11:15〜12:45峠御堂トンネル〜13:00河合休憩所13:20〜13:30民宿八丁坂
1泊2食¥6800 洗濯機¥0 乾燥機¥0

 予報通りの雨。女将さんに車で、同宿者と落合トンネルまで送ってもらう。傘を差して遍路道の県道42号線へ。三嶋神社前の休憩所で一服。雨の日は、どこでも荷物を置いて休憩出来ないので屋根付きのベンチが欲しい。結局、ここから、下坂場峠を越え、集落を通り過ぎ、鴇田峠の登りにある大師堂下の休憩所まで一気に歩く事になった。

鴇田峠遍路道、県道42号線を歩く 三嶋神社
県道42号線を、下坂場峠にむかって 下坂場峠へ、左、遍路道 右、車道
下坂場峠 大師堂下の休憩所

 別荘地を抜け、だんじり岩を通り、鴇田峠。休憩場所はないので峠下の休憩所まで下る。たちばな旅館同宿の方と休憩。昼食を取る。後は、国道33号線まで下り、44番へ。総門から山門まで結構、登り道を歩かされる。参拝中、雨で荷物の置き場所に困る。

だんじり岩 鴇田峠下の休憩所(一昨年は、雪が残っていた)
大宝寺総門 第44番 大宝寺山門

 参拝後、民宿八丁坂向かう。境内から遍路道を峠御堂トンネル出口まで下りるが、どうもおかしい。舗装道路が続き、車の通れる道がどんどん続く。境内から少し歩けば、左に山道、遍路道がある筈なのに。
一昨年も豪雨で一部土砂崩れがあり、昨年も台風などで遍路道が影響を受け、変わったのかと勝手に思い込み、30分程進むと行き止まり。杣道を行ったり来たり。
結局、一旦44番に戻ろうと引き返す。44番へ着く直前、遍路道の標識。傘を差して歩いていたので、視界が遮られ、遍路道に入る場所を見逃したようだ。気を取り直して登る。

やっと峠御堂トンネル脇に来れた 河合休憩所

 約1時間少しのロス。雨の中を歩くのも戦意喪失。河合休憩所で第二の昼食休憩。45番は、明朝、往復する事に決める。民宿八丁坂に早いがチェックイン。民宿の方も45番を往復してはと言ってくれたが、靴の中も濡れて来て、時間ロスがあった事とで、気持ちが萎え、歩く気にはならなかった。

    部屋に入り、直ぐに着替えて洗濯。皮肉なもので
チェックイン後、予報通り雨が止んだ。

夕方、部屋で寛いでいると、夕食前ですが。
とブルーベリーの入った大福餅を持ってきて
くれた。熱いお茶を入れ、美味しくいただいた。
設備といい、スタッフの方といい、この民宿は、
お遍路旅には外せない宿と思う。
民宿 八丁坂


4/11(木)曇り後晴れ  <31日目>

 民宿八丁坂6:37〜6:47県道、遍路道分岐〜7:13八丁坂登り口〜7:30尾根・茶店跡〜8:07「第45番・岩屋寺」8:35〜9:02国民宿舎古岩屋荘前〜9:48民宿八丁坂9:55〜10:25峠御堂トンネル久万高原休憩所10:35〜11:00国道33号線〜道の駅、ファミマ〜11:30仰西渠〜12:15桧垣桜公園休憩所12:33〜12:58三坂峠〜13:24一ノ王子社跡休憩所〜13:38松本屋前13:45〜14:05網掛大師14:08〜14:20丹波の里接待処14:30〜14:57「第46番・浄瑠璃寺」15:12〜15:22「第47番・八坂寺」15:41〜15:55長珍屋  1泊2食¥8100(新館)


 朝食6時から。昨日、45番往復を中止したので、久万高原を下る前に、民宿のロッカーに荷物を入れて、空身になって急いで出発。10分程で県道との分岐、遍路道に入る。少し、肌寒いが、やはり空身では歩き易い。今夜は、46番門前の長珍屋だが、出来るだけ早く民宿八丁坂に戻りたい。唯一、歩き遍路が裏門から入る札所と言われる岩屋寺。参拝後、境内で少し休憩して民宿に戻る。3時間チョットで戻れた。結果論になるが、昨日なら、雨の中を往復。今日に延期して良かった。ロッカーから荷物を出して出発。

県道12号線から遍路道へ 八丁坂 茶店跡
逼割行場 岩屋寺山門(裏)
第45番 岩屋寺 本堂 岩屋寺山門(表)
帰りは、県道12号線で 国民宿舎 古岩屋荘

 峠御堂トンネルは、工事の為、片側車線規制。ここも、車道、歩道の区別が白線のみの所で、危険なトンネル。歩行者は、規制中の車道を歩けるので、安心して歩けた。陽がさしてくると暑い。トンネルを抜けた所にある休憩所でヒートテックを脱ぎ、半袖のTシャツに着替える。

