其の六 (03.1.24)

速く走る? 上手く走る?

 

其の5を書いてからもう1年半近く経ってしまいました。
あらためて今までのを読み返すと、結構勝手なこと言ってるねぇ〜〜

ま、ここはそういうコーナーだから、この形で進んでいくとしますか。

今回は、走り方について色々語ってみましょうか。
我々BENEFITも立ち上げから今年で9年目を向かえます。当初は4人で始まったチームも、今は13人と大家族になってしまいました。
人が増えると走り方もそれぞれで、その話題も色々です。それぞれ息の合った仲間が微妙に出来ていくのですが、常に速い、遅いを考えているグループ。みんなでわいわい走りたいグループ。とりあえず集まっとけってグループ。大きく分けてこの3つではないでしょうか。その中でも最初の速い、遅いグループについて今日は話をしようと思います。
私も男の子。速さにはやはりあこがれます。確かに少し乗れてきたな、と思い出すと今度はいかに速く走るか。ライバルよりどれだけ速く走れるか。もちろん一般道ですのでタイム計測なんてありませんから、目的地を決めてそこに到着したとき、遅い方との到着タイムラグで速い遅いを比べます。若しくは前に走っているバイクに最後まで付いていけたら勝ちだとか負けだとか言ってました。一般公道で速度を争うだけでも十分危険なのに、そこで追い越し合いなんてした日にゃ死人が出ること間違いなしです。それだけはやめようと、私たちは追い越し禁止条例を設けました。
毎日のように峠に入ってはライバルと争ったり、たまたま出会ったライダーと争ったりもしたもんです。「こいつ右ウインカー出してやがる。その勝負、乗った!」とかね。
20歳くらいまではそんなバイクの乗り方をしてました。そりゃ、勝負に出て負けたことも数多くあります。CB1000SFに乗っていましたが、9Rに挑んでサクサクッと点にされてしまったり、旧車に煽られたおしたり。その度に練習練習と昼夜問わず走り倒してました。しまいにゃ雨が降るのを待って峠に入ってウエットコンディションで攻めるにはどうしたらいいかなんてやってたこともあります。今ではさっぱり見る影もないですが私も峠ライダーとして走り回っていた事があるんですよ。
当時は馬鹿のようにアクセルを開けて、タイヤを滑らし、ステップをガリガリ言わせる=速い。という考え方でした。もうこけてもいい。ってな感じでとりあえず他のやつより速く走る。が常に頭の中をぐるぐるぐる。
BENEFITが7,8人の人数になったとき、やはり速く走りたい人、ゆっくり走りたい人と意見がばらばらになり、やむを得ずツーリング時はチームを2分し走りたい人間は先に行き、ゆっくり楽しみたい人間はあとからついてくる。という形式をとりました。
後者のBENEFITファミリー軍団はいっちゃんを先頭に、速い隊は私を先頭に。チーム内でも様様なバトルが繰り広げられ、もちろんそれに応じて転倒者も出たりしました。
その直系にあたるのが、現こうへい別働隊。この部隊は今もなお速さを競っております。しかし、みんなの年齢が上がるにつれ、だんだんその勢いも低下、今はこうへい一人で勢いづいちゃってますね。私自身、今も峠に入ったらある程度の速度で走りたいとは思います。しかし昔ほど後ろのバイクを点にしたいとか、前のバイクに追いつきたいって気持ちは無くなって来ましたね。

前置きがかなり長くなってしまいました。本題はここから。

そんなこんなで速いだなんだと言っていますが、基本的に速い=上手いだと私は思うんですよね。で上手い=それなりのキャリアがある。だとも考えられると思うんですよ。
レーサーってめちゃめちゃ速いです。アマチュアがいくらがんばってもレーサーレベルで走ることは不可能です。それはプロのレーサーは毎日毎日練習練習、体力作りまで抜かりがありません。私みたいに月に一回乗るか乗らないか解らない人間と比べると、大違いです。プロの話まで言ってしまうと、極限状態の話になってしまうので、それは置いといて、アマチュアレベルで話すと、繰り返しになりますが、相対的に長く乗ってる人間が速いです。あと、頭を使える人が速いです。どういうことかと言うと、アクセルを開けたらスピードが出る。って思っている人は速くは走れないでしょうね。アクセルを開けたらなぜスピードが出るか。もちろん、キャブレターがどうなってどういう理屈でガソリンが流れて、どうなるからパワーがでてどうのこうの。そこまで理解できていて初めて速い=上手い乗り方が出来るんだと私は考えてます。ハンドリングに関してはなぜ曲がるのか、もちろん遠心力と重力の関係、慣性の法則、タイヤと地面との摩擦・・・・など等。
それを理解しているのと理解していないのでは全く走り方が違うし、安全に、速く走ることができると思う。たまに何故だか解らないがめちゃくちゃ速いやつがいる。しかし、こける。これは私的に言わせると速いとは言えない。
我々が普段走るのは公道であって、サーキットではない。レーサーはこけるかこけないか。そのぎりぎりの状態をレース終了まで持たせる走りをしている。故にレースを一回見たら転倒シーンを一回は見ることができるはず。
公道であんなことやってたらそれは馬鹿です。やるならサーキット行きましょう。
こけてもいい速さは速くないです。こけるって事は色々原因はあるでしょうけど、基本的に腕が伴わないパターンが多いと思います。最近のバイクはどんどん進化して、とんでもないパワーを持っているバイクも多いですね。WGPのモンスターマシンに乗れって言われたら、みんな乗れます。はい。普通に走りますよ。でもそのマシンのスペックを使い切るために、プロでも苦労してるんですよね。たかだか市販車とはいえ、最近のマシンを使い切るのは非常に難しい。大半の人が、バイクに乗せてもらっています、操ってはいませんよ。でも最近のバイクはすばらしい。普通に乗るだけで何も考えなくても速く走れちゃうんですから。そういうことに気づかず乗っていると、いつのまにか自分で制御できない領域まで入っていきます。そして転倒します。
人間個人差ってありますよ。みんな自分の限界ってもんがあります。
その限界を自分で見つけることが、速く、上手くなる最短距離だと私は考えます。こけちゃおしまいですよ、体も懐も痛い。
話があちこちに飛んでしまったのでまとめると・・・・・。
自分のカバーできるペースで、常に今の自分とバイクの状況を読み、こけずに冷静に走れる人が速い人だと思います。そういう人は=上手い人だと思います。
もちろん、ライン取りやブレーキタイミングなどなど他にもいろいろ学ばなければいけない点も数多くあります。そうなってくるとキャリアが物を言うのも解ってきませんか?
一度泳げるようになった人って10年目ぶりにプールに入っても距離やスピードは出せないかもしてませんが泳げます。でも最初って泳げないものですよね。
バイクでも同じ事がいえます。納得いく感触を得れば、間違いなくその技術は残ります。そして決して速くはないかもしれませんが、上手く走ることは出来ると思います。
公道では、「速い」と言われるより、「上手い」と言われるように心がけたいものです。
なぜ、バイクが走るかを理解しましょう。
走りながら自分の状態を分析しましょう。
「これ以上行くと怖いな。」って言う気持ちが大切です。
これが速く=上手くなるための近道だと考えるのは私だけでしょうか。