No 題  名 作  者 感  想
平家  池宮 彰一郎

角川書店
 現在(03.02.10)、日本経済新聞に連載中の小説です。これまで、新聞小説を読み続けたことはありませんし、この「平家」も、先月何気なく読んだのがきっかけでした。池宮氏の小説を読むのは今回が初めてですが、官僚批判や、行き詰った国家における、改革の必要性など、清盛の時代と現在をオーバーラップさせ、その批判たるや痛烈で一気に読んでしまいました。池宮氏は、「遁げろ家康」の盗作問題で話題になりましたが、病み付きになりそうな作家ですね。中巻、下巻の発売予定されていますが楽しみです。
稼ぐ人、安い人、余る人 キャメル・ヤマモト

幻冬舎
 「稼ぐ人」とは、自分が勤める企業を仮にやめても稼げる実力を持ったタレント。「安い人」とは、パートタイマーのように、単純労働を切り売りする人。「余る人」とは、これまでもらっていた給与に見合う働きができないという評価をされて、勤務先から、やめてほしいといわれる人です。
稼ぐ人になるための七つの「才」。
第一の才:志が高く明確である
第二の才:現実を直視する力
第三の才:成果へのインスピレーションがわく
第四の才:失敗しながらやりぬくタフネス
第五の才:リードしリードされる
第六の才:学習が早い
第七の才:仕事で遊んでいる

ザ・ゴール エリヤフ・ゴールドラット

ダイヤモンド社
 企業の目的(ゴール)は何か?「企業の目標はお金 を儲けることだ」。お金を儲けるという目標を完璧な形で表すことのできる3つの指標。@「スループット」A「在庫」B「作業経費」。スループットは、販売を通じてお金を作り出す割合のこと。在庫は、販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金のこと。作業経費は、在庫をスループットに変えるために費やすお金のこと。
[ステップ1]制約条件を見つける
[ステップ2]制約条件をどう活用するか決める
[ステップ3]他のすべてをステップ2の決定に従わせる
[ステップ4]制約条件の能力を高める
[ステップ5]警告!ここもでのステップでボトルネックが解消したらステップ1に戻る。但し、惰性を原因とする制約条件を発生させてはならない。
V字回復の経営 三枝  匡

日本経済新聞社
 会社を元気にするには、その会社の戦略を大きく組みかえる必要がある。あるいは「仕事のやり方」を大きく変えなければならない。しかし、何より大切なことは危機感をバネに「心」と「行動」を束ね、皆で一つの方向に走ることだ。しかし、だめな会社ほど社内の危機意識は低くたるんでいることが多い。日本企業を生き生きとした組織に変えるためには、どんな壁を乗り越える必要があるのだろうか。この本は以上のことを、ストーリー仕立てで説明した経営書である。
エスキモーに氷を売る ジョン・スポールストラ

きこ書房
売れないものは、売れないはずだった。
 観客動員数最下位の全米プロバスケットボールチームを、弱小のまま高収益チームへと変貌させた、奇跡のマーケティング。どんな分野の、どの商品にも、どの企業にも適用できる、目からウロコが落ちる驚くべき手法!
《ジャンプ・スタート・マーケティングの原則》
@自分が誰かを見誤るな
A顧客の購入頻度を高めよ
B自分の商品のエンドユーザーの名前と住所を入手せよ
C新しい顧客の獲得には、トップが率先して取り組め
D小さな実験をすることで、大きな変化を作りだせ
E今すぐ、革新的なマーケティングをせよ
F自分のアイデアを上役に認めてもらうために万全の準備をせよ
G「誠意ある販売」に努めよ
H顧客がいるところへ行き、その場の雰囲気を「感じ」とれ
I自社の商品に関心をもってくれる人だけをターゲットにせよ
Jリサーチに決定権を与えるな
K年次報告書をクライアントに提出せよ
L社内のスーパースターがやる気をなくす要素を排除せよ
M意図的に“よすぎる”条件を持ちかけよ
Nバックルームをマーケティング・ツールとして活かせ
O大口の顧客と小口の顧客を区別せよ
P経営が厳しくなったら、セールススタッフ(変動費)を増やせ
ルネッサンス
再生への挑戦
カルロス・ゴーン