民宿八丁坂を出て県道を峠御堂トンネルへ 峠御堂トンネル脇の休憩所

 前回は、前日に45番を往復していて、のんびり、喫茶店に寄ったりしながら歩いたが、今日は、3時間の遅れがあるので、少し急ぐ。民宿桃李庵前を過ぎ、少し先の桧垣桜公園の休憩所で丁度、お昼。昼食を食べる。止まると、風が冷たく寒いが、桜が綺麗に咲いている。

国道33号線を三坂峠へ 桧垣桜公園休憩所

 休憩所から30分足らずで三坂峠。国道だが、車の往来が、殆ど無い。桃李庵手前で分岐する新しい国道33号線の三坂道路に、車は、殆ど、流れて行く。

三坂峠から旧国道と別れ久万街道を下る 下り途中から松山方面

 大体の時間の目途がついた。気持ち少し、のんびりする。峠から遍路道、と言っても久万街道を一気に下る。このあたりに来ると、江戸時代の遍路さんの墓が結構目につく。やはり、今と違って厳しい旅を続けていたのだろう。地元の人も手厚く葬って、供養をしているから、現在も残っているのかも知れない。下る途中、前回は気付かなかったが、山道の脇にポツンと小さな墓碑があった。近づくと、西成郡木津村と読めたので、大阪からの遍路さんのもののようだ。その他、畑の脇などにあり、今でも、お花を供えてある。

一の王子社跡の休憩所 お接待処 松本屋(土、日のみ)

 結局、桧垣桜公園の休憩所から休憩なしで、松本屋まで来た。ここは、土日だけボランティアの方が来て、お遍路のお接待をしているので、今日は無人。福岡からのお遍路さんが、先に休憩していた。一服して一言二言、話して、先に出発。時間的に八坂寺往復も可能だ。明日は、札所も多く、距離もあるので、出来れば、今日中に打っておきたい。

 網掛大師を過ぎて、まもなく、丹波の里接待処があった。民宿で、他の遍路さんから、木曜日限定で開けていると聞いていたので、呼び止められた事もあり、立ち寄った。お茶、お菓子を頂き、でこぽんとせとかを、1個づつあつかましく頂き、納札を渡して退去した。長珍屋で同宿の方に聞くと、昼時に通ったので、バラ寿司をご馳走になった。との事。
ちなみに松本屋では、手打ちうどんを出してくれる。

網掛大師 網掛石
網掛石の表面 丹波の里お接待処(木曜日のみ)

 15時前に浄瑠璃寺に到着。納経所が楽しみだったが、残念、若い女性が一人座っていた。娘さんかも知れない。納経後、長珍屋に荷物を預けてと思ったが、そのまま次の八坂寺へ。参拝後、再び、浄瑠璃寺に戻って、門前の長珍屋へチェックイン。

第46番 浄瑠璃寺 浄瑠璃寺 大師堂
第47番 八坂寺山門 八坂寺 本堂
八坂寺山門の天井画 長珍屋

 遍路宿としては、規模が大きく、いつも団体参拝客が泊まっている。今回も、団体で騒々しいかなと思い、少し高いが、新館を予約したが、今日は、珍しく団体客は、なし。個人が数人泊まっているだけ。判断を誤った。その代わりに、大浴場にゆっくり浸かれた。
 松乃屋で同宿の、米国から里帰り中のKさんも同宿。今日は、ビールは飲まなかったので、彼女の刺身は、他の方に回した。従業員から、明日の朝食時間を聞かれ、皆に合わせて6時から。


4/12(金)晴れ  <32日目>

 長珍屋6:40〜7:05別格9番・文殊院7:07〜7:35札始大師堂7:40〜8:05「第48番・西林寺」8:25〜9:00接待処9:13〜9:18「第49番・浄土寺」9:40〜9:59「第50番・繁多寺」10:25〜10:57「第51番・石手寺」11:20〜11:36道後温泉本館前〜12:00一草庵12:30〜14:04大将軍神社14:06〜14:20一の門〜14:23「第52番・太山寺」15:00〜15:25「第53番・円明寺」15:47〜15:48民宿上松 1泊2食¥8000 洗濯機¥200 乾燥機¥200

 今日は、札所6、別格他2寺を予定しているので、早く出発する。昨日、八坂寺を打っているので、門前を通り過ぎ、文殊院、札始大師堂を経て、久谷大橋を渡って、西林寺へ。

八坂寺から文殊院へ 別格9番 文殊院
札始大師堂 第48番 西林寺 山門
西林寺 本堂 西林寺 大師堂

 浄土寺の山門が見え、県道を渡る直前、おばさんから、コーヒでも飲みませんか。と声をかけられ、見ると接待処。地元のお年寄りが集まって、手芸やカラオケなど楽しむ、専用のサロンを、お遍路接待処としても使っているとの事。札所は、すぐそこだが、お言葉に甘えて、コーヒを頂き、暫く話し込む。キャンディを入れたビニール袋や、手芸で作ったアクセサリーの草鞋を頂き、お礼を言って浄土寺へ。朝から、気持ちがいい。

