ISOで潰れる会社



ISOを取得したために、経営がおかしくなった、という話を聞くことがある。
ISOを取得するには、お金がかかるし、システムを構築するためには、人手と時間もかかる。
マネジメントシステムを構築するわけであるから、ある程度のことは、覚悟しておくことが必要であろう。

システムを構築する場合、自社でコツコツと築き上げていく場合と、コンサル会社に依頼し、共同で作業する場合がある。何れの方法を選択するかは、会社の事情によって決まるわけであり、どちらかを選択した結果、システムが上手くできなかったということは考え難い。
(つまり、ダメな場合は、どちらの方法でもダメということである。)

ISOの取得動機を調べてみると、自社に国際規格に基づいた、品質マネジメントシステムを構築するため、といった会社は、少数派である。商売上ISOが必要である。
取引先から取得するように求められた、といった動機をもつ会社が驚くほど多い。
(わが社も、後者である。)
こうなると、時間をかけて自社に合った品質マネジメントシステムをじっくり、コツコツ築き上げることは許されないことが多い。
○月までに取得とか、今期中に取得といったことになる。
そこで、ISOの取得を任された担当者は、できるだけ手っ取り早くシステムを構築することを第一の目標にする。
この担当者の目標に、会社を上げて協力してくれるところは、まだ良いほうで、担当者が孤立してしまうことは、想像に難くない。
会社を上げて協力したところでも、目出度く認証取得ができると、気が抜けて折角のシステムを一時休ませてしまうところもあるようだ。

このような、ISOの実情を考えると、一時的に経営がおかしくなることはあるのかもしれない。
しかし、お金がかかりすぎて、企業倒産に追い込まれるところまでは考えられない。
もし、本当に倒産した会社があったとしたら、その会社は、ISOを取得しなくても倒産したダメ会社と思われる。

最後になるが、重要なことは、構築した品質マネジメントシステムを、「継続的に改善する」ことである。
多くの会社が、ISO導入に際し、自社に合った、満足したシステムでスタートすることができないのであれば、それを改善し、意味のあるものに少しずつ変えていくことが大切になるわけである。
幸い、ISOには、この仕組みを規格要求自身がもっている。
「仕組みは、一日にして成らず」である。継続することでISOが成長するのである。
もし、育てられない場合はどうするのか?ですか。 
そういう会社は、危険信号を発していると理解すべきであろう。
もう一度、自社のマネジメントの仕組みを点検し、すばやく阻害要因を取り除く必要がある、とお答えする。

(2003.02.27:boar)