ダイヤモンド社
 今やカルロス・ゴーンを知らないというサラリーマンはいないだろう。巨額の負債を抱えて、身動きのとれなかった日産自動車を、「リバイバルプラン」により見事なV字回復に導いた人物である。
ゴーン流マネジメントの秘訣は、の問いに「マネジメントとは、職人の手仕事のようなもので、秘訣などなく、実際に自ら手がけ、試行錯誤し、多くの重要な決断を下すことによって学ぶものだ」と答える。基本は、@問題を特定する、A優先順位を確立する、Bあらゆるレベルで双方向コミュニケーションを促進する、といったことである。
人材募集!「問題を抱える日本の自動車メーカーの再生を請け負う社長募集。要、多文化環境でのマネジメント経験。成果主義マネジメント志向が強く、会社が直面する問題を分析的かつ明確に説明する能力がある人。問題解決に当たって部門横断的なアプローチを導入でき、自分の下した決断には進んで責任をもつ人。長期的な目標を視野に入れつつ短期目標に照準を絞ることができ、危機を脱した状況でも組織に緊張感を維持できる人。ユーモアのセンスがあれば尚可。」これにぴったり当てはまる人物がゴーン氏であろう。収益の上がる会社にしたいなら、マネジャーには問題の核心を見抜く能力が不可欠である。そして、組織の緊張感はトップが作り出さなければならない。これが、教訓である。
君について行こう 向井 万起男

講談社α文庫
 言わずと知れた、日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんのご亭主が書いたエッセイである。2003.2.3号のプレジデントで、「妻のご近所話にどこまで付き合うべきか」というテーマで書かれたエッセイを読んだ。抱腹絶倒もののエッセイであった。無性に向井万起男氏が書いた本を読みたくなり、早速、アマゾンで検索し購入した。期待を裏切らないエッセイであった。仕事がらみで一部を紹介すると、NASAでは、宇宙飛行士の家族に対して「家族支援プログラム」というものを定めているそうで、その中の「家族支援文書」では、打ち上げ時に緊急事態が発生した場合を含めて、その対応を細かくマニュアル化している。そのマニュアルの一部が紹介されているが、実に的確なマニュアルであることに驚かされる。仕事柄、業務マニュアルを作成することがあるが、形ばかりのマニュアルに終始する事が多い。その点においても参考になった。全編を通し、飄々とした、肩肘を張らない、万起男氏の人柄に非常に好感を持った。
失敗学のすすめ 畑村 洋太郎

講談社
 人には失敗がつきものである。しかし、人は失敗を隠そうとする。これは仕方がない行為である。しかし、失敗を忌み嫌うだけでは何度も同じ失敗を繰り返すことになる。そこで、失敗の特性を理解し、不必要な失敗を繰り返さないとともに、失敗から、人や企業を成長させる新たな知識を学ぼうとするのが「失敗学」だ。
 新聞で取り上げられるような大きな失敗がひとつあれば、その裏には必ず軽度のクレーム程度の失敗が29は存在し、クレームにいたらないまでも社員が「まずい」と認識した程度の潜在的失敗がその裏には必ず300件はある。つまり、大きな失敗は注意深くしていれば予想できる。
 まずは失敗は恥じである、減点の対象であると考える日本の失敗文化そのものを変えていく必要がある。
本田宗一郎「元気のでる」生き方 柚木 俊太郎

kkベストセラーズ
 本田宗一郎氏について書かれた本は、これまでも何冊か読んだことがある。なぜ、また、この本を書店で手にしたかというと、やはり、本田氏の元気が欲しくなったからだと思う。
 好きなことを仕事にして、好きなことに寝食を忘れて取り組む。人まねが嫌いで、独創性にこだわる。遊び好き、しかし会社の金では遊ばない。本田技研と本田家は別物と公私を厳しく分ける。
 天衣無縫、楽天家、天才技術者・・・。形容詞がいろいろつけられる。しかも、相反する形容詞も多い。これだけでも凄い事だ。独創にこだわる、かっこいい生き方にこだわる、仕事にこだわる・・・いろいろなことにこだわる。しかし、知らないことは誰にでも素直に聞くことができる。そんな、生き方に元気付けられる。天才の天才たる所以の部分はなかなか真似はできないけれど、本田氏の本を読むことで、たくさんの生きるヒントをもらう事ができる。
 「人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになりうる人である。相手が少人数でも、あるいは多くの人々であっても、その人たちの気持ちになりうる人でなけれなならない」
10 質問する力 大前 研一

文藝春秋
 政府の経済政策、年金政策、道路行政、郵便行政などマスコミに毎日取り上げられ、政治家やアナリストが「こうすべき」との見識を語っている。まじめに働いてさえいれば、それなりの老後を送ることが事ができる、などど考えている人は少ないと思うが、政府がどうにかしてくれる、または、どうにかなると考えている人は以外に多いように思う。
 本当に景気はよくなるの?本当に年金は受給できるの?
 生活を守っていくためには、あなた任せでは済まされなくなっている。そのときに必要なことは「質問する力」であると大前氏は提言している。「本当に年金は大丈夫ですか?」この質問に対して、どのような答えが聞けるのでしょうか。政府の「もちろん大丈夫です」という答えに、安心できますか。質問し、考えること。わからなければさらに質問し、調べること。そしてさらに質問する。そして、その繰り返しが物事の本質を理解することにつながる。
 「質問する力」の重要性を認識できる一冊だった。
11 「原因」と「結果」の法則 ジェームズ・アレン