第49番 浄土寺 山門 浄土寺 大師堂

繁多寺、石手寺と適当な間隔で札所があるので、途中休憩が不要。石手寺門前の店は、平日の為か、閉まっている店が多かった。

第50番 繁多寺 山門 第51番 石手寺
石手寺参道 石手寺に建つ大師像

 義安寺、道後温泉本館前を通り、商店街を抜けると食堂「大黒屋」。まだ昼前なので、空いているかなと思って入ると、店内には、もう待ち客が並んでいた。ここでの昼食は、あきらめ先に進む。そばのファミマで昼食を買い、一草庵で食べるつもりで歩く。

道後温泉本館前を通る 種田山頭火終焉の地、一草庵にて

 八丁坂、長珍屋と同宿で、今夜も、民宿上松で同宿と聞いていた、広島から来られたOさんとこのあたりから、同行する事になった。Oさんは、種田山頭火に興味があり、関連する本を自宅に70冊程、持っておられるようだ。一草庵前のベンチで2人で話しながら、昼食。

 前回のコースタイム資料を見ると、結構、早く来ているようなので、歩調を合わせながら2人で歩く。大将軍神社で一服後、太山寺へ。ここは、一の門から本堂までが長い。お遍路に出発前、昨年の台風で参道が土砂崩れし、本堂まで行けないので、仮本堂との情報があったが、復旧工事中ではあったが、本堂まで上がれるようになっていた。2カ所程、土砂崩れの跡があった。

第52番 太山寺 太山寺 本堂(国宝)

 参拝後、円明寺までは、一直線。民宿上松は、門前から、すぐの所。洗濯、入浴の後、夕食。
普段は、個々の部屋で食べるが、今夜は、2人だけの宿泊。一緒にチェックインしたので、女将が、夕食はどうします。一緒に食べられますか。と聞いたので、同じ部屋で食べることにした。
Oさんは、区切り打ちをされていて、明日は、今治まで行き、帰宅すると言われた。

第53番 円明寺 円明寺 本堂


4/13(土)晴れ  <33日目>

民宿上松6:40〜7:40小川大師堂7:45〜8:28スーパーエース8:35〜8:50西ノ下大師堂〜9:18太田屋ビジネス旅館前〜9:25マルナカ9:35〜9:55鎌大師10:05〜10:48JR浅海駅11:15〜12:10遍照院12:10〜13:00青木地蔵13:06〜14:11星ケ浦海浜公園14:25〜14:50あさひや旅館 1泊2食¥6000

 朝食、6時前。Oさんは、朝食後、すぐに出発。見送る。外に出ると、円明寺門前脇にある、お堂の前に野宿のお遍路さんが1人。荷車を曳いている。女将さんに聞くと、数日毎に、そこで野宿をしているとの事。周辺を回っているだけか。

 支度をして出発。いよいよ、今日から瀬戸内海沿いを歩く。海が見えた。感無量。太平洋を見ながら、徳島、高知を歩き、生まれ故郷の今治に近づいて行く。風が冷たいが、気持ちが良い。

 小川大師堂で休憩。途中のファミマで昼食等を買う。キャンペーンの抽選で、大きめの缶コーヒが当たった。店員が他のファミマでも交換出来ると言ったが、もらってザックに積む。2リットルのコーラでなくて良かった。

やっと瀬戸内海(堀江湾) 小川大師堂

 伊予北条の太田屋の前を過ぎ、立岩川を渡ってマルナカで一服。ここから、少し南に歩き、鎌大師に向かう。前回、お寺の場所が判らず、通り過ぎたところだ。

県道179号線を歩き、伊予北条を過ぎる 鎌大師へ

 角の案内板に鎌大師へ300mと書いてある。300m位進んでも田んぼばかり。地元の人に聞くと、もっと先にある。との事。どう見ても1Km位はあるところにあった。前回は途中で、あきらめ車道に上がって歩いたので気がつかなかったようだ。
鎌大師に着くと、先に出発したOさんも参拝中だった。これから浅海駅まで歩き、電車で今治へ出て、南光坊を打った後、帰宅する予定だと聞き、浅海駅まで同行する事にした。

鎌大師 鎌大師
峠を越え、途中の休憩所より浅海方面 JR浅海駅

 峠を越え国道まで下ると、浅海駅。電車の発車時刻まで40分程あったので、待合室で昼食をとり、時間待ちの間、話し込む。そろそろ電車が到着する頃になったので、挨拶をして別れる。八丁坂、長珍屋、上松と3泊連続で同宿。少し寂しい気がする。

