ISO9001は、品質についてのマネジメントシステムを定めた規格である。
マネジメントとは、計画を策定し、その計画通りに成果を出すためのものであり、マネジャー(管理者)とは、方針や目標を設定し、その方針や目標を確実に達成するためのリーダーを指し、マネジメントシステムとは、そのための仕組みをいうわけである。

ご存知の通り、P(Plan)、D(Do)、C(Check)、A(action)をマネジメントサイクルと呼ぶが、これは、計画を立て、それを実行し、計画や実行プロセスのチェックを行い、計画と実績に差異が生じた場合には、処置をとり、結果として成果を生み、次のサイクルではさらに高い計画について成果を生むための管理循環をいう。

ISO9001は、品質についてのマネジメントシステムであるから、品質についての、P、D、C、Aを回すことと理解できるわけであるが、枕詞である「品質」(Quality) をどのように考えるかによって、構築する仕組みが大きく変わることになる。

ISO9000(基本及び用語)をみると、品質を「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」と定義している。これだけではわからない・・・???
私見を述べれば、品質とは、会社が提供する製品の品質に止まらず、もっと広いものとして理解する必要があると考える。
営業が顧客にアプローチし、苦労して成約に結びつける。
そして、製品を顧客に引き渡す。
この商社のプロセスを考えてみよう。

お客さまを重視し、お客さまに満足してもらい、継続して取引をしてもらうためには、製品の品質は、重要である。
しかし、商社にとって製品品質は、取引先であるメーカーに負うところが大きい。
しかし、同じ製品を扱っていても、順調に売上を伸ばしている会社と、落としている会社がある。
景気低迷の昨今においては、二極化が一層明確である。
このことを考えると、品質は、単に製品品質だけと捉えるのではなく、経営全般、つまり、人的な資源やインフラ、財務的要因、情報などの品質と捉えたほうがISOの導入効果は幅が広がる。

ISO9001は、そこまでの品質を求めているとは思えないが、ISO9001を導入する企業は、自社の経営品質を継続的に改善し、向上させるシステムを構築するのだと捉えることが重要と考える。
そのためには、現在のマネジメントの仕組みを検証し、他社に比べて、強い仕組みと弱い仕組みの洗い出しを行い、なぜ強いのか、なぜ弱いのかを明確にした上で、ISO9001を考えると効果的だろう。

再度記すが、マネジメントは、「計画」=「成果」のための仕組みである。
計画がいつも途中で破綻する会社にとって、ISOは、マネジメントを見直す有効なツールである。ISOを取得するしないに関わらず、ISO9001を自社のマネジメントシステム構築、またはチェックのための手引きとして利用することをお薦めしたい。

(2003.02.27:boar)





マネジメントシステムとしてのISO