サンマーク出版
 とてもよい本にめぐりあえたと感謝しています。
本の帯にナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、オグ・マンディーのなど、現代成功哲学の祖たちががもっとも影響を受けた伝説のバイブル、と記されています。他の2人は知りませんが、カーネギーの本は、「人を動かす」「道は開ける」「人生論」など何冊か読んだことがあります。そして、非常に感銘を受け、常に手の届くところに置いて繰り返し読んでいた時期がありました。しかし、現在は、書棚の奥に眠っています。常に手元に置いて繰り返し読むには、少しボリュームがあり過ぎたのが原因でしょう。
 「原因」と「結果」の法則は、購入した週に3回読みました。その内容は確かにバイブルというだけのことはあります。カーネギーの本に比べると、シンプルで、エキスだけを書いた本です。そして、常にカバンに入れて持ち歩くにも、仕事の合間に目を通すにも丁度よい厚さと大きさです。
 内容はぜひ読んでご自分で確認してください。きっと、親しい人に紹介したくなる本です。
 この宇宙を動かしているのは、混乱でなく秩序です。そして、私たちの人生は、確かな法則にしたがって創られています。その法則はどんな策略をもちいても変えることができません。それが「原因と結果の法則です」。
 今、「こんな筈じゃない」と思っていることありませんか。でもその結果には必ず原因があります。そのことを理解することが必要でしょう。
12 年収300万円時代を生き抜く経済学 森永 卓郎

光文社
バブルがはじけて十数年。いつになったら景気は回復することやら。とうとうこんな本まで出てしまいました。確かに小泉内閣の政策を見ているとあながちこの本に書いてあることも眉唾とはいえなくなります。
どうも日本はアメリカ型の社会にだんだん変化しているようです。アメリカ社会を考えるとき、日本人はアメリカンドリームを想像する。しかし、アメリカ社会は、想像するほど公平で平等な社会ではない。アメリカンドリームも数が少ないから目立つだけ。勝ち組と負け組みがはっきりしているのがアメリカ社会。日本も努力が報われる社会などと聞こえのいい話に、自分だけは大丈夫との過信から取り返しのつかない政策を肯定しているのが現実のようです。これからは今までのように収入が増えていく時代ではないことは否定できない現実です。そのときに、自分だけは大丈夫と、家庭や楽しみを犠牲にガツガツ働き続けるのか。それとも、自分生き方を見直してみて、自分の持ち味を磨くことは怠らず、しかし、あまりガツガツせず、ヨーロッパ型の、または、日本の江戸時代のような人生を楽しむような生き方を選ぶのか、そしてどちらがより日本人にとって幸せなのか。そんなことを考えさせられる本です。
東大での森永氏が書かれていることになんとなく抵抗感を感じるわけではありますが、一億総中流などと言われたように、なんでもみんなと同じという生き方ではなく、自分の価値観、人生観をしっかり持って生きていくことの大切さを改めて考えされたれた本でりました。
13 アイデアのつくり方 ジェームス・W・ヤング