 再び、一人で国道を歩く。駅から15分位で、今治市に入る。やっと今治まで来た。遍照院、菊間の町を抜け、青木地蔵に立ち寄る。

遍照院 瓦の町 菊間町
青木地蔵 青木地蔵

 星の浦海浜公園で休憩。国道から県道15号線に入り大西駅前にある、あさひや旅館に到着。同宿は東京から来た、高齢の女性遍路さん。

星の浦海浜公園 JR大西駅前 あさひや旅館


4/14(日)曇り一時雨後雨  <34日目>

 あさひや旅館7:18〜8:03「第54番・延命寺」8:33〜9:10別宮大山祇神社9:15〜9:18「第55番・南光坊」9:50〜今治城〜今治商店街〜10:50喫茶「まいるど7」11:57〜12:35「第56番・泰山寺」12:55〜13:07日高休憩所13:10〜13:32「第57番・栄福寺」14:00〜14:10犬塚池堤防〜14:32「第58番・仙遊寺」14:55宿坊 1泊2食¥6000作務衣¥300洗濯機¥200 乾燥機¥100/13分

 予報は、午前中、雨。昼前には止むとの事であった。出発時、曇っていたが、雨は、降っていない。念の為、ザックカバーを付けて歩く。54番、延命寺まで来るが、まだ降らない。

第54番 延命寺山門 延命寺 本堂

 大谷墓園の中を通り、今治市街地に出る。海に向かって歩き、大山?神社を参拝した後、隣の南光坊へ。話好きの納経所のおじさんに、納経帳に付ける名前を書いてもらう。ここで少し雨、傘を持って歩く。

別宮大山祇神社 第55番 南光坊 山門
南光坊 本堂 南光坊 大師堂

 今日は、休息日にあてていた。普通に歩いても、仙遊寺には、午前中に着いてしまう。当初から、まず、今治城を見学。と言うのも、今治市(市町村合併で今治市になった)生まれで、島に住んでいる時は、何度も、今治に来ているのに、今治城の中に入った記憶は無い。バスの車窓から見た事がある程度。城内の桜は、少し遅かったが、小じんまりとした綺麗なお城だった。

今治城 今治城天守閣

 城を出ると、堀端に消防車が並び、隊員も大勢いたので、何か、イベントがあるのですか?と隊員の一人に聞くと、一斉放水をするのだと言う。何時頃から?と聞くと、11時・・・。
それまで待てないので今治駅に向かう。この頃、雨がやや強くなってきたので、今治銀座商店街のアーケードを歩く。商店街を抜けると、雨は止んでいた。

今治城お堀端に消防車、隊員がずらり 今治銀座商店街

 お昼は、一昨年、偶然入った駅そばの喫茶店のママが、同郷だと分かった「まいるど7」でと思っていたので、駅を通りぬけ、喫茶店に行く。電気が消えている。中に入ると、ママが居て今日は、定休日との事。今、買い物から帰って、店に来たところと言う。エ〜定休日。昼ご飯をここで食べようと、折角来たのに。

 覚えていないと思うが、一昨年3月に来た、同郷のお遍路です。と言うと。コーヒを飲む?食パンを持っていたので、昼ご飯にトーストでも焼いてよ。とお願いすると。いいよ、サンドイッチでもしようか。と言ってくれ、結局、コーヒとサンドイッチの昼食にありつけた。2人で1時間程、郷里の事など話し込み、住所、名前を交換して店を出た。

JR今治駅 今治駅横の喫茶「まいるど7」

 今治城と喫茶店に立ち寄り、と予定通りに時間を使えたので、お遍路に戻る。泰山寺、栄福寺と巡拝。栄福寺では、4人連れの外国人女性が、白衣を着て参拝に来ていたが、線香、蝋燭などもなく、勿論、お経も、手を合わせる事もなく、何をするかと興味を持って見ていると、看板など、漢字が書かれている物を写真に撮っていたようだ。興味の持ちどころが違う。当然、納経帳を持っていて、納経所にも行っていた。この時間だと、仙遊寺にも回るようだ。

第56番 泰山寺 本堂 泰山寺 大師堂
栄福寺へ(一昨年は地道だったが、舗装されていた) 第57番 栄福寺
栄福寺 本堂と大師堂 犬塚池を通って、仙遊寺へ

 栄福寺を出る頃、雨がパラツクも傘を差す程ではない。後少しで仙遊寺山門という所で、急に雨が強くなり、傘を差す。前回に続いて、仙遊寺は、雨の中を参拝。宿坊に入ると暇なので、洗濯をし、入浴。温泉で少しぬめりがあり、気持ちが良い。埼玉、静岡から来た方と話しながら湯につかる。

仙遊寺山門 仙遊寺 本堂
仙遊寺 大師堂 仙遊寺宿坊

 今夜の宿泊は、子供2人を連れた、フランスから来た家族4人と、栄福寺で見た、南アフリカの女性4人で、外国人8名、日本人は4名。
ここの食事は精進料理で有名。玄米ご飯に、味の薄いおかず。フランスの子供(8歳、12歳)は、見ているとあまり、手をつけなかった。かわいそうに、お腹が空くと思うが。

