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短 歌 集 |
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2 0 0 6 年 | |||||
1 月 | |||||
久々の小雨降る夜(よ)の冬の空何とはなしに寂しさおぼゆ | 06.0131 | ||||
やや遠き鏡のように光る川広瀬と名取の川は交じりて | 06.0131 | ||||
猫の舌のさらさらとした手ざわりにやすりのように磨きをかけて | 06.0131 | ||||
しんしんと雪の降る夜に街頭の淡き光に寂しさ増せり | 06.0131 | ||||
朝起きて蔵王の山を眺めれば今日も晴れかと予報士気分 | 06.0130 | ||||
日の落ちて田んぼの中の動く灯は家路へ急ぐ車なりしか | 06.0130 | ||||
車窓より朝陽眩しく差し込みてさっと幕引く音の重なる | 06.0130 | ||||
我ひとり課外授業のテレビを見て素直な子供の心を見たり | 06.01.29 | ||||
温室で育ちしいちごの食べ放題出口に掲げる時計を気にしつ | 06.01.28 | ||||
温室のいちご狩りにておさな子が口より大きいいちごをほおばる | 06.01.28 | ||||
今日の日はモーツァルトの生誕日心静かに”ジュピター”を聴く | 06.01.27 | ||||
日が沈み蔵王の嶺を暗くして薄紅色の夜空が広がり | 06.01.27 | ||||
短歌とは短い詩(うた)と音楽で心が奏でる歌のようにて | 06.01.27 | ||||
底冷えて夜空に浮かぶネオンの灯(ひ)色鮮やかに冴えわたるなり | 06.01.26 | ||||
朝明けの日に照らされし蔵王嶺の清々しさに心満たさる | 06.01.26 | ||||
肌を刺す寒風の道吾ひとり心身ともに冷えゆく心地 | 06.01.26 | ||||
ふるさとの小川で雑魚をとりしとき友と分けいし懐かしき思い出 | 06.01.25 | ||||
ふるさとに帰りて君は何おもう幼き頃の想い出ならん | 06.01.25 | ||||
真っ白な米粒大の融雪剤さらさらさらと風に吹かるる | 06.01.25 | ||||
寒波にて潤う店もあるという着膨れし人ら街を行き交う | 06.01.25 | ||||
"別問題”今年の流行語は決まりかな?”別問題”とは”別問題”かなと?! | 06.01.25 | ||||
新夕のわが通勤の新幹線晴れた日曇る日日々に移ろう | 06.01.24 | ||||
某政党かつぎ上げたは挙句の果て何たることかと悲しかりけり | 06.01.24 | ||||
ポットの湯沸く音にわが家の飼い猫はおやつほしがりにやにやと鳴く | 06.01.24 | ||||
おやつどきちょうだいはと言う妻の声右手をあげてねだる猫いて | 06.01.24 | ||||
ピンポンとチャイムの音に耳を立て一目散に迎える猫はいて | 06.01.24 | ||||
尻向けてさすって欲しいと願う猫情けにほだされさする我なり | 06.01.24 | ||||
朝起きて第一声は猫の声煮干し欲しくてにやと鳴くなり | 06.01.24 | ||||
あゝ悲し時代の寵児の逮捕劇冬の夜空の寒さが増して | 06.01.23 | ||||
粉雪の舞いくる空を見上げればふるさと横手もさぞやと思う | 06.01.23 | ||||
寒風に身を囲いつつ今朝の雪踏みしめながら出勤急ぐ | 06.01.23 | ||||
おみくじを引きたる友と語らいて”中吉”のくじは末広がりという | 06.01.23 | ||||
帰国せし友が神社に参ると言うおみくじ引きて心を癒す | 06.01.23 | ||||
味噌汁に黒く光りし寒シジミ漁夫の姿を思いつつ食む | 06.01.22 | ||||
寒じめのほうれんそうが青々と冬の味覚の甘さを競う | 06.01.22 | ||||
暖かき布団のぬくもり離れ得ず早起き辛し大寒の朝 | 06.01.22 | ||||
真っ白に雪を抱きし蔵王嶺の色の雄大さに心ふくらむ | 06.01.21 | ||||
先人の言葉や故事に感動し我が人生の道しるべとなす | 06.01.21 | ||||
新しい時代の息吹を感じると言った言葉にむなしさ拡がる | 06.01.21 | ||||
遠くにて雁の声聞く闇の中塒を求めて群れて啼きゆく | 06.01.21 | ||||
トンネルを抜けると自然が荒れ狂い地吹雪なりて大地を揺るがす | 06.01.19 | ||||
大連の地に働きて友人と再会よろこぶ湯けむりの宿 | 06.01.18 | ||||
大連の地にて勤めし友人が朝陽の湯宿に深呼吸せり | 06.01.18 | ||||
殿方の露天風呂をばはしごする桧と樽と庭園・八角 | 06.01.18 | ||||
やわらかき木漏れ日照らす露天風呂きらめきながら湯けむり揺るる | 06.01.18 | ||||
冬の日の露天風呂には風が吹き身体ぽかぽか顔ひんやりと | 06.01.18 | ||||
大連の地にいて友がしみじみと秋保の空気は格別うまい | 06.01.18 | ||||
水平線昇る朝陽の眩しかり蔵王の峰を赤く染めつつ | 06.01.11 | ||||
歌のこと何も知らずに歌を詠む言葉を並べてペンを走らす | 06.01.10 | ||||
朝焼けの光まぶしき輝いて凍てつく影の長々と引く | 06.01.10 | ||||
おさな子にいないいないをくりかえし目が輝きてにこりと笑う | 06.01.06 | ||||
小春日の窓越しの陽を背に受けて睡魔に襲わる仕事場の時 | 06.01.05 | ||||
ナショナルの淡々としたCMに事の重さをしのびて悲し | 06.01.05 | ||||
デジタルのテレビ新品備えれば色鮮やかに画面が踊る |
06.01.05 | ||||
仕事始めの駅にて吐く息白じろと共に新年の挨拶かわす | 06.01.04 | ||||
寒風にコートの襟立て駅に立つ仕事始めの新しき年に |
06.01.04 | ||||
初売りのチラシ片手に品定めデジタルテレビに見入る一刻 | 06.01.02 | ||||
雲間より一筋の光さしてきて新しき年の喜び思う | 06.01.01 | ||||
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