阪急コミュニケーションス
本の帯には60分で読めるけど一生あなたを離さない本と書いてあります。この本の帯に惹かれて購入しました。
よく、どうしたら良いか悩んでいて、いろいろ資料を集めて、検討していて、でもなかなか思うように結論(考えがまとまらない)が出ない時ってありますよね。仕事の企画とか、頼まれたスピーチとか、論文とか。
行き詰って、早寝をした時とか、一人でクルマを運転している最中とか、風呂に浸かっているときに、「あっ、そうだ!」って、突然考えがまとまる(うまいアイデアが浮かぶ)ことってありませんか。Boarにはよくあります。
この過程を体系的にまとめたのが「アイデアのつくり方」です。アイデアの作り方は、ホームページのトップの「今月の提言」の1月に書きましたが、5段階あります。この段階を踏んでいくと、「あっ、そうだ!」を経験することになります。
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あなたを変える「稼ぎ力」養成講座
決算書読みこなし編
渋井 真帆
ダイヤモンド社
中小企業診断士の資格を取れないかと勉強をはじめました。マンパワーの通信教育をベースに勉強を進めています。しかし、なかなか時間が取れません。試験科目に「財務・会計」があり、さっそく読み始めましたが、テキストは、お決まりの算式とグラフだらけで、興味がわきません。そんなとき、アマゾンの書評で、この本が紹介されていました。「難しい財務・会計の本よりよっぽど決算書がわかるようになる」と。以前、「会計のことが面白いほどわかる本」(天野敦之著)を読んだ時もそのわかりやすさに感激した記憶がありますが、同様の感想をこの本からも得られました。特に、自動車メーカーを比較しての分析や日産リバイバルプランを決算書から検証してみたり。そして、新聞記事や経済誌の読みこなし方などわかりやすく書かれています。本の帯に著者の写真が大きく出ています。中年おやじであるboarには、購入に多少抵抗を感じました。先ずは、このような読みやすい本で読みきることが大切だと思います。この手の多くの本は、途中で関心を失うことが多い中ですらすらと読める一冊です。
15 「稼ぎ力」ルネッサンスプロジェクト 渋井 真帆
ダイヤモンド社
前回に引き続き、渋井氏の著書です。この本を読むきっかけは、渋井氏の「稼ぎ力(ちから)」に関心あったからです。時給○百円でパン屋に勤めていた著者が、自分の力を発揮できない(認められない)イライラからご主人に愚痴を言います。そして、ついきつい一言を吐くことに。これをきっかけにご主人が著者を経営者人材に変身させるべくトレーニングを開始します。そして、経営者人材に変身した著者が現在の成功を振り返り、それまでの過程を本にしたという構成になっています。
トレーニングの内容は、「経営者としての視点」、「経済的分析力」、「経済的伝達力」、「自分なりの仕事哲学」の四つに分類されています。特に「視点」の重要性に力点を置いています。さらに、人生を変える四つの視点として、「長期的・将来的視点」「全体的・マクロ的視点」「本質的・根本的視点」「多角的・多面的視点」をあげています。経営者人材に変身すると、ビジネスチャンスや人脈を広げる出会いが次々に起きることを、自身の体験を紹介することで証明しています。後半部分から島というコンサルタントが登場します。渋井氏の会社設立の資金援助者の一人になる人物であるが、島とのやり取りが実に面白い。渋井氏の著書は、言葉や表現が平易であり読みやすい。どんなに内容の濃い本でも、表現が難しいと敬遠される。わかり易く、伝える。これが渋井氏の持ち味であろう。
ところで、この本も、帯に著者の写真があります。美しい女性のようですが、この写真はいただけない。と感じるのはboarだけでしょうか?
16 運命の法則
天外 伺朗
飛鳥新書
偶然、著者が出演していたラジオを聴いたのが読書のきっかけでした。
「天外伺朗」「運命の法則」「アイボの生みの親が教える好運の育てかた」程度の知識は新聞の書評や広告欄で知っていました。
いかがわしい著者の名前と「運命の法則」などという宗教がかった本、ソニーで仕事をしていたということに多少の引っかかりはありましたが、ラジオを聴かなければまず読むことはなかったでしょう。

いくつかのキーワードが出てきます。
「共時性」「燃える集団」「フローの法則」「外発的報酬」「内発的報酬」

物事に取り組むとき、お金や出世、地位や名誉を得るという目標で取り組むこともあれば、そのような欲得ではなく、好きだから、やりたいから取り組むという場合があります。
前者を「外発的動機付け」、後者を「内発的動機付け」と言います。
仕事のプロジェクトチームが、後者の取り組みで「フローの状態」に入ったとき、何回もチームが「燃える集団」になる経験を著者はしているそうです。

フロー状態の特徴
@行為に集中、没頭している
A浮き浮きした高揚感
B雑念がほとんどわかない。
C時間感覚の喪失
D自分自身の感覚を喪失している
Eその場を支配している感覚。自分が有能である感覚
F周囲の環境との調和感、一体感

燃える集団の法則
「チームが夢中になって仕事をしていると、突然スイッチが劇的に切り替わることがある。その状態になると、どんなに困難な局面を迎えようとも、必ず突破口が開かれる。新しいアイデアが湯水のようにわき、必要な人材、技術、部品などがまるでタイミングを見計らったようにあらわれる。」

外発的報酬というのは、他人による評価・統制を意味する。それを導入すると楽しい遊びも不愉快な仕事に変わり得るという。成果主義は、仕事それ自体の面白さや楽しさも奪ってしまう。そこに成果主義が上手く機能しない原因を見つけている。

二十一世紀における企業理念では、「内発的動機付け」「フロー理論」などがキーワードとなり、「燃える集団」に見られる不可思議な現象が定式化されていくだろうと予言する。