 食後、日本人4人で談笑。中でも、紅一点、長野市から来たお遍路ガールのFさん、陽気な方で、コーヒを入れてくれ、座を和ませてくれた。仕事もあるのでと、区切り打ちのようだ。また、フルマラソンの大会に何度も出場。4時間30分位で走ると聞き、一同、エッ〜。
明日は、6時から朝のお勤め、住職の話が長いのでも有名。
     
4/15(月)晴れ  <35日目>

 仙遊寺宿坊7:25〜7:46林道出会い〜8:25喫茶千羽鶴(定休日)8:30〜8:51「第59番・国分寺」9:12〜10:05道の駅今治湯ノ浦温泉10:35〜11:05世田薬師11:10〜11:30自安橋〜11:38道安寺11:43〜11:45臼井御来迎11:47〜11:55JA周桑芳井支所レディス・カフェ12:10〜12:15日切大師12:17〜12:50河野商店前12:53〜14:08石鎚橋〜14:20大頭ファミマ14:35〜14:50小町温泉しこくや 1泊2食¥8640

 朝、6時からお勤め。住職の話も聞き40分で済む。参加12名の内、日本人は4名なので、他の8名は、座ってはいるもののチンプン・カンプンではなかったか。短かったのは、ご住職も空気を読んだのかも知れない。と4人で意見一致。

仙遊寺から国分寺へ 喫茶千羽鶴 本日定休日

 例によって、朝は、玄米のお粥さん、お腹がダボダボ。国分寺への下りで、もうお腹が空いてくる。1時間程歩き、喫茶千羽鶴に立ち寄る。モーニングコーヒで2度目の朝食をと考えていた。
着いてガックリ。本日、定休日の貼り紙。どうしょうも無い。余計、お腹が空いてくる。悲劇。
店先のベンチに腰を降ろして、一服。重い足をひきずり、国分寺へ向かう。

 国分寺の境内で、昨夜同宿の静岡から来たMさんと長野から来た、お遍路ガールFさんと出会う。彼女は、ここから最寄駅の桜井駅に行き、電車で小松に行くのだと言う。小松連泊で、横峰寺往復を考えているようだ。

第59番 国分寺 国分寺 大師堂

 Mさんとは、今夜も同宿。道の駅まで同行。昼食の為、道の駅に立ち寄ったが、Mさんは、そのまま、遍路道を歩いて行かれた。昼食後、道の駅で、でこぽん3個300円で買う。1個か2個売りがあれば。とレジで言うと、笑いながら、そこで1個、食べてはどうですか。と言われた。それはそうだと、外のベンチで1個を食べる。荷物を少し減らせた。

道の駅 今治湯ノ浦温泉 世田薬師

 道の駅から、しばらく県道を歩き、遍路道へ入る。途中、県道との分岐路にある世田薬師に立ち寄り、参拝。遍路道に戻り、臼井御来迎や日切大師にも立ち寄り、丹原へ向かう。

臼井御来迎 臼井御来迎

 JA周桑三芳支所前を通ると、構内から婦人が、声をかけながら手作り饅頭を持って来てくれ た。お礼を言って歩こうとすると、お茶でも飲んで行きませんか。と言われ、構内を見るとテントを張り、テーブルと椅子を置いて、何人かの婦人がガヤガヤとしている。それではと近づいて椅子に座らせてもらう。今日は、年金の日なので、こうして婦人会が集まっていると言われた。
年金の日?15日は年金の振込日だからそうだ。レディース・カフェを開き、お遍路のお接待もしているようだ。

 お言葉に甘えて、お茶をいただく事になったが。何と、番茶ではなく、そばで、抹茶をシャカシャカ。エ〜こんなん初めてやワ。先に饅頭を食べて下さい。と言われ、食べてからお抹茶をいただく。作法も、くそもあるものか。意外や、喉を通る時、スゥーと気持ち良く、おいしい。
ご婦人達としばらく話し込み、写真も撮っていただいて、お礼を言って退去。

JA周桑三芳支所 レディ−ス・カフェ レディ−ス・カフェの皆さんと

 丹原に近づくと、石鎚山が、谷筋に雪を残して顔を出している。それを見ながら歩くのも楽しい。石鎚橋を渡り、大頭の交差点にくると、小町温泉はもう少し。
ファミマに立ち寄り、煙草やバナナ等を買うと、また抽選。今度は、缶入りの炭酸飲料。面倒なので、イートインで飲んで出る。遍路道を外れ、15分程で、小町温泉「しこくや」に到着。Mさんは、4,50分前に到着、入浴も済ませていた。ここの温泉も、いい湯だ。

遠く石鎚山が顔を出している 石鎚橋を渡る


4/16(火)晴れ  <36日目>

 しこくや7:13〜7:25大頭ファミマ7:35〜8:04大郷休憩所8:09〜8:30喫茶てんとうむし前〜8:40八幡神社前〜8:57湯浪休憩所9:15〜10:06八合目お堂10:12〜10:29「第60番・横峰寺」11:10〜11:22星ガ森〜11:29横峰寺境内休憩所・昼食11:40〜12:21ベンチ(奥の院3.9K)12:26〜12:55休憩所(奥の院2K)13:05〜13:35奥の院13:40
14:10「第61番・香園寺」「第62番・礼拝所」14:50〜(62番・宝寿寺)〜15:12旅館小松1泊2食¥6700 洗濯機¥0 乾燥機¥100

 大頭ファミマで昼食、お茶等を買い、まず湯浪に向かう。前回は、雨の中、傘を差して歩いたが、今日は、お天気も良く、気持良く歩ける。鳥のさえずり、沢の音だけで静か。

小町温泉しこくや 谷川に沿って湯浪へ
横峰寺への登り口にある、湯浪の休憩所
で、沢の水を飲み、せとか1個を食べ、少
し荷物を軽くする。
地元の女性が車で上がって来て、靴をトレ
ッキングシューズに履き替えている。横峰
に登るのですか。と声をかけると、星ガ森
まで、散歩に来ました。
散歩。これからの登りが、こちらは、負担
になっているのに。
 
湯浪休憩所

 沢に沿って登って行く。まだ、登りとしては、きつくない。道が沢から離れるに従い、登りがきつくなってくる。5丁石上のお堂まで、休憩なし。途中、ベンチなどは、ない。ここまで来ると、後少しの登り。

横峰寺へ登りにかかる 沢沿いの登山道
五丁石の上部にあるお堂 第60番 横峰寺

 山門をくぐると、登り口で会った方が居られ、本当に、散歩のように涼しい顔で、星ガ森では、石鎚が綺麗に見えましたよ。と教えてくれた。
横峰寺参拝後、納経所に行くと、「歩き?」「歩きです。」と答えると、「これ食べて、甘いものを補給して。」と饅頭を1個くれた。お礼を言って、横の休憩所で昼食。

横峰寺 本堂 横峰寺 大師堂

 休憩所の前にいると、体格のいい青年が、汗だくで上がって来た。いきなり、国分寺から6時間で上がって来ました。と言われ、その馬力に驚いた。後で聞くと、大学生かなと思っていたが、岡山から来た、44歳のO君。初めてのお遍路、同宿の方の予定を聞き、自分も同じ行程でと、国分寺から横峰寺に登り、小松に泊まる事にした。らしいが、その方は、電車も使っての行程であったようで、勘違いをして、歩いたそうだ。

 荷物を置いて、星ガ森へ。10分足らずで到着。正面、間近に、石鎚山が綺麗に見える。来て良かった。でこぽんを食べながら、お寺に戻る。

星ガ森 星ガ森から石鎚山が正面に見える

 さぁ今度は、香園寺に向かって下山。靴ひもを締め直す。最初は、どんどん車道を下って行く。途中で、香園寺への遍路道に入る。(車道をこのまま下ると、京屋支店に下る)結構、長い下り。
1時間少し下って、やっと奥の院まで2Kmの休憩所。まだ、下り。30分程で、白滝奥の院。小休止後、車道を香園寺へ。

車道から左へ 香園寺への遍路道 香園寺 白滝奥の院

 香園寺で、蝋燭、線香をあげていると、逆打ちの年配の方が、62番で600円取られた。とボヤいていた。62番問題を、ご存知ないようだった。参拝後、こちらも迷ったが、駐車場にある62番礼拝所で、取りあえず、ご朱印を頂き、62番には寄って行こうと歩きだす。

第61番 香園寺 香園寺 子安大師
香園寺駐車場にある62番礼拝所 香園寺

 門前に到着すると、何人かの遍路さんが参拝していた。本堂前の納経所が関所のようで、また、手水場はカラーコーンで囲われ、無断撮影禁止の貼り紙が見える。他のお寺とは、雰囲気が違う感じがした。門前から境内に入らず、旅館小松に向かう。

第62番 宝寿寺 宝寿寺本堂前に、建物が建ち本堂が見えない
お遍路と関係の無いところでトラブル
早く解決が出来ないのか

 入浴後、ロビーにいると、国分寺で別れたお遍路ガールFさんが帰って来た。こちらを見るなり、手を握って再会を喜んでくれた。少し、照れくさかったが、陽気な彼女らしい。連泊して、横峰寺を往復、下山後、近くの札所も周って来たと言っていた。

  夕食時、隣にO君が座ったので、過去、
2度共、完食していない夕食の肉を、少し、
O君に取ってもらった。これで、その分、
ビールが飲める。Fさんも、それを見て、
自分の肉もO君に取ってもらっていた。
鍋の大きさは、小さくなったとは言え、まだ、
量的には、年寄りには多いように思う。
精肉店が経営では、仕方ないか。
ビジネス旅館小松(平屋建て)


4/17(水)曇り時々晴れ  <37日目>

旅館小松6:45〜7:10「第63番・吉祥寺」7:32〜7:55阿弥陀寺〜8:05石鎚神社8:25〜8:28「第64番・前神寺」8:57〜9:43武丈公園休憩所9:55〜10:20地蔵庵〜10:40西条飯岡郵便局〜10:59国道11号線と合流〜11:22渦井橋下休憩所(昼食)11:42〜12:10萩生庵12:15〜12:40喜光地商店街ベンチ12:50〜12:55横屋休憩所〜13:32坂下大師堂〜14:00関の戸自販機コーナ14:10〜14:37弘法の館(トイレ有)〜15:12国道11号線〜15:30「別格12番・延命寺」15:55〜16:03つたの家 1泊2食¥7600
洗濯機¥0 乾燥機¥0

 朝食6時から。Fさんは、朝食抜きか、既に出発。吉祥寺に行く前、ローソンで昼食の準備。今日は、車の騒音が激しい国道を歩きたくないので、出来るだけ、遍路道を歩こうと思う。

第63番 吉祥寺 山門 吉祥寺 大師堂

 吉祥寺参拝後、すぐ国道を渡り、遍路道に入る。石鎚神社まで、そう遠くないので一気に歩く。札所ではないが、ここも訪れたかった。結構大きな神社で、本殿までの石段に、石鎚山の鎖場の鎖を取り付けている。掃除をしている神社の方に、鎖を持って上がれば、石鎚山に登った事にならないか?と言うと、それは、その人の気持ち次第です。と答えが返って来た。座布団1枚。

石鎚神社 石鎚神社 山門
石鎚山の大鎖を階段に取りつけている 本殿

参拝後、隣の前神寺へ。昨夜、同宿の方達も先着して、参拝を終えられたところだった。

第64番 前神寺 山門 前神寺 本堂

 前回は、雨で、少しでも歩く距離を短縮しようと、国道を歩いたが、今日は、曇り空だが、雨の心配はなさそうなので、遍路道を歩くことにした。途中、西条郵便局ATMで現金補充した後、渦井橋を渡り、河川敷に設けられた休憩所で昼食をとる。
昼食休憩後、少し先から旧街道に入る。国道11号線と並行しているが、車も少ないので、静かに歩ける。

国道11号線を離れ、遍路道へ 地蔵庵
昔の面影を残す遍路道 六地蔵

 萩生庵で一服。喜光地商店街に入る手前に果物店があり、せとかを1個売りしていた。1個50円にまけてくれ、おまけに、でこぽんも1個くれた。ラッキー。商店街は以前より、活気がなく、シャッター通りになっていた。前回、みかんを買った店も閉まっていたようだ。

渦井橋下の休憩所 萩生庵

 旧街道をえんえんと歩く。再び、国道と合流。関ノ戸への登りにかかる。峠手前の自販機コーナーで一服。昨夜同宿の女性遍路、大阪から来たKさんも追いついて来た。トイレが心配で、コンビニのある国道を歩いて来たと言っていた。今夜は、つたの家が満室で、近くの松屋旅館に泊まるとのこと。

関の戸へ 坂下大師堂 関の戸への途中 屋内は平坦?

 先に出発。峠を越え、少し先で、再び遍路道に入る。国道より、若干遠回りになるが、静かに歩ける。国道に合流し、横断、JRの踏切を渡って20分程で、別格12番延命寺。参拝後、納経所には誰も居ない。出たり入ったり、境内をウロウロしていると、やっと気がついて、お寺の住居から出て来てくれた。あまり、参拝者は来ないのかも知れない。

別格12番 延命寺 延命寺 本堂
延命寺 大師堂 中に納経所もあるが 延命寺の「いざり松」

 今日は、宿の女将さんから、買い物に行くので16時以降チェックインして欲しいと言われていたので、丁度の時間に到着。即、洗濯。ここは、洗濯機は数台あるが、乾燥機は1台だけなので、早く確保しないと、他の方に使われてしまう。
夕食時、若女将から、女将さんが横笛を聞かせてくれる。と言ったので期待したが、都合が悪く、明日、朝食の時に演奏してくれる事になった。岡山のO君と同宿、明日、民宿岡田でも同宿になるようだ。


4/18(木)晴れ  <38日目>

つたの家7:40〜8:09村山神社〜ファミマ〜9:10諏訪神社〜9:34寒川小学校前〜9:55秋桜休憩所10:07〜10:15日よけ大師〜10:50銅山発電所・戸川公園休憩所11:10〜11:30ひびきベンチ11:57「第65番・三角寺」12:20〜13:15ゆらぎ休憩所13:20〜13:47「別格14番・椿堂」14:05〜14:38しんきん庵法皇休憩所14:48〜15:10境目トンネル〜15:25レストラン水車15:35〜15:51民宿岡田 1泊2食¥6500 洗濯機¥0 乾燥機¥100 お接待:おにぎり弁当

 朝食6時50分から。昨夜、女将さんが横笛を、朝食を食べながら聴かせてくれると言う事で、楽しみにしていた。「荒城の月」を演奏してくれた。こんな機会は、めったに無いのでラッキーだった。

女将さんが、横笛の演奏を聴かせてくれた つたの家

 今日の予定は、少し厳しいので、支度が出来次第出発。国道11号線と並行する遍路道を途中のファミマで買い物と小休止だけ。2時間半程歩いて、三島市街。国道との交差点にある秋桜休憩所で、先に休憩していた、地元の散歩中の方と話しながら休憩。

伊予三島 しんきん庵・秋桜休憩所 日よけ大師

 出発しようと立ち上がった時、長珍屋で同宿だった、大柄の女性遍路さんが通りかかる。
4,50Km位は、平気で歩かれると言う方で、速い。必死で付いて行く。何とか、銅山発電所まで来て、休憩しようと止まるが、その方は、歩き続けられた。

 松山で3日程、遊ぶと言っていたが、聞くと、石鎚山に登りに行ったとの事。しかし、鎖場より上は、凍結。装備が不十分で止められ、止む得ず、頂上まで行かずに降りたらしい。

秋桜休憩所も通り過ぎたので、休憩はどこでするんだろうと思いながら、発電所向かいの公園で昼食休憩をする。

銅山発電所前にて 戸川公園の休憩所(銅山発電所の直ぐ先)
三角寺への登り ひびき休憩所

 汗だくで、愛媛県最後の札所、三角寺に到着。彼女と岡山のO君は、既に参拝を終えられたところだった。途中、どこで休憩したのか聞くと、あれから休憩なしで三角寺まで登って来たとの事。次元が違う、怪物か。

第65番 三角寺 三角寺境内

 参拝を終え、椿堂に向かっての下り、また、道を間違えた。2度来ているのに。山門から、右に車道を行くところ、左に行ってしまった。少し下って、途中で引き返したが、首をかしげながらも、再度、左へ下ってしまった。標識も椿堂へ5.9Kmと、左を向いてあったので、右に行くのではなかったか、と疑問に思いながら行ってしまった。44番でも同じ感じで、おかしいな、と思いながら行ってしまう。今回の方向感覚は、おかしい。

ゆらぎ休憩所 椿堂への下り  椿堂が見えて来た

 地図で確認すると、一旦下って、谷を越え、再度登って、ゆらぎ休憩所で合流する道を歩いていたようだ。途中、集落の中にも、遍路標識があったので、丸っきり間違いでは無いだろうが、少し、遠回りになったかも知れない。ゆらぎ休憩所に着いた時は、ホッとした。

 休憩所で一服後、椿堂に向かって下る。別格14番・椿堂を参拝後、納経所に行き、ご朱印をもらい、300円を支払うが、納経所の方から、歩きですかと聞かれ、歩きです。と答えると、再度、全部、歩きですか。と聞き返され、1番から歩きですと答えると、歩きの方には、お接待で納経料は頂きません。と300円を返してくれ、それからと言って、これも持って行ってと、ペットボトルのお茶を1本手渡してくれた。お礼を言って出発する。納経所で、饅頭や菓子類をもらった事は何度かあるが、納経料を返されたのは初めてだ。

椿堂(常福寺) 境内の不動尊

 ゆるい上り坂の国道を歩き、境目トンネルを目指す。途中、国道脇にある、しんきん庵法皇休憩所で一服。一昨年、秋に来た時は、柿を置いてくれていたが、今回は、名前は判らないが、柑橘類をダンボール1杯に置いてくれていた。その中の1個を頂き、食べる。

しんきん庵・法皇休憩所 休憩所に置かれた柑橘類

 登りきった所が、徳島、愛媛の県境にある境目トンネル。抜けると徳島県だ。民宿まで後少し。
食事処水車前で休憩。高松と志度の旅館に予約電話を入れる。これで、八十窪まで全て、予約。

愛媛県、徳島県の県境  境目トンネル 民宿岡田(徳島県三好市池田町)

 16時前に民宿岡田に到着。殆どの方は、到着、入浴を済ませていた。入浴、洗濯が済んだ頃、旅館小松で同宿だった、大阪から来たKさんが到着。彼女が最後だったようだ。
 夕食時、例によって、ご隠居さんが、手書きの地図を配って、雲辺寺の登りから、観音寺までのコースを説明してくれた。Kさんと、ビールを飲みながら聞く。





掲載日:2019/10/20
次回は「香川編」です


MEMO

・掲載画像は佐々木氏が全て撮影したものです
・古希のお遍路日記 愛媛編
Topに戻る