「ISO審査とコンサルティング」
boarの組織では、2つの部門と関連子会社2社で*ISO9001を取得しています。
子会社2社は、従業員数が少ないためスモール・ファーム・スキームという括りで年に1回。
2つの部門は、年2回の審査を受けています。
ですから、boarは、毎年6回の審査に立ち会っているわけです。
オープニングミーティングや審査のなかで、審査員がよく口にする言葉があります。
「審査員は、審査中にコンサルティングを行うことは*JABにより禁止されています。」
しかし、いざ審査が始まると、盛んにコンサルティングを行う審査員に数多くいます。
中には、「これは独り言です」と断ってから助言を行う審査員や、「今の言葉は壁に向かって話しただけです」と言った審査員もいました。
そもそも、審査は、ISOの規格要求事項と審査企業のマネジメントシステムの適合性と有効性を確認するためのものです。
「貴社のこのシステムは、規格の要求事項のこの部分に適合していません」
「現在のシステムは規格の要求は満たしていますが、結果として、多くの不適合が発生しています。その点から、システムの有効性に問題があります」
といった指摘を行うことであり、「この仕組みはこうした方いいです」とか「他社ではこのように行って効果を上げています」といったことはコンサルティングです。
なぜ、禁止されているコンサルティングを行うのでしょうか?
おそらく、企業の側にも問題があるのだと思います。
そもそも、ISOを取得する企業の取得の動機は、取引先からISOを取得しないと取引を縮小するとか、公共工事の入札に有利だからといったものが多いと聞いています。
なるべく、早く簡単にISOのマークがほしいといったニーズが結構多いわけです。
審査機関は、そのことを顧客ニーズと勘違いし、コンサルを付加価値と考えて行ってきたのではないでしょうか。
しかし、これらのことは、審査会社はもとより審査を受ける企業にとって大きなマイナスが生じています。
なぜなら、ISOは、品質ISOにしても環境ISOにしても企業のシステムを継続的にカイゼンしていくための手法のひとつだからです。
審査中に中途半端なコンサルを受けることは、企業は、真のカイゼンの機会を自ら放棄していることであり、コンサルをすることは、その機会を潰すことになるからです。
審査員は、助言を行うことで、審査に付加価値を付けていると感じているとしたら大きな誤解です。
中途半端な知識の提供は、「百害あって一利なし」といっても過言ではないでしょう。
JABがコンサルティングを禁止しているのは、ISOの仕組みを維持するためでしょう。
ISOは今、大きな分岐点を迎えています。
バブルといわれた、これまでのようにはISOを取得する企業は増えないでしょう。
しかし、今のままでは、現状を維持することも難しくなるように思えます。
第三者機関による審査という仕組みをもつISOにおいて、一番重要なこと、それは、審査員の力量でしょう。
そして、その中でも特に「経営に関する能力」が重要だと考えます。
企業は、規模の大小に関係なく生き残りをかけて必死です。
中小企業にとっては、ある意味ISOの取得が生き残りのひとつの方法だったわけです。
今後は、審査を行っていくことで、社内の仕組みをカイゼンする機会を提供していくことが求められます。
審査員に「経営に関する能力」が無ければ難しいでしょう。
審査を受ける企業は、自ら学習する機能をもった組織になることが必要でしょう。
boarは、ISOを維持管理部署にいます。
ISOの定着を目指して色々な情報を集めています。
「トヨタ生産方式」については、以前に書きました。
「最強組織の法則」「学習する組織」は参考になります。
(2005.05.28